ダンス・ミュージックのベテラン、Watusi(COLDFEET)が渋谷から送る初ソロ作! 独占リミックス付きでハイレゾ配信!
自身のユニット、COLDFEETをはじめ、アンダーグラウンドなクラブ・ミュージックをその足場に、プロデューサーとして、そしてDJとしても活躍するWatusi。そのキャリアは36年にもおよび、中島美嘉やBoAなどのプロデュースなどJ-POPの領域でもヒットを飛ばすなど、まさに枠を超えた活動を続けている。
そんな彼がこのたび、意外なことに初のソロ・アルバムのリリースを今冬に予定している。リリースは、渋谷のウォーム・アップ・バー〈しぶや花魁〉発のミュージック・ブランド〈OIRAN MUSIC〉。プロデュースにその主、ヴィーナス・カワムラユキを迎えている模様で、そのテーマはなんと「テクノ」だという。その先行カットとしてこのたびリリースされたのが、ここで紹介する「Don't Touch Me」。コスプレ・アニソンDJであるサオリリスをヴォーカルに迎えた、パンキッシュなヴォーカルがこだまするエレクトロ・トラックとなっている。
OTOTOYでは本作をハイレゾで配信するとともに、独占ボーナス・トラックとして、DJ Taki-Shitのリミックスも収録!
Watusi / Don't Touch Me EP(24bit/48kHz)
【配信フォーマット / 価格】
ALAC / FLAC / WAV(24bit/48kHz) : まとめ購入のみ 850円
【Track List】
01. Don't Touch Me feat. Saolilith (Original Mix)
02. Don't Touch Me feat. Saolilith (Multi Touch Mix)
03. UNDERLINE
04. Tokyo Techno Drive (electrounin Remix)
05. Tokyo Techno Drive feat. Nonka (DJ TAKI-SHIT SKY HIGH REMIX) OTOTOY限定トラック
INTERVIEW : Watusi、ヴィーナス・カワムラユキ(OIRAN MUSIC)
その長いキャリアのなかでWatusiがはじめてリリースするソロ・アルバム。そのタイトルは『Technoca』。その名の通り、その音楽性はテクノを主体としたもので、これまでのハウスやディスコ、ドラムンベースといったサウンド・イメージの強い彼のプロダクションから考えると随分と意外とも言える。とはいえ、そこは手練中の手練、今回リリースされた先行カットでも野太いグルーヴをしっかりと響かせている。
渋谷は円山町、ON AIR系統のライヴ・ハウスや、CLUB ASIAなどがひしめく音楽の街、そしてその裏を返せばラヴ・ホテル街という、その地のまさに入り口に存在するバー / レストランの〈しぶや花魁〉。その地を拠点に音楽をはじめ、ファッションなども巻き込み展開する〈ORIAN MUSIC〉からのリリースとなる。
さて、ある意味でぶっ飛んだ今回のシングル、そして初のソロ・アルバムへと続く、Watusi、またそれを生み出す〈ORIAN MUSIC〉とは? 〈ORIAN MUSIC〉を主催、自身もDJ / アーティストなど多方面で活躍するヴィーナス・カワムラユキとWatusiの対談と相成った。
インタヴュー&文 : 河村祐介
ドライブ・ミュージックという定義はありなのかなぁと思いついたりした
――まずはレーベルの母体となるお店〈しぶや花魁〉について聞かせてください。
ヴィーナス・カワムラユキ(以下カワムラ) : 2010年の6月にオープンさせて頂きました。
――このタイミングで、音楽レーベルを作るというのはどんなモチヴェーションなのでしょうか?
カワムラ : 〈OIRAN MUSIC〉はレーベルではなくて…… ミュージック・ブランドとアート・プロジェクトというカテゴライズで在りたいと。レーベルという概念に関しても興味はあるのですが、私の中でネクスト・ステージを探る想いもあり… 。出来る事ならば、インプロヴィゼーションというか、日々の〈しぶや花魁〉のグルーヴをプロデュース作品にフィードバックをするという発想に重点を置いていきたいです。そして他のレーベルさんが関わっていらっしゃる作品が〈OIRAN MUSIC〉のコンパイルにより、再発リリースされたりとか、リミックスでコラボしたり。他には洋服屋さんや、ファッション・ブランドとコラボをしたり、色々な組織や、媒体に対しても〈OIRAN MUSIC〉のエッセンスと交差させて頂くことが起こり… 面白いエンターティメントのワンシーンが出来たら、という事の方が近いのかなと思います。
――じゃあ、いわゆる "プロダクション" に近いのかもしれませんね。カワムラさんが舵取りをして、アウトプットはさまざまな形で行うという。そのなかのひとつが、今回の音楽ものであると。
カワムラ : そうですね。
――今回Watusiさんのソロ・プロジェクトになったというのは、どういう経緯でしょうか?
カワムラ : 今年の4月9日にリリースさせて頂いた 〈しぶや花魁〉 のコンピレーションCD『SHIBUYA OIRAN warm up music』に、COLDFEETの楽曲をライセンスさせて頂きまして… 。このアルバムには七尾旅人からラスマス・フェイバーまでジャンルの壁を越えて、〈しぶや花魁〉というお店のキーワードのみでコンパイルさせてもらっているのですが… この機会を与えてくださったのが、まさにWatusiさんという…。
Watusi : システム7までね!
カワムラ : システム7は、このアルバムのために「この曲を愛しているのでリミックスさせて下さい!」って、直接2人とスタッフの皆さんにお願いして成立したという (笑) 。2014年現在の常連のお客様の集いをコンピレーションしたといえば、その感覚に近いのかもしれません (笑)。
――しかしその集いでこんなコンピが出るってすごいですよね。
カワムラ : そして、Watusiさんご自身から、今回のアルバムのお話をご提案頂きました。
Watusi : そう、俺からはプロポーズみたいなもんです。僕は音楽を作ることしか興味ないというのが正直なところで。極論に言ったら音源が完成したらもう満足できちゃう。でも出来たなら、なにか形として残したいって欲も出てきちゃう。で、出すって作業をリアルに考えた時に、自分の信頼できる誰かに、「いいじゃん、いいじゃん、これ出そうよ!」「一緒にやろうよ!」って肩を押していただくって行為が自分にとって必要だと思うんですよ。
――たしかに。
Watusi : で、今一番信頼できる人間、ここ数年、深く僕自身に入り込んできてくれていて、繋がっている気持ちがあったのがヴィーナス (カワムラユキ) だったんです。レーベルというかプロダクションをはじめたというのも聞いていて。ヴィーナスに「ちょっとこれどう思う?」ってアルバムのほぼ全曲のラフができた段階で、世界で初めて聴かせたの。で、これを〈OIRAN MUSIC〉で、やってくれるんだったら、自由に何してもいいからって (笑) 。
カワムラ : 今から一年と少し前ですかね。WatusiさんがDOMMUNEから 〈しぶや花魁〉 まで車で送ってくれたときに、カーステレオでアルバムのデモ曲を聴かせてくれたんですね、それが「Tokyo Techno Drive」というソロ・デビュー曲にその後、発展するのですけれど。カーステレオで聴いて、すごく気持ちよい音だなぁと直感的に感じたので、現テクノの音楽の立ち位置のひとつに、ドライブ・ミュージックという定義はありなのかなぁと思いついた事もあり、徐々に今回のプロデュース・ワークの外枠を構築してゆきました。
Watusi : たぶん3年くらい前から作ってるんだよね。ある程度作ったものを聞いてもらってから、出てきたアプローチの中で「ちょっと歌を入れてみよう」とか「ここにこんな新曲が混ざってると面白いじゃないか」というので、改めてトッピングや新しい曲を作ったりしてね。
――Watusiさんが作っていたものを、最終的にはおふたりでまとめるという。
カワムラ : そうですね、本当になにをやってもいいよという感じだったので (笑) 。
Watusi : もう自分の名前を変えても良いよって言ってた (笑) 。
カワムラ : Watusiさんは、私が生まれた年にデビューなさっておりまして (笑) 。そして満を持して、初のソロ・アルバムを制作というお話しだったので、プロデュースを担当させて頂くことは恐れ多いと尻込みする一瞬もありましたが… (笑)。
Watusi : 苦節36年のソロ・アルバムのプロデュース、なんだかすごいの振るよね (笑) 。
カワムラ : しかし、せっかくの機会だなと思って、まず先入観を払うところから始めて。私に出来る事といえば、ゲスト・アーティストのブッキングの中で、若くてフレッシュなエネルギーをプラスしてゆく事と、出来ればほぼ女性のクリエイターのみで固めたいというのはありました。ベテランのWatusiさんだからこそ、このような流れと融合していくことがテクノ化なんじゃないのかなと。
Watusi : ベテランとのコラボ禁止令出ましたからね (笑) 。
――しぶや花魁だったら、その人脈から言えば、大御所のテクノ・アーティストとやることも自然にあったりもするわけじゃないですか。
カワムラ : それだと、クレジットを見ただけで大体予想ができちゃうような作品に仕上がると思ってしまったので。やっぱり蓋を開けるまで内容が予想できないものを作りたいじゃないですか。そして今回のアルバムは、私が曲順とかタイトルまでも全部決めさせてもらっています (笑) 。
――本当にプロデュースという感じですよね。
Watusi : もうほんとそう。僕は作っただけで満足してるんで。どういう出し方が良いか全部考えてもらいました。約束としては「俺は何も言わないから」という、「ノー」を言わない男で (笑) 。
カワムラ : 20代中盤くらいの若手が運営しているブランドの服を着ていただく機会もあったりして、なんか面白い、見たことがない、体験をしたことないことが縦横無尽にクロスしていく感じがテクノ化なのでは? って思いました。
音楽の方法論に詳しくない私ならではのプロデュース
――なるほど、Watusiさんがテクノというのもちょっと意外というか。やはり、勝手ながらドラムンベースとかハウスとかディスコのイメージが強かったので。
Watusi : 今、東京で生きている感覚というか、自分の足が着いている場所で、その時々に自分にとってリアルなことをやるってのを随分前に決めてるんですよ。今、COLDFEETはちょっと動きづらいって状態にあるんで、ここ数年はDJだけをやってるんですね。そんな中、自分でプレイしたい曲を作ろうかとソロを作り出して、最後のミックスまでの行為を一人で、自分と向き合ってやってると、なんだか結果テクノ的なサウンドになっちゃうんだよね。ハウスには「あなたの音楽」って感じが強くあると思うんだけど、自分と向き合ってひとりで完結させるって行為はテクノなのかもね。でもテクノを長年作り続けて来ている方々には申し訳ない話なんで、それでアルバム・タイトルは「Technoca?」みたいなのはどうかなと (笑)
――クエスチョンなんですか (笑) 。
Watusi : そういう意味でクエスチョン付けようかなみたいな。クエスチョンつけてもいいけど、「ナニナニ化」や「ナニナニ科」の「ca」でもいいんだけど。
カワムラ : 十代からテクノの色々な現場で遊ばせてもらっていた私に、そういうテクノの現在の視点の代表格みたいな回答を求めてくださるのですから、アバンギャルトで挑戦的な意味も含めて本当にテクノ化かもしれないですよね (笑) 。
Watusi : でもヴィーナスに「これ、新しいドライヴ・ミュージックですよ」って言われた時に、すごく開けたというか、楽になったね。「そうか! 俺が今作ってるのはドライヴ・ミュージックだ!」って、その車内にいる人たちが、なんかハッピーな、暗黒な曲でも楽しい気持ちになれればいいなあっていう。
カワムラ : 夜遊びやレイヴに行かれる方とか、マイルド・ヤンキーにも (笑) 。Watsuiさんのアルバムでドライヴは如何でしょうか? と思いますね (笑) 。
――じゃあ結構、ヴィーナスさんの "ドライヴ・ミュージック" って提案は、ある種アルバムを作る上で大きかったと。
Watusi : うん。デカいよ。だって、テクノじゃない人がテクノ的なアプローチをしていく時ってどこに向かうかを探るのよ。テクノっていっても、例えばアムステルダム的なサウンドなのか、ベルリンのシーンとしてのテクノなのかとか。やっぱり何かしらのフォーマットの中に落とし込みたくなるじゃないですか?
――まあ、テクノってそういうジャンルですからね。
Watusi : 今だったら、どこだって良いような時代性も含めて考えてた所に、いきなり「イオンに行く時にボリューム上げたくなる音楽作りましょっ!」なんてね (笑) 。そんなお題をもらったら嬉しい混乱だよね。それでもうちょっとボリュームあげたくなるってのはなんだろっていう…… 。
カワムラ : 色々なところで遊んできて、少しは仕事もしたりして、現在の東京の誇れるテクノ・サウンドってものを、肩肘張らずに作りたいなっていうのもありましたね。
――このあたりで今回の本題のシングルに関してお話をと思うんですが、「Don't Touch Me」の歌詞は? カワムラさんの作詞の英詩ですが。
カワムラ : 私は2008年から作詞家としても活動しているのですが、基本的に実体験を書こうっていうのがコンセプトとしてありまして。渋谷道玄坂のある夜にこういった出来事があったんですよ、「Don't touch me」て言いたくなるような出来事が (笑) 。まぁね、それも“夜の艶”というか。
Watusi : 大人だねえ。
カワムラ : なんか楽しい夜にはヒリヒリする一瞬もスパイスとして付きものっていうか。例えばオノ・ヨーコさん、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドとか、さきほど出たZTT関連の楽曲とか。頭は良いんだけどちょっと頭がおかしい人というか (笑)、 頭は良いんですけど良すぎて大変な存在とか、それこそ以前はチックス・オン・スピードとかも本当に仲が良かったので。彼女たちやエレクトロ・クラッシュと繋がって経由して、〈ZTT〉にも到達するようなテンションを出したいなと思って。
――そしてこれをサオリリスさんに歌わせたというのは何か?
カワムラ : そうですね、あの子、本当によく泣くんですよ。やめてほしいんですけど (笑) 。
――それは泣き上戸なんですか? それともちょっと不安定な感じ? (笑)
カワムラ : 不安定なんじゃないんですかねー (笑) 。東京という街は恐ろしいですね (笑) 。今でもそういった彼女の現在っていうのもね、十年後にもしかしたらものすごいマダムとかになっていて、あの時の私は「Don't Touch Me」だったなって思い出してくれたらいいなと思って (笑) 。
――予言の書みたいな感じ (笑)。
Watusi : 彼女は元祖アニソン・コスプレDJって所も良いじゃないですか。また英詞なんだけど、僕はオノ・ヨーコさんからチボ・マットまで、“カタカナの力”ってのを信じてて。歌ってる表層は英語だけれども、日本人が英語を歌う、カタカナのパワーって良いなぁって思ってるんです。非英語圏の人間が英語を叫ぶ独特のインパクトってあるでしょ。そして歌手然としている人よりそうじゃない人の方がより強烈なインパクトが出るんじゃないかな。曲中の言葉だったり、呪文だったりもヴィーナスのディレクションなんです。現場でヴィーナスが、歌詞や鼻歌までトッピングしていきました。もう日本のカタカナ・パワーの炸裂っていう感じで面白かった。
――なるほど(笑)。
カワムラ : テクノってやっぱりそういう柔軟な言葉遊びが面白いっていう要素もすごくあると思うんですよ。
Watusi : 渋谷発っていうのもヴィーナスの拘りどころで。
カワムラ : そうですね、ヒップホップじゃないんですけど、なんかこう”僕ら感”を大事にしたいっていうか。
Watusi : そうだね。ヴィーナスみたいなインテリジェンスを持った人間が、様々なクリエーターとシーンを作るの〈OIRAN MUSIC〉に対してのリスペクトで作ったようなEPですよ。
――そうですね。場所にそういう人が集まっているという説得力がまず1つありますからね。
カワムラ : マルコム・マクラーレン的な感覚から、ウォーホールのファクトリーみたいな感覚…… 。
――まあ、サロンのコミュニティとか。
カワムラ : そういった感覚、現在の東京にも微かには残っているかと。
――そうですね。まだ地方にもあるのかもしれないけど、まあなかなか見えない部分が多いんで。
カワムラ : 〈しぶや花魁〉 には海外からも様々なゲストが来てくださり、そういった意味でもやっぱり、東京の入り口の一部でもありたいと思うんですよね。今回の作品もそうですし、好きなアーティストの完成したばかりのリミックスやデモ音源を店内で繰り返しかけたりしていて、しばらくすると、うちのスタッフが好きになったり、お客さんが楽曲を好きになってくれていたり、そういう音楽を制作する上で嬉しいワンシーンが、目の前で起こるということ。そういった感覚ってすごく大事だし、ある種、ロハスなんですよ。私にとっては、渋谷はロハスなので (笑) 。ほんとにドブネズミも、渋谷のゴミもゴミ収集車も私の味方してくれてるかなってふと思えてしまう一瞬が3時過ぎにあるんですよね(笑)。そういった感覚を大事にしたいですね。
――なるほど。〈OIRAN MUSIC〉はお店をとりまく、コミュニティーから立ち上がってくる音楽プロジェクトという。ちなみに今回リミキサーはWatusiさんの私塾で行われたリミキサー・コンテストから選出されたそうですね。
Watusi : 私塾は、夏前くらいからかな。今、極端に言っちゃうと世の中に出てる音の98%ぐらいは良くない。制作予算が一気に無くなって、その中で利便性を追求して、音が悪くなってきたって事なんだけどね。僕らの世代は、たくさんの先輩たちの様々なやり方を見聞きしてスタジオ・マナーを学んできたわけじゃないですか。先輩アレンジャーのアレンジの仕方や伝え方。また80年代はすごく優秀なディレクターの方がたくさんいたので…… ってまぁ 4、5人? (笑) 。そうした方たちの、制作進行や歌のディレクションから、ものの捉え方、スタジオという場所の意味合いみたいな事までを含めて、たくさんの事を学びながら経験値を上げて来た世代なので、そうした共同作業のない今、単純に僕の学んだ事を僕なりのやり方で伝えてみようかと思いました。また来日した海外のDJ、ヨーロッパのクリエーターDJ達なんかと話すとね、彼らが今使っているプラグインは日本の音楽誌で取り上げてるものとは違うんですよ。日本語だけでやってると今の時代、情報のそれこそ98%くらいは知らずに死んでくよって思ってて、そんな話も伝えたかった。自分自身で36年間培ってきたものを、わかりやすく伝えるスキルを上げてみたいって思いで、まずは5人くらいの生徒を自分のスタジオに招いて、私塾という形で半分は自分の為にやってみようと思って、2クラスくらいの募集をFacebookに書いたら2日目の朝にはいきなり52人の応募があったんですよ。みんなやっぱり同じく、知りたい、繋がりたい、話を聴きたいっていう気持ちで来てくれる勢いがまた楽しくて。
――それは面白そうですよね。
Watusi : ね。今回のOTOTOYエクスクルーシヴ音源「Tokyo Techno Drive feat. Nonka」のリミキサーのタキシット君、それこそシーモネーター / シーモ君なんかと一緒にやっていた名古屋出身のバリバリのプロですよ。彼みたいなキャリアのあるプロ連中が多くて面白い事になってるよって話したらヴィーナスが、「塾生の中でリミックス・コンテストとかやったらおもしろいんじゃないですか?」って、さすがヴィーナスP。そしたら23曲も集まって。
――はーすごい量ですね。
カワムラ : 〈しぶや花魁〉でずっと聴いていましたよ。そして決まったのがelectrounin (中山) さんだったんですけど。
――でもこのシングルのカラーだと逆にフックになりますね。
Watusi : そうだねー。中山君も全然プロというか、Ablten LiveというDAWのマスターなんで、エフェクト技含めて、日本で有数のクリエイターなんですよ。そんな彼がコンペで作ってきてくれるという事自体が、また面白いなっていうね。ほんとリアルな、正にユニティですよ。身内だけで作った、ご近所内で作ったモノという〈ORIAN MUSIC〉のテーマにもピッタリで良いなと。
カワムラ : リミックス・コンテストってほんとに、いろんな向かう方向もあって面白いなと思ったんですよね。
――うんうん、なるほど。
カワムラ : それぞれ素晴らしかったです。OTOTOYさん限定のハイレゾ配信ということで、タキシットさんのリミックス音源を特典に。ハイレゾで聴いた際に、気持ち良いんじゃないだろうかなって思うバージョンを、選びに選び、考え抜いて、Watusiさんにご提案させていただいて。
Watusi : プロなんで当たり前なんですけど、サウンド・クオリティ含めて、すごくプロフェッショナルな作りですよね、タキシットくんのRemix。
カワムラ : ヘッドホンで聴いたら気持ちいいんじゃないかなと。OTOTOYさんならではのっていう所も聴きどころだと思いますね。テクノって言っちゃった時に、日本のテクノ・アーティストの方ってものすごい様式、方法論とかを几帳面に大事になされてますよね。
——わりとそうでしょうね。
カワムラ : 今回の作品は、少し自由というか。出来る限りリスナーの感覚に近い、音楽の方法論に詳しくない私ならではのプロデュースに着地できたらと思いました。今回のEPも、女性にも聴きやすいと思うし、女性にプレゼントしやすいと思いますし。まあ、女性に「Don't touch me」とかおかしいか (笑) 。
一同 : (笑)
Watusi : 「Underline」は、じつはアルバム曲として一番最初に作った曲なんです。
――なるほど。ではこのシングルはアルバムの予告編ということですね。
Watusi : 最初の初期衝動でしたね。何を作ろうかって。ここからアルバムにつながる音ができて、イマドキのテクノというよりは、まるで昔のプログレッシブ・テクノかっていう部分があるんですけど、それも自分の中ではいいかなーっと思って。
カワムラ : 初期衝動が生きてゆく上で一番大事です!
LIVE INFORMATION
OIRAN MUSIC presents Watusi「Don't Touch Me EP」Release Party
2014年11月8日(土)@MICROCOSMOS
DJ : Watusi, VENUS KAWAMURA YUKI, KENSHU, Sakiko Osawa, J.M.Y(B2B2B)
料金 : 2,000円 ※しぶや花魁からのハシゴで1,000円引き
http://www.microcosmos-tokyo.com/event/event.php?date=1411#08http://oiran.asia/cluboiran/
PROFILE
Watusi
Lori FineとのユニットCOLDFEETのプログラマー / ベーシスト / DJ。COLDFFETのユニークな世界観は国内外で評価を受け、UK、US、EU各国から香港、韓国、台湾、タイ等アジア各国でも多くの作品がリリースされている。ソロワークも英Climate Records、米Kriztal Records,ドイツPerfect Toy Records等からリリース。国内では中島美嘉の多くのシングルを始めhiro、安室奈美恵、BoA等を手がけ、アンダーグラウンドとメジャーを繋ぐ多忙なプロデュース・チームとしても活躍。またChristian Dior、Herm?s、Cartie等ハイブランド系の海外をも含むパーティへのLiveやゲストDJ、楽曲提供も多く独特のポジションを築いている。オリジナリティ溢れるHouseテイストの4th Album「BODYPOP」は、アジア5カ国でもリリースされ、主要ラジオ局でチャートイン。'07年には5th Album「Feeling Good」をリリース。シングル「I Don't Like Dancing」は、この年のパーティーアンセムとなり、海外を含む36カ所のツアーも各地で超満員のクラウドを魅了する。デビュー10周年目となる'08年、コロンビアに移籍しアルバム「TEN」を発売。iTunes Store1位を始め数々のダンスチャートを席巻。'09年には生前のマイケル・ジャクソンから許諾を得、進めて来たカバーアルバム「MJ THE TOUR」を発表。豪華な参加ゲストと共に大きな話題となる。'12年には自身の制作のノウハウを詰め込んだ本「DAWトラック・メイキング」の出版、'13年にはディスコ / ブギー・ミュージックのディスク・ガイド「DANCE CLASSICS Disc Guide ~Seeds of Club Music~」の発売とディスコ・ミュージックをテーマにしたDJミックス・シリーズ「Disco & Boogie ~Seeds of Club Music~」がスタート。'14年にはワールド・ワイドに展開する独自のテクノ・スタイルでのソロ作品の連続リリースがスタート。今後もその勢いは停まる事を知らない。
ヴィーナス・カワムラユキ
バレアリック・スタイルDJとしての感覚を活かし、渋谷道玄坂のウォームアップバー〈しぶや花魁〉をプロデュース。川村由紀(カワムラユキ)として作詞家&作家としても活動中。作詞を担当したquasimode「Music Can Change the World feat Hanah」はJ-WAVE TOP100にて最高位6位をマーク、日本語詞を担当したLONDON ELEKTRICTY「ロンドンは夜8時」は、WASABEAT AWARD「BEST DOMESTIC TRACK」受賞。 2011年7月には歌詞アクセス・チャート1位を獲得。新世代のクラブ・アンセムとして話題となり、音楽ゲーム「DANCE DANCE REVOLUTION 2013」に起用される。同時にダンス・ミュージック専門ラジオ局 block.fm「しぶや花魁ウォームアップレディオ」(毎週金曜20時)、Kiss FM KOBE「港神戸は午前4時」(毎週土曜28時)のナビゲーターを務める。著書に「アスファルトの帰り道」(Sony Magazines)など。90年代に「SOUND COLLECTION」のプロデューサーとして活動後、2001年に「灼熱」でCDデビュー。10万人を前にプレイを披露したLOVE PARADE MEXICO 2003、DRESS CAMPのショー音楽演出、Madonna+Steven Klein@LOUIS VUITTON roppongi Hills Store DJ、香港HI-TEC、パリのBatofarなど国内外の多くのシーンに登場。2008年にはリゾートでの男女をテーマに、短編小説付CD「inner Resort HOMME/FEMME」(s2s/avex) 6枚リリース。アッパーなハウスからメロウなチルアウトまで様々な景色を繋ぎ続けている。現在、Numero Tokyo、houyhnhnmにてブログを連載中。最新作は「渋谷道玄坂⇄アムステルダム」をキーワードに設立した音楽ブランド〈OIRAN MUSIC〉にて、新世代のDJクリエイター「Sakiko Osawa」世界配信デビュー作をプロデュース。iTunes エレクトロニック・チャートにて2014年2月に2位をマーク。4月9日には、6年ぶりにコンパイルを担当したCD「shibuya OIRAN warm up music」(ULTRA-VYBE)をリリースした。
>>ヴィーナス・カワムラユキ Official HP >>ヴィーナス・カワムラユキ Official blog
Saolilith
世界をにぎわす、元祖コスプレ・アニソンDJ!&鳥取県ふるさと大使(ガチ)!アニメ・キャラのコスチュームに身を包み、萌え燃えアニメに電波ソング、アイドル・ソングにJpop、可愛い顔してエモなプレイでフロアを沸かす、変幻自在な活動スタイルはまるで"魔法少女"!?