■ 最終決戦のJ2J2は、大詰め。
46節終了時の勝ち点は、
1位 ヴィッセル神戸 83
2位 横浜FC 82
3位 柏レイソル 78そして、47節以降の日程は、以下のようになっている。
第47節 柏×横浜FC(柏)
第48節 神戸×柏(神戸)
第49節 神戸×柏(神戸)3節連続で、3強同士の直接対決が続く。J1へのストレート・インを目指す、3強の最後の戦いが始まった。
■ エンターテイナー岡山一成横浜FCは、FWアレモンがベンチスタートで、城と三浦カズの2トップ。一方の柏も、FW北島とFWフランサがベンチスタートで、鈴木達也と山下芳輝の2トップ。山下は、今シーズン初スタメンとなった。
試合は、序盤からアウェーの横浜FCが優勢。コンパクトな守備で、柏のDFにプレッシャーをかけて、奪ったボールを素早く攻める。しかしながら、先制したのは劣勢だった柏レイソルだった。前半27分に、セットプレーから、岡山のヘディングシュートで先制する。
ディエゴのボールも素晴らしかったが、このときの岡山の打点の高さは驚異的だった。これで、今シーズンはDFながら10得点。セットプレーでの岡山の得点力は、柏にはもう欠かせない。岡山ほど、サポーターに愛されている選手も珍しい。
岡山のゴールでスタジアムはヒートアップしたが、それでも、前半43分に横浜FCが鮮やかなパスワークで柏DFを翻弄。最後は、左サイドからのクロスをMFアウグストがヘディングで押し込んで同点に追いつく。前半は、1対1で終了した。
■ 信じられない同点劇そして、後半。14分に、横浜FCはFW三浦に代えてFWアレモンを投入し、柏は20分に、FW山下に代えてFWフランサを投入する。先に、交代の効果が表れたのは柏。フランサが入って、前線でMFディエゴ以外にもボールのおさまりどころが出来た。
後半22分に、ディエゴの突破からPKを獲得すると、ディエゴが落ち着いて決めて勝ち越し。さらに、2分後にも、ディエゴがゴール前で押し込んで3対1になった。
2点リードを奪われた横浜FCだったが、後半37分と39分に、アレモンが連続ゴールを挙げて、追い付く。結局、3対3というスコアで試合は終了した。
■ 救世主となったアレモンこの試合でヒーローとなったのは、またしてもFWアレモン。これで、今シーズンは、京都サンガから移籍してきて、途中入団ながら、19試合で15ゴールの活躍。前半戦は、強固な守備陣と比べるとやや迫力不足だった横浜FCの攻撃は、アレモンの加入で、一回りスケールアップした。京都時代は、チャンスメーカーという感じで、前線で広範囲に動いて周りを生かすスタイルだったが、横浜FCで、ストライカーとして開花した。
横浜FCは、三浦カズ・城彰二・山口素弘・小村徳男と4人の元代表を擁し、経験豊富なベテランが多い。これだけ経験豊富な選手をそろえると、ともすると、かつてのヴェルディのように、省エネでクラシックなサッカーになりがちだが、横浜FCは全く正反対で、組織的でモダンサッカーを披露する。
■ 個の能力生かすための組織組織サッカーというと、戦術的な制約が悪影響して個の能力を封じ込めてしまうケースも見受けられるが、横浜FCの組織力は、個の力を引き出すための組織である。柏と横浜FCの選手の能力には大きな差はないが、磐石の組織力が、横浜FCの選手の能力を120%にまで引き上げる。
注目の城とカズの2トップだが、よかったのは、城。岡山を相手にしながら、ヘディングでゴールを襲うシーンがたびたび見受けられた。下がってボールを受けてリズムを作り、巧みにゴール前に入り込んでシュートを狙うセンスは相変わらず。質の高いプレーを見せた。
■ 痛かった正GK南の不在柏は、怪我で欠場した、GK南の穴が痛かった。代役のノグチの不安定なプレーぶりは、DF陣に大きな不安感を与えたことだろう。南の復帰が遅れるようだと、ストレートインの可能性は低くなるが・・・。
それでも、観衆の後押しもあって、終始、リードを奪う形で、試合を進めることが出来た。柏スタジアムの声援は、少しくらいの戦力の差なら、跳ね返すだけの力がある。
■ 比例しないレベルと興奮度間違いなく、J2はJ1よりもレベルが低いし、そのJ1にしてもCLと比べると、数段レベルが落ちる。もしかしたら、世界基準の目で見ると、J2は取るに足らないものかもしれない。ただ、通常、試合の興奮度や熱狂度、面白さというものは、レベルに正比例しない。ハイレベルな試合であっても、何の感動も生み出さない試合も存在する。
昨日のバルセロナとチェルシーの試合は、世界最高級のチーム同士のドリームマッチだが、土曜日の柏の試合の興奮度は、バルセロナとチェルシーの試合に、少なくとも、劣ってはいなかった。そして、試合後の後味は、はるかによかった。
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