新鋭、パテンのアルバム、そして昨年の超話題盤OPN、WARPの音源をハイレゾで!
ということで、念願かなって、OTOTOYより、世界的なエレクトロニック・ミュージックの名門〈WARP〉の作品がハイレゾ配信開始されました。昨年、さまざまなメディアで年間ベスト総なめ状態、いわばエレクトロニック・ミュージックの顔となったワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(以下、OPN)の『R Plus Seven』。そして、そんなOPNとともに3月21日(東京)・22日(大阪)に来日公演を行うパテン(patten)――〈WARP〉に移籍したばかりの新鋭の最新アルバム『ESTOILE NAIANT』。この2枚の音源を、ハイレゾ、24bit/44.1kHzの高音質音源にて配信を開始いたします。彼らふたりは、〈WARP〉のエイフェックス・ツイン、オウテカ、クラークといった、レーベルの看板とも言えるエレクトロニック・ミュージック路線に属する、最前衛アーティストたち。その繊細なる電子音の表現はぜひとも、ハイレゾにて細部に渡って楽しむべきであります!
Patten / ESTOILE NAIANT(24bit/44.1kHz)
【配信価格】
単曲280円 / まとめ購入2,400円
【Track List】
01. Gold arc / 02. Here always / 03. Drift / 04. Winter strobing / 05. Softer
06. Pathways / 07. 23-45 / 08. Key embedded / 09. Agen / 10. LL2
Oneohtrix Point Never / R Plus Seven(24bit/44.1kHz)
【配信価格】
単曲280円 / まとめ購入2,400円
【Track List】
01. Boring Angel / 02. Americans / 03. He She / 04. Inside World / 05. Zebra
06. Along / 07. Problem Areas / 08. Cryo / 09. Still Life / 10. Chrome Country
WARPが描くエレクトロニック・ミュージックの未来へ
いわゆる2000年代初頭に起きたエレクトロニカのある種のバブル以来、恐らく、いまひさびさに世界中のアンダーグラウンドなエレクトロニック・ミュージック――ダンス・フロアを主体としない電子音のフリーキーな流れ――が大きな盛り上がりを見せている。そこにはインディ・ロック、ノイズ、アヴァン・ロック、そしてベース・ミュージックにミニマル・テクノまで、様々な出自から流れ出た、電子音のシーンが接続している。 こうしたなかで、名門〈WARP〉はオウテカやクラーク、ボーズ・オブ・カナダといったベテランと、インターネットから涌き出た新世代をひとつの流れとしてプレゼンする、そんなハブのような役割を担っている。今回ここで紹介するパテン、そしてOPNは後者の象徴的なアーティストであり、ある意味でレーベルの新たな視点という意味で〈WARP〉の現在をまさに端的に示すアーティストと言えるだろう。
2013年のシーンを象徴するOPNのアルバム
OPNこと、ダニル・ルパートン。彼はいまや朋友、ジェイムス・フェラーロや、〈Hyperdub〉からリリースしている才女、ローレル・ヘイローとともに、現在のNYアンダーグラウンドの刺激的な現状を示すアーティストのひとりと言える存在だ。 そのキャリアは2000年代後半よりはじまる。OPN名儀などで、カセット・テープ(!)などで作品をリリースし、ノイズ/ドローン、またジャンクなコラージュ・ミュージックのアーティストとして活躍していた。そして2011年にリリースされたアルバム『Replica』でアーティストとしての評価を確実なものとしたのだ。このアルバムにより、ヴェイパー・ウェイヴ(チープな1980~90年代のテレビのBGMなどをコラージュするスタイル。現代のモンド/ラウンジ・ミュージック・リヴァイヴァルとも言えそう)の旗手として、RAやピッチフォークといった有力メディアによって高い評価を受けたのだ。それ以降はまさに、アンダーグラウンド・エレクトロニック・ミュージック・シーンの風雲児として多数の作品をリリースしていく。そうしたなかでの〈WARP〉への移籍は、シーンにとってみればかなりのインパクトあるニュースであった。こうしてリリースされたのが『R Plus Seven』である。シーンからの高い期待をさらに上回る音楽性で、同じくレーベルの看板であるオウテカやボーズ・オブ・カナダの新譜と並んで、ときにはそれ以上の高い評価を受けたといっても過言ではない。まさに2013年の〈WARP〉を、そしてエレクトロニック・ミュージック・シーンのここ数年の流れを象徴する1枚と断言できる作品だ。
正統派の系譜、その末裔――パテン
そして、上記のようにオウテカやボーズ・オブ・カナダ、クラークといった大御所アーティストのひさびさの新作などが続いた2013年。〈WARP〉のエレクトロニック・ミュージックのラインにさらにもうひとりの才能が加わる。秋にリリースされたパテンのシングル『EOLIAN INSTATE』(この不思議な名前はアルバム・タイトルのアナグラム)によってだ。まさに「これぞ〈WARP〉」と良いたくなるような響きを持った作品であった。
パテンは、あまりバイオグラフィーなどについては明かされていないが、ロンドン在住のアーティストで〈WARP〉移籍以前は、どちらかと言えばチルウェイヴの文脈で語られてきたアーティストだ。そのあたりは、2011年にグライムスなどをリリースしているレーベル〈No Pain In Pop〉からファースト・アルバム『GLAQJO XAACSSO』をリリースしているあたりに起因するのかもしれない。が、そのアルバムもいま聴けば、ビート感はチルウェイヴのそれよりもクラーク辺りの影響を強く感じるものだ。さらには言えばアクトレスの最新作同様の、ここ数年インディ・エレクトロニクスに流れるインダストリアルな風すらある。
そしてそこまで表立った動きはないまま、2013年の突如の移籍、そしてシングル『EOLIAN INSTATE』となるわけだ。さきほど「これぞ〈WARP〉」と良いたくなるような響きと書いたが、この作品は、初期エイフェックス・ツインのサイケデリックなアンビエント路線と、ジュークやベース・ミュージックの最新のビート感がフリーキーにせめぎあう刺激的な作品となっている。
次いでリリースされたがのが、今回のもうひとつの本題であり、〈WARP〉が2014年の第一段のアルバムとしてリリースするのが、この移籍後初となるアルバム『ESTOILE NAIANT』だ。そのタイトルの関連性が示す通り、シングルの路線をさらに拡張したものと言えるだろう。まず、耳に残るのはやはりサイケなシンセのパットと、まるで夢のなかで全体が鳴っているような隠った音響だ。そのサウンドスケープに、エイフェックスやボーズ・オブ・カナダといった先達あたりを彷彿しない人間はいないだろう。またアルバムによって、より明確になったのは、そのビートの重要性だ。細かく刻まれる刺激的なビートはときにジュークのようであったり、LAビート系のゆらぎであったりとかなり多様で、このビートの動きが作品をより魅力あるものにしていることは間違いない。そして、そのビートの動きに、今様を感じることは難しくない。こうした音楽性によって、〈WARP〉の長年の電子音楽史の積み重ねに共鳴したアーティストというのがすぐに浮かぶ。
OPNがどちらかと言えば、〈WARP〉のエレクトロニック・ミュージックの系譜に新たに加わった血だとすれば、パテンは〈WARP〉が積み重ねてきたその系譜の末裔、子孫といった感覚が強い。まさに〈WARP〉の音、と往年のファンを唸らせ、そしてこれから〈WARP〉を聴く人々にはその名刺として、レーベルをその路線を紹介するに足りうるサウンドだ。
(text by 河村祐介)
ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー & パテン初来日公演!
3/21 (Fri) Daikanyama Unit
Open 18:00 / Start 19:00
Ticket: 4,500 yen in adv. 5,000 yen at door *別途1ドリンク代500yen
東京公演チケット情報
【 先行 】
e+ (http://eplus.jp
プレオーダー 2014/2/1 (土) 10:00 ~ 2014/2/2 (日) 23:59
【 一般 】2014/2/8 (土) ~
beatkart (http://shop.beatink.com)
e+ ([[http://eplus.jp|http://eplus.jp)
チケットぴあ (http://t.pia.jp) TEL 0570-02-9999 : Pコード223-339
ローソンチケット (http://l-tike.com) TEL 0570-084-003 : Lコード70324
3/22 (Sat) Osaka Circus
Open 18:00 / Start 19:00
Ticket: 3,500 yen in adv. 4,000 yen at door *別途1ドリンク代500yen
大阪公演チケット情報
【 先行 】
ローソンチケット (http://l-tike.com) TEL 0570-084-005:Lコード52095
ローチケ先行 2014/2/1 (土) 10:00 ~ 2014/2/6 (木) 23:59
【 一般 】2014/2/8 (土) ~
beatkart (http://shop.beatink.com)
e+ (http://eplus.jp)
チケットぴあ (http://t.pia.jp) TEL 0570-02-9999
ローソンチケット (http://l-tike.com) TEL 0570-084-005:Lコード52095
CN プレイガイド (http://www.cnplayguide.com) TEL 0570-08-9999
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