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【広島×山形】重要度を増すMF中島浩司 | | |　

■　昇格組の対決

2008年のJ2で1位と2位となりJ１に昇格したサンフレッチェ広島とモンテディオ山形の対決。ここまで広島は3勝3敗5分け、山形は4勝4敗3分け。残り2試合をいい形で終えて中断期間に入りたい。

ホームの広島は<3-6-1。>GK中林。DF森脇、ストヤノフ、槙野。MF中島、青山敏、ミキッチ、服部、高柳、柏木。FW佐藤寿。大黒柱のMF森崎和が欠場でジェフ千葉から獲得したMF中島がスタメン出場。
　　
アウェーの山形<4-2-2-2>。GK清水。DF宮本、石井、レオナルド、石川。MF佐藤、秋葉、キム、宮沢。FW古橋、長谷川。2試合欠場のFW長谷川が復帰しほぼベストといえるメンバーが揃った。

■　圧倒した広島

試合はホームの広島がアグレッシブな戦いで立ち上がりから圧倒する。前半8分に相手MFキム・ビョンスクのバックパスをさらったMF柏木が決めて先制すると、さらに前半10分にも左サイドのMF柏木のフリーキックからDF槙野が頭で合わせて追加点を挙げる。DF槙野は今シーズン3ゴール目。

山形は前半15分ごろからようやく相手のプレスに対応してボールが回るようになるが、前半終了間際にMF高萩にミドルシュートを決められて3点ビハインドとなる。

後半はやや足の止まった広島は後半22分にMF秋葉のゴールで1点を返されるが大勢に影響はなく、広島が3対1で勝利した。

■　パーフェクトな10分間

前節の千葉戦の敗戦が堪えたのか、広島の選手のモチベーションは非常に高かった。特に最初の10分間のチーム全体のパフォーマンスは圧巻で、この状態が続けられれば何点入るのだろうか？と期待させる素晴らしい出来だった。

広島のサッカーは攻撃的といわれるが、やはりベースとなっているのは、「運動量の多さ」と「守備意識の高さ」であり、この2つは現代サッカーで魅力的なフットボールを体現するには不可欠な要素である。

オシム監督時代のジェフ市原・千葉や日本代表もそうであったが、アップテンポな運動量の多いサッカーを90分間通すのは難しく、広島も後半に動きが落ちる試合が少なくない。この試合も後半はノーゴールで山形に幾つかのチャンスを作られた。うまくボールをポゼッションするなどして、いかに無駄に体力を消費せずに温存させるか、ゲームコントロールが重要となる。

■　代役の中島浩司

DF槙野、DFストヤノフ、DF森脇で構成する3バックの攻撃参加が目立つ広島だが、前線と並んで最も重要で替えの利かない選手だと考えられるのがボランチでバランスを取るMF森崎和幸であるのは誰の目にも明らかであるが、そのMF森崎和が今シーズン初めて欠場。誰が代わりを果たすのかが注目されたが、スタメンに起用されたのはMF中島だった。

そのMF中島のプレーは序盤に2点リードを奪う比較的イージーな展開となったこともあって、全く問題なかった。このポジションの選手に求められるのは、3バックがオーバーラップした後のスペースの穴埋めとビルドアップとなかなか難しい役割であるが、破たんはなかった。

MF中島は7節と8節はリベロのDFストヤノフに代わって先発出場しているが、現在の広島のサッカーはジェフ千葉時代にオシム親子が見せていたサッカーと非常によく似ており、違和感なくチームに溶け込めている。

フル出場するのは難しいが、DFストヤノフとMF森崎和というキープレーヤー二人のバックアッパーをこなすことが出来るMF中島の存在は大きい。

■　復調の柏木

自らも語っていたようにここ数試合は精彩を欠いていたMF柏木だったが、1ゴール1アシストの活躍。昨シーズンは31試合で4ゴール。圧倒的な強さでJ2を制した広島の中でレギュラーポジションの失う形になっていたが、今シーズンは好不調の波はあるとはいえ、スタメン出場を続けている。

同じポジションのMF森崎浩司がオーバートレーニング症候群で欠場が続いていてMF柏木がやらなければならない立場になったこと、さらに、J2時代と比べると相手に惹かれる事が少ないので、前線にスペースあるので、MF柏木の運動量とスピードが生きる場面が増えていることが活躍の理由といえる。

これで今シーズン4ゴール。この活躍を続けていけば、日本代表に復帰したとしてもおかしくはない。

■　3連敗・・・

逆に山形は3連敗。FW長谷川が復帰したが、持ち味である守備陣が広島のパス回しについていくことが出来ず、早い時間帯でミスもあって2失点。後半は優勢に立ったが、あまりにも3失点は重すぎた。

開幕8試合で4勝2敗2分けと最高のスタートを切ったが、そろそろ貯金が無くなってきていて、降格圏内のクラブとのポイント差はほとんどなくなってきている。ここは正念場である。

■　痛恨のミス

耐えてカウンターやセットプレーからゴールを奪って勝ち点を拾っていくスタイルのチームにあって、前半8分という早い時間帯での失点は痛すぎた。MFキム・ビョンスクがGKにバックパスをしてそのボールをMF柏木に奪われてゴールを決められてしまったが、立ち上がりで押されている時間帯であったのでGKに戻して落ち着きたかったのは理解できるが、軽率だった。

そのMFキム・ビョンスクはこのミスの影響もあったのか、前半34分にMF小林亮と交代。新潟戦に続いて2試合連続で前半途中での交代であるが、これはプレーヤーにとっては屈辱的であり、メンタルケアも求められる。

決して選手層の厚いクラブではないので、戦力となりそうな選手をフルに活用していかなければならないが、これでMFキム・ビョンスクが使えないようになると、大きなピンチとなる。

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