■ 若手の抜擢ロンドン五輪の興奮も冷めやらぬ中、ブラジルW杯のアジア最終予選のイラク戦(H)が約1ヶ月後に迫ってきている。ジーコ監督率いるイラク代表と埼玉スタジアムで対戦する前にUAE代表と親善試合を行うが、注目されるのは、ロンドン世代からどれだけの選手がフル代表に引き上げられるか?である。
今のところ、ロンドン世代でフル代表のレギュラーポジションを確保しているのは、1989年生まれのMF香川のみであるが、年齢バランスを考えても、チームを活性化させるためにも、2014年のブラジルW杯では、3人程度は、ロンドン世代の選手がスタメン起用されるのが、望ましい。
すでに、GK権田やMF清武はフル代表に定着しているが、これからの2年間で、レギュラーポジションを確保する選手は出てくるのだろうか?その候補はたくさんいる。
① GK 権田修一 (FC東京)
→ 言わずとしれたロンドン世代の守護神で、本大会では4試合連続完封をマークするなど、守備の要として活躍を見せた。熱くなりすぎる性格がマイナスに働くこともあるが、将来のフル代表の守護神候補の一人であることに疑いの余地はない。まずは、セカンドキーパーのGK西川の立場を脅かしたい。
② DF 酒井宏樹 (ハノーファー96)
→ ドイツ移籍を果たした大型SBで、たびたび、フル代表にも召集されている。柏ではCBでプレーすることもあったので、対人の守備力に問題はない。ゴールにつながるクロスを供給できる点が最大の魅力で、DF内田の地位を脅かしつつある。ハノーファー96では、ビルドアップ能力と守備力を磨きたい。
③ DF 酒井高徳 (シュツットガルト)
→ ドイツでは、すでに高い評価を得ており、左右どちらのサイドでも、同じレベルでこなすことができる。ただ、左SBには長友がいるので、レギュラーポジションを狙うとしたら、右SBの方が可能性がある。ベネズエラ戦にも招集されており、ザッケローニ監督の評価は高い。
④ DF 鈴木大輔 (アルビレックス新潟)
→ 本大会では、DF吉田とコンビを組んで、息の合ったプレーを見せた。181センチの身長なので、絶対的な高さは無いが、フィジカルが強くて、当たり負けしない。ビルドアップ能力もあるので、将来を期待されるCBの一人である。「フル代表でもDF吉田とDF鈴木のCBコンビで大丈夫なのでは?」という声も出始めている。
⑤ MF 扇原貴宏 (セレッソ大阪)
→ 関塚ジャパンの中盤の要となった大型ボランチで、本大会でも2アシストを記録した。ボランチとしての経験は浅くて、体も出来上がっていないが、類希なサッカーセンスを持ったレフティで、フル代表でも中心になれるだけのポテンシャルを秘めている。
⑥ MF 山口螢 (セレッソ大阪)
→ 五輪代表の活動を通して、もっとも評価を高めた選手と言える。無尽蔵のスタミナと当たりの強さと危機察知能力が武器のボランチで、キックの正確さも持ち合わせている。MF長谷部とMF遠藤からポジションを奪うのは、至難の業と言えるが、全くタイプは異なるので、二人には無い部分でアピールできれば、出場の機会が得られるかもしれない。
⑦ MF 清武弘嗣 (ニュルンベルク)
→ 五輪代表のエース的存在で、本大会でも3アシストを記録した。すでにフル代表でも、ジョーカー役として欠かせない存在になっているが、その上のレギュラー獲りを期待される選手である。ターゲットは、MF岡崎が起用されている右サイドハーフのポジションであるが、そのためには、得点力アップは必須である。
⑧ MF 宇佐美貴史 (ホッヘンハイム)
→ 五輪では不完全燃焼に終わったが、サッカーセンスは誰しもが認めている。バイエルンでは、ほとんどチャンスを与えられなかったが、ホッヘンハイムでどんなプレーができるのか。シュートセンスは並外れたものがあるので、ブレークを期待したい。そのためには、守備意識の向上が必要である。
⑨ MF 宮市亮 (ウィガン)
→ 圧倒的なスピードを持ったサイドアタッカーで、フル代表にも定着しつつある。プレミアリーグのボルトンでも、ゴールに絡むプレーを見せるなど、才能の片りんを示したが、まだ、ゴールという結果は残せていない。そろそろ、結果が求められる年齢になってきたので、新天地での活躍を期待したい。
⑩ MF 大津祐樹 (ボルシアMG)
→ ボルシアMGではチャンスを与えられなかったが、五輪代表では、重要なところでゴールを決めて、チームを救ってきた。結局、本大会でも3ゴールを記録し、得点力もアピールした。テクニックもあるが、体を張れる点も魅力で、タフな試合になればなるほど、力を発揮する選手である。
⑪ MF 原口元気 (浦和レッズ)
→ 最終メンバー18名からは落選したが、すでに、何度もフル代表に招集されており、ザッケローニ監督の評価は高い。左サイドを主戦場とするが、突破力があって、ファイティングスピリットも旺盛である。途中出場でゴールに絡む活躍を見せて、評価を高めたいところである。
⑫ MF 東慶悟 (大宮アルディージャ)
→ 五輪代表では、主にトップ下で起用されて、攻撃をリードした。MF東よりも攻撃力のある2列目の選手は何人もいるが、関塚監督から求められていることを瞬時に理解して、実行できる選手は見つからず、アジア大会からずっとレギュラーでプレーした。ただ、フル代表に定着するには、全体的なレベルアップは不可欠である。
⑬ FW 永井謙佑 (名古屋グランパス)
→ 世界トップクラスのスピードで世界中に衝撃を与えたスピードスターは、J1でもゴールという結果を残しており、フル代表に呼ばれてもおかしくない存在となった。五輪代表と比べると、フル代表はパス出しの出来る選手が揃っているので、1トップのポジションに入ったら、五輪代表のとき以上に活躍できるかもしれない。
⑭ FW 大迫勇也 (鹿島アントラーズ)
→ 五輪代表の最終メンバーからは落選したが、ザッケローニ監督の求める1トップ像にマッチした選手で、現時点では、FW永井よりも先にフル代表でテストされる可能性が高い。課題とされる得点力も徐々に向上しており、落選の屈辱をバネに飛躍できれば、フル代表定着も見えてくる。
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