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【アビスパ福岡×柏レイソル】ネルシーニョ監督の解任も選択肢の1つか？ | | |　

■　J2の第17節

J2の第17節。4勝9敗4分けで勝ち点「16」。21位と降格圏に位置するアビスパ福岡はホームのレベルファイブスタジアムで柏レイソルと対戦した。柏は7勝4敗6分けで勝ち点「27」。7位とプレーオフ圏外に位置する。どちらも開幕前は上位候補に挙げられたが結果を出せずに苦労している。福岡は久藤監督になって2試合目となる。久藤監督の初陣となった17節の水戸戦(A)は2対4で大敗している。

ホームの福岡は「3-4-2-1」。GKセランテス。DF實藤、吉本、篠原。MFウォン・ドゥジェ、鈴木惇、石原広、輪湖、城後、石津。FWヤン・ドンヒョン。高卒1年目のDF三國ケネディエブスとMF喜田陽はU-20W杯のメンバーに選ばれて不在だったがチームに合流。MF喜田陽はベンチスタートになった。C大阪から加入したFWヤン・ドンヒョンは14試合で6ゴールを挙げている。MF松田力はベンチ外となった。

対するアウェイの「4-2-2-2」。GK中村航。DF高橋峻、染谷、上島、古賀。MFヒシャルジソン、大谷、クリスティアーノ、ガブリエル。FW江坂、瀬川祐。ここ最近は3バックを採用するケースが多かったがこの日は4バックを採用。DF染谷とDF上島のCBコンビとなった。MFクリスティアーノは開幕戦で2ゴールを挙げた後、ずっとノーゴールが続いていたが17節の愛媛FC戦(A)で久々となる今シーズン3ゴール目を挙げた。

■　土壇場で追いついてドロー

波に乗ることが出来ずに苦しんでいる両チームの対戦は前半17分に右ストッパーのDF實藤の絶妙なスルーパスを受けたMF城後がキーパーとの1対1を落ち着いて決めてホームの福岡が先制に成功する。MF城後は待望の今シーズン初ゴールとなった。1点を追う柏は前半30分にMFクリスティアーノのFKで相手ゴールを脅かしたがGKセランテスが好セーブを見せた。前半は1対0と福岡がリードして折り返した。

後半2分にはMFクリスティアーノが抜け出して決定機を迎えたがまたしてもGKセランテスが好セーブを見せた。なかなかゴールを奪えない柏は後半23分に高校3年生のFW細谷を投入。後半の半ば以降は柏が圧倒的に押し込んだ。福岡も後半23分にU-20W杯の活動から戻って来たばかりのMF喜田陽を投入。本職はボランチとなるMF喜田陽を右WBに入れてサイドの守備を固める選択を取った。

後半49分には柏のCKから福岡がカウンター。GK中村航も上がっていたので「無人のゴールに流し込むだけ。」というチャンスをMF鈴木惇が迎えたが生かせず。逆に後半50分に右サイドのMFクリスティアーノのクロスからファーサイドのFW江坂が高い打点からヘディングシュートを決めて土壇場で柏が1対1の同点に追いついた。直後に試合終了のホイッスルが鳴った、福岡は目前まで迫っていた勝利を逃した。

■　目前まで迫っていた勝利を逃す。

「正真正銘のラストプレーでFW江坂の同点ゴールが生まれる。」という劇的な展開になった。後半の半ば以降は防戦一方の展開になった福岡だったが何とか辛抱して「勝利まであと少し」に迫ったがFW江坂の高さにやられてしまった。久藤監督になってから2試合目だったが初勝利はお預け。大敗した17節の水戸戦(A)に続いてショックの大きい試合になった。21位のままで変わらずに降格圏脱出は逃した。

福岡には2点目を奪えるチャンスがいくつかあった。同点ゴールの直前にはカウンターから大チャンスを迎えたが左サイドでボールを受けたFW森本はロングシュートを狙わず。ボールを受けたMF鈴木惇にもロングシュートを打てるタイミングはあったが打ち切れず。最後はループシュートを放ったが弱かった。ここで2点目を決めていたら「勝敗は決した。」と言えたがチャンスを逃したことで柏は命拾いをした。

アディショナルタイムの表示は「4」。福岡がカウンターを仕掛けたときは後半48分を回っていたのでカウンターを止めてキープに入る手もあった。ただ、相手ゴールは無人に近かったので「サイドでボールをキープして時間を稼ぐ」という選択ではなくて2点目を目指した判断は間違いではなかったと思う。あの状況であれば前にボールを運ぶのは当然と言えるがもっと早いタイミングでロングシュートを狙う手もあった。

福岡はここで柏に勝利できると流れを変えることができたと思うので痛恨のドローになったが2シャドーの一角でプレーしたMF城後に初ゴールが生まれたのは良かった。6ゴールを記録しているFWヤン・ドンヒョンと4ゴールを記録しているMF松田力以外の選手のゴールがなかなか生まれない点が今シーズンの福岡の問題点になっているが「KING」と呼ばれるMF城後が見事な動きから先制ゴールをゲットした。

■　プレーオフ圏外に位置する柏レイソル

柏はほぼラストプレーで同点に追いつくことが出来たが上位陣との差は広がりつつある状況。アウェイとは言っても下位に低迷する福岡が相手なので勝ち点「3」が欲しい試合だった。今節、水戸との首位攻防戦で勝利した山形との差は「8」まで広がった。上位チームとの差が広がりつつあるのでドローでは満足できない。負けなかったことは良かったが「ドローでOK」という状況ではなくなってきている。

柏はこの日も16本のシュートを放った。福岡は8本だったのでちょうど倍のシュートを放ったがシュート精度を欠く場面が目立った。この日は4バックを採用。前の愛媛FC戦(A)あたりと比べると攻撃はスムーズになったがFWオルンガがいないと攻撃の脅威は半減する。今夏、攻撃陣の補強に動くとは思うが、メンバーを大きく変えるのは難しいことを考えると、煮え切らないままでシーズンが進みそうな雰囲気もある。

ここ2か月ほどずっとモヤモヤした状態が続いており、サポーターのフラストレーションは溜まる一方である。「ネルシーニョ監督の交代」を求める声は大きくなっているが、実績があって、かつ、クラブのレジェンド監督なので、簡単に解任を決断することは出来ないだろう。「メンバーは揃っているので柏はいずれは上がってくるだろう。」というのが大方の見方だったがほとんど変わらないままで時間だけが過ぎている。