■ 第6節J1の第6節。11勝5敗1分けで勝ち点「34」。横浜Fマリノスに次いで2位と好位置に付けている柏レイソルが国立競技場で鹿島アントラーズと対戦。鹿島は5勝6敗4分けで勝ち点「19」の10位。ACLの影響で試合消化数が2つ少ないが、トップの横浜FMと柏との勝ち点が「15」と開いている。柏は、6月・7月の9試合で5勝4敗。ややペースが落ちてきている。対する鹿島は、6月・7月の9試合で4勝3敗2分け。前節はベガルタ仙台に3対0で快勝している。
ホームの柏は「4-2-2-2」。GK菅野。DF酒井、パク・ドンヒョク、近藤、中島。MF栗澤、大谷、レアンドロ・ドミンゲス、ジョルジ・ワグネル。FW工藤、北嶋。元韓国代表のDFパク・ドンヒョクは15試合ぶりのスタメン。アビスパ福岡から移籍のDF中島は今シーズン初出場。MFジョルジ・ワグネルが左サイドハーフに入る。
対する鹿島は「4-2-2-2」。GK曽ヶ端。DF新井場、岩政、中田浩、アレックス。MF小笠原、増田、野沢、フェリペ・ガブリエル。FW興梠、田代。FWカルロンはスイスのヌーシャテル・ザマックスへの移籍が発表されたため、すでにチームを離れている。
■ 柏レイソルが勝利序盤はアウェーの鹿島ペースとなる。セットプレーを中心にチャンスを作ると、前半28分には右サイドからのクロスをMFフェリペ・ガブリエルがフリーでヘディングシュートを放つが枠外。ビッグチャンスを逃してしまう。
劣勢だったが柏は、前半33分に右サイドでボールを持ったMFレアンドロ・ドミンゲスのクロスから決定機が生まれる。MFレアンドロ・ドミンゲスは右足でファーサイドに柔らかいクロスを上げると、鹿島のDF岩政がかぶってしまって、その裏に待っていたFW北嶋が胸トラップから鮮やかに決めて先制する。FW北嶋はリーグ戦7ゴール目となった。前半は1対0で柏がリードして折り返す。
鹿島は後半開始から負傷したFW興梠に代えてFW大迫を投入。後半の立ち上がりは、柏が連続してビッグチャンスを作るが、鹿島は後半12分に左サイドでフリーキックを獲得すると、MF野沢のボールをFW田代が高い打点からヘディングシュートを決めて1対1の同点に追いつく。FW田代は2試合連続ゴールでリーグ戦は5ゴール目となった。
追いついた鹿島は、さらにロンドン五輪代表のFW大迫がゴール前でビッグチャンスを作るなど、優勢に試合を進めるが、柏は後半35分にDF中島の楔のパスを受けたMFレアンドロ・ドミンゲスが巧みなコントロールから強烈なミドルシュートを決めて2対1と勝ち越しに成功する。MFレアンドロ・ドミンゲスはリーグ戦で7ゴール目。結局、試合は2対1で柏が勝利して2位をキープ。首位の横浜FMと同じ勝ち点で、ピタリと背走している。一方の鹿島は連勝ならず。14位に転落となった。
■ MFレアンドロ・ドミンゲスが決勝ゴール決定機はそれほど作れなかった柏だったが、少ないチャンスを生かして鹿島に勝利。ドイツのボルシアMGに移籍するMF大津に送る勝ち点「3」を獲得した。試合を決めたのはMFレアンドロ・ドミンゲスで、1ゴール1アシスト。それ以外でも、ほとんどすべての柏のチャンスに絡んでいて、文字通り「スーパー」な活躍だった。これで7ゴール目となったが、中盤の選手としては立派な数字である。
MFレアンドロ・ドミンゲスは2010年から柏でプレーしているが、J2時代から「J1でもトップレベルの選手である。」と評されていたが、初のJ1の舞台でその力を存分に発揮している。今、考えると、これだけの選手が日本の2部リーグでプレーしていたというのも不思議なものである。気の早い話であるが、柏がリーグタイトルを獲得するようだと、MFレアンドロ・ドミンゲスがリーグMVPで間違いないだろう。
■ DF中島崇典が決勝アシストその決勝ゴールをお膳立てしたのは、アビスパ福岡から移籍してきたDF中島で、柏でのリーグ戦デビューで見事に結果を残した。そのシーンは、一瞬、MFレアンドロ・ドミンゲスのマークが外れてバイタルエリアでフリーとなったが、そのタイミングを見逃さず、最高のタイミングで適切なパスを送ってゴールにつなげた。
柏の左サイドバックは激戦区で、開幕からDFジョルジ・ワグネルが起用されていて、サブにはDF橋本も控えている。この二人がいるので、アビスパ福岡でレギュラーだったDF中島といえども、なかなか出場機会は巡って来なかったが、MF大津が移籍したこともあって、DFジョルジ・ワグネルが中盤で起用されるなど、DF中島の出場機会が増えそうな状況となってきた。
DF橋本も、別に怪我をしているわけではないということで、ネルシーニョ監督の思い切った起用だったが、ネルシーニョ采配がまたも的中したことになる。DF中島の場合、突破力ではDF橋本には及ばないが、正確な左足のフィードを持っているので、左足のフィードでアピールしたいところである。
■ 低迷する鹿島一方の鹿島は、これで14位に転落。16位の甲府との差は「2」となって、上位を狙うというよりも、下のチームの動向を気にしながら戦わざる得ない状況になってきた。ACLの関係で2試合消化が少ないが、対戦するのはG大阪とC大阪なので、勝ち点を計算できる相手ではない。過去最低の順位は2001年の1stステージの11位で、ここまで低迷しているシーズンというのは珍しい。
低迷の理由を考えてみると、エース候補だったFWカルロンがさっぱりだったのが大きな誤算となったが、怪我で主力が欠けているわけでもないので、急浮上しそうな要素が見つけにくいのが現状である。FWカルロンの代わりの外国人を探しているという報道もあるが、ここ最近は、外国人の獲得も失敗続きなので、あまり期待はできない。
■ FW田代が同点ゴールもう一つの低迷の大きな理由が、主力の高齢化であるのは間違いないところで、世代交代が必要な時期になっているが、FW田代あるいはMF増田といった選手は、チームに復帰して1年目ながら活躍を見せていて、明るい話題の少ないチームの中で、数少ないポジティブな話題といえる。
FW田代も29歳になっていて、MF増田も26歳になるので、「中堅」ともいえないような年齢になってきているが、とにかく、これから先の数年間は、鹿島を支える存在となりそうなプレーを見せている。特に、FWカルロンが期待外れに終わった中で、FW田代の活躍は見事なもので、FW田代がいなかったら、もっと低迷していただろう。世代交代の話になると、比較対象となるのが、MF小笠原、MF本山、MF中田浩となるので、厳しいものがあるが、FW田代も、MF増田も、悪くないプレーを見せている。
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