■ 2年連続でのプレーオフ出場はならず・・・。2015年はクラブ史上初となるプレーオフ出場を果たした愛媛FC。2年連続でのプレーオフ出場ならびにJ1昇格を目指すシーズンだったが、残り2節となった時点で11勝9敗20分けで勝ち点「53」。すでに7位以下が確定してプレーオフ出場の可能性は消滅した。現時点では10位に位置するが、残り2試合で7位まで浮上する可能性があるが、一方で14位まで下がる可能性もある。このあたりは今シーズンも大混戦である。
昨シーズンは42試合で47得点/39失点だったが、今シーズンはここまで40試合で40得点/39失点。得点ペースがやや落ちている。20引き分けというのはJ2最多となるが、試合数のちょうど半分が引き分けというのは相当に多い。2004年の横浜FCが44試合で10勝12敗22分けという成績だったが、残り2試合が連続ドローに終わったときは引き分け率がこのシーズンの横浜FCを上回ってJ2史上最高となるほどである。
当然、同点に追いつかれてのドローもあるし、同点に追いついてのドローもあるが、今シーズンの愛媛FCというと勝ちきれなかった印象が強い。浦和から期限付き移籍中のFW阪野は40試合で12ゴールと期待以上の活躍を見せた一方で2年連続二桁ゴール中だったエースのMF河原は30試合で2ゴールのみと大不振。このクラスの規模のクラブの場合、計算外の出来事が起こるとリカバーするのは難しくなる。
■ まずは主力の流出を最小限にとどめること得点数はリーグワースト5位タイなのに対して失点数はリーグ5位の少なさとなる。GK児玉を中心とした守備陣はよく頑張った。得点数と失点数から考えても今オフのテーマははっきりしているが、4つほど挙げてみると、
・主力の流出を最小限にとどめること。
・得点力の高い選手(1トップ・2シャドー)
・固定しきれなかった右WBの補強。
・サイズ不足が長年の課題になっている最終ラインの補強。
となる。1つ目に関しては「永遠のテーマ」となるが昨オフは幸運にもほとんどと言っていいほど主力の流出がなかったので2015年の終盤戦を戦ったメンバーとほとんど同じメンバーで新シーズンを迎えることが出来たが、主力のGK児玉、DF林堂、DF浦田、MF小島秀、MF藤田息、MF内田健、MF白井康、MF瀬沼、FW阪野あたりは特徴を持った選手なので興味を示すクラブが出てきても全く不思議はないといえる。
財政的な問題を抱えているクラブなので主力選手がJ1のクラブやJ2の有力クラブに目を付けられると引き留めるのが難しくなるのは言うまでもない話である。主力の多くが加入1年目以下のC大阪とは反対で愛媛FCの場合は今のクラブである程度以上の実績や経験を積んだ選手が多い。「ステップアップの移籍」を考えたくなる時期である。主力の流出を最小限に抑えることが今オフの最初の大きなテーマと言える。