■ ACLを目指すFWカボレが中東に移籍した影響もあって、調子が下降気味。ここ2試合勝利が無いFC東京。ACL出場権獲得を目指して、終盤戦の大事な試合が続く。
対するジュビロ磐田は、前節、京都サンガに3対0で勝利。しかしながら、GK川口が負傷して長期離脱が濃厚。守護神の穴をどう埋めるのかが注目ポイントとなる。
ホームの東京は<4-2-2-2>。GK権田。DF徳永、ブルーノ・クアドロス、今野、長友。MF米本、梶山、石川、羽生。FW平山、鈴木達。FW鈴木達が5試合目のスタメン。FW平山が出場停止から復帰。怪我で出場が危ぶまれたMF石川はスタメンで出場。
対するアウェーの磐田も<4-2-2-2>。GK八田。DF駒野、那須、茶野、金沢。MF成岡、岡田、西、村井。FWイ・グノ、前田。GK八田が初スタメン。DF金沢は古巣との対戦となった。
■ 赤嶺の決勝ゴール試合の前半は両チームともに抑え気味でスコアレスで終了。しかし、後半になると一転。壮絶な打ち合いとなった。
まず、後半17分にホームのFC東京が先制に成功。右サイドに回ったMF羽生のクロスからFW平山が中でつぶれて、FW平山の落としを受けたゴール前のMF石川が確実にネットを揺らす。MF石川は13ゴール目。
しかしながら、その後、磐田が2つのコーナーキックから2点を奪って逆転に成功する。まず、後半19分にゴール前でGK権田がファンブルしたボールをFW前田が押し込んで追いつくと、さらに、後半25分にも、DF駒野のキックからフリーになったFWイ・グノがヘッドで決める。FW前田は14ゴール目、FWイ・グノは11ゴール目。
自慢の2トップの活躍でリードを奪った磐田だったが、後半37分にFC東京はゴール前の混戦からMF長友が決めて追いつくと、さらに、ロスタイムにもMF長友のクロスを途中出場のFW赤嶺が頭で決めて逆転に成功する。
結局、3対2でFC東京が劇的な勝利。勝ち点を「40」に伸ばした。
■ スリリングな後半静かな展開だった前半とは180°違って、後半はスリリングな展開となった。
磐田が負傷したMF西に代えて後半のスタートからドリブラーのMF松浦を投入。MF松浦の投入で磐田の中盤のバランスが崩れていって、これが、攻撃面ではプラスに働き、守備面ではマイナスに働いた。
FW前田とMF石川という得点ランキング1位と2位の両雄の対決が注目されたが、共に、1ゴールずつ。MF石川は13ゴール目でトップのFW前田に一瞬、並んだが、直後に、FW前田がゴールゲット。激しい得点王争いは続いていく。
■ 決勝ゴールの赤嶺FWカボレが退団したFC東京はFW平山のパートナー探しの最中であるが、この日はFW鈴木達が先発。FW赤嶺はベンチスタートになったが、FW赤嶺が途中出場でロスタイムに大きな仕事を成し遂げた。
ゴールゲッターとしての才能は高く評価されている半面、それ以外の部分での貢献度が低く、FW平山にポジションを奪われる形になったFW赤嶺であるが、FWカボレの移籍は大きなチャンス。FW平山が献身的なプレーを見せるので、もう一人のフォワードは比較的、ゴールを狙う仕事に専念できるのも好材料。
今シーズンの補強期間は終了しているので、新しい戦力が入ってくることはないが、間違いなく、カボレ資金でオフには大物ストライカーを狙ってくるはず。FW赤嶺には残り試合でしっかりと結果を残す事が求められる。
■ 的中した城福采配1点ビハインドのFC東京は、後半30分にMF石川とFW鈴木達を外して、DF椋原とMF中村北を投入。サイドプレーヤーを代える選択をしたが、これが、大成功した。
DF椋原の投入によってDF徳永が左サイドバックに回って、左サイドバックのDF長友が左サイドハーフに移動。その長友が1ゴール1アシストの活躍を見せた。
■ 背番号「10」の梶山陽平試合をコントロールする役割を背負うのがMF梶山。U-20W杯と北京五輪の代表選手であり、早くから期待されてきたが、攻守において波が大きく、FC東京で中心の1人となりながらも、同じ年代の選手が続々とA代表に昇格していった中で日本代表に召集されることも無く、やや伸び悩みの感もあったが、ようやく、背番号「10」を背負う選手にふさわしい選手になって来た。
若い頃から、試合ごとに良かったり、悪かったりと波が激しすぎるのが特徴であったが、ここに来てパフォーマンスが安定してきており、底の試合が無くなってきている。守備力や運動量の向上は言うまでもないが、高いキープ力が効果的に働くようになってきている。
以前であれば、リスキーなキープやリスキーなパス出しが多く、それがビッグチャンスにつながることもあったが、その確率は必ずしも高くは無かった。ただ、最近は、判断力等が向上したことで、それほどリスキーなことをしなくても、チャンスを作り出すことが出来ている。MF梶山がいい形でボールを持つことが出来れば、FC東京のビッグチャンスを生み出す可能性は高まる。
若い年代でも、ドリブルが持ち味のアタッカーは増えているが、ゲームをコントロールするタイプの中盤の選手はほとんど見当たらないのが現状。MF中村憲剛やMF遠藤保仁の次の年代の選手が不足している間は否めないが、この成長曲線であれば、そろそろ代表からお呼びがかかっても不思議ではない。
高卒ルーキーのMF米本とボランチを組んでいることもMF梶山の成長を促したのかもしれない。補完性も十分で、二人の相性はいい。以前から、「MF梶山がチームの中心である限り、FC東京の上位進出は難しい。」とみていたが、その考えも、改めないといけないかもしれない。
■ 代役のゴールキーパーGK川口が負傷したため、GK八田が初スタメン。経験の乏しい選手であり不安視されたが、悪い出来ではなかった。GK川口の怪我は長引きそうで、来シーズンの開幕に間に合うかどうかも心配されるが、当面は、GK八田でいくことになるだろう。
磐田は1点をリードした後、MF成岡に代えてMF犬塚を投入し、逃げ切りに入ったが失敗。メッセージとしては守備重視だったはずであるが、中盤でボールが拾えなくなって、波状攻撃をかけられた。いい形で逆転しただけに、悔しい試合となった。
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