サッカーコラム J3 Plus+　

J1・J2・J3・日本代表などを幅広くカバーするサッカーコラムです。基本的には毎日更新しています。よろしくお願いいたします。

最近のエントリー (20記事)

　2024/01/14 【J1：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：342名)
　2024/01/09 【J2：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：172名)
　2024/01/10 【J3：順位予想】 2024年の予想の受付を開始しました。 (現在の参加者：83名)

お勧めしたいエントリー (15記事)

【J1】 2017年-2018年オフの補強ポイントについて考える。 (柏レイソル編) | | |　

■　40クラブの中で最も若いチーム

柏は31節が終了した時点で16勝8敗7分けで勝ち点「55」。4位と好位置につけている。3位のC大阪との差は「2」のみ。天皇杯もベスト4に勝ち残っているので「天皇杯制覇→ACLの出場権獲得」という可能性もあるが、リーグ戦でACLの出場権を獲得するチャンスもある。「天皇杯の結果次第でACLに出場できるかもしれない。」という状況になると来シーズンの編成が難しくなるのでリーグ戦でACLの出場権を確保したい。

今シーズンも若手の頑張りが目立っている。平均年齢は25.12才。これはJ1最少となる。ちなみにJ2の最年少は徳島で25.70才なのでJ1とJ2の40クラブの中で柏が一番若いチームになる。中・中・中トリオと言われるGK中村航、DF中谷、DF中山雄が今シーズンも守備陣を支えており、新加入のDF小池龍、大ブレイクしたMF手塚などレギュラーの半数ほどが20代前半という若いメンバー構成になっている。

すでに育成力に定評のある柏U-18から4人の選手のトップチーム昇格が内定しているが4人とも年代別代表を経験している。しかも、DF田中陸(柏U-18)とDF中川創(柏U-18)の2人に関しては1999年生まれの選手が主体となるU-18日本代表で中心として活躍している選手である。ユース上がりの若手を積極的にトップチームで起用する傾向が強いチームなのでともに1年目から重要な戦力になる可能性を秘めている。

■　守備的なポジションは層が薄い。

DAZN効果で今シーズンから賞金の額が激増する。残り3試合となった時点で3位の椅子を巡ってC大阪・柏・横浜FM・磐田の4チームが争う形になっているが1位から4位のチームに与えられる傾斜分配金の額は3位になると約3.5億円、4位になると約1.8億円と言われている。この差は非常に大きいので3位になるのか？4位になるのか？5位になるのか？でオフの補強費の額が大幅に変わってくる可能性はある。

　・ACLを見据えて選手層を厚くできるか？(特に守備的なポジション)
　・期限付き移籍中のMF秋野(湘南)を呼び戻すのか？否か？
　・伸び悩み気味の10番のMF大津祐の去就はどうなるのか？

あたりが注目ポイントになる。昨シーズンも今シーズンも「中・中・中トリオ」が大きなケガをすることなくプレーし続けているので問題は生じていないがキーパーやCBの層は決して厚くない。30才になったGK桐畑がセカンドキーパーになるがGK中村航がW杯メンバーに選ばれたときは結構な期間チームを離れることになるので可能であればGK桐畑よりももうワンランク上のバックアップキーパーを確保しておきたい。

「CBの控え」というのはさらに切実な問題である。ベテランのDF鎌田は「便利屋的な扱い」でチームに貢献しているが他にCBを主戦場とする選手は大卒ルーキーで190センチのDF橋口くらい。先のとおり、DF中川創(柏U-18)は1年目からある程度以上の活躍が見込めるがDF中山雄に関してはこれから2020年の東京五輪に向けてさらに忙しくなることが予想される。CBのポジションが最優先補強ポイントと言える。

■　環境を変えた方がいい状況になってきたMF大津祐

湘南に期限付き移籍中のMF秋野の動向も注目される。柏でレギュラーとして活躍していたが「プレーの幅を広げたい。」という理由からあえて下部リーグの湘南行きを選択した。驚きの移籍だったが目論見どおりに運動量を必要とする湘南で揉まれてスケールアップを果たした。主軸としてJ2制覇に大きく貢献したが、当然、大事な選手になったのでJ1復帰を決めた湘南側は全力で引き留めようとするだろう。

MF秋野が抜けた柏は「ゲームメーカー系のボランチ」がいなくなって開幕直後は苦しんだが21才のMF手塚が台頭。MF秋野の存在を忘れさせる活躍を見せて8連勝に大きく貢献した。8月上旬にケガをして復帰時期は2018年の4月あたりになると思うが似たタイプの選手で、MF秋野よりも2才ほど若い選手が台頭してきたことで状況は大きく変わった。両クラブならびに本人がどういう結論を出すのか？は興味深い。

一方、今シーズンの開幕前はブラジル人トリオに注目が集まったがMFクリスティアーノは30試合で12ゴール。J1でベストイレブン級の活躍を見せているがFWディエゴ・オリヴェイラは24試合で5ゴールのみ。途中出場が多くなった。MFハモン・ロペスは秋になってようやくチームに馴染んできたが16試合で3ゴールのみ。MFキム・ボギョンとDFユン・ソギョンもいるので外国人枠を巡る競争も熾烈になっている。

5人とも実力者なので「外国人選手」というのは柏の大きな武器になっているが退団あるいは放出があっても不思議はない。さらにMF大津祐の動向も注目される。今シーズンもコンディションが整わずに16試合で1ゴールのみ。期待を裏切った。24試合で9ゴールを挙げているMF武富などとの勝負はかなり劣勢。ポテンシャルが高いのは明らかなので「環境を変えた方がいいのでは？」と思える状況になってきた。

表1. J1の18クラブの平均年齢 (2017年シーズン)

ランク	クラブ名	平均年齢(才)	±
1	柏レイソル	25.12	-2.68
2	アルビレックス新潟	26.18	-1.62
3	清水エスパルス	26.76	-1.04
4	セレッソ大阪	27.14	-0.66
5	横浜Fマリノス	27.29	-0.51
6	サガン鳥栖	27.38	-0.42
7	ガンバ大阪	27.43	-0.37
8	ヴィッセル神戸	27.75	-0.05
9	大宮アルディージャ	27.82	0.02
10	鹿島アントラーズ	27.85	0.05
11	ベガルタ仙台	27.96	0.16
12	川崎フロンターレ	27.98	0.18
13	コンサドーレ札幌	28.21	0.41
14	ジュビロ磐田	28.72	0.92
15	FC東京	28.87	1.07
16	浦和レッズ	28.87	1.07
17	サンフレッチェ広島	29.33	1.53
18	ヴァンフォーレ甲府	29.78	1.98