はてなキーワード: 貿易赤字とは
米国の道路がボロボロなのは、それが金貸しにとって利益を産まないからであり、外国で戦争をするのは、それがドル覇権という名の収奪システムを維持するための必要経費だからだ。
マイケル・ハドソン(Michael Hudson)の経済学的視点、金融資本主義 vs 産業資本主義の対立構造からこの問いを読み解くと、その答えは優先順位の間違いではなく、米国経済の寄生的な構造そのものにある。
彼の分析によれば、今の米国はもはや物を作る国ではなく、レント(経済的地代・不労所得)を徴収する国へと変質しているからだ。
彼は、現代の米国を不労所得を追求する金融勢力が支配する利権追求型エコノミーと定義する。
本来、道路、橋、鉄道、水道などのインフラは、社会全体の生産コストを下げるための公共の資本だ。しかし、金融勢力はこれに公金を投じるよりも、老朽化させて民営化し、利用料を徴収する対象に変えることを望む。
自国のインフラを更新しても、それは国民の生活を楽にするだけで、ウォール街に利子や配当をもたらす負債を産み出さない。金融資本にとっては、国民の生活向上よりも、株価や不動産などの資産価格の維持の方が圧倒的に重要だ。
なぜ遠い国の戦争には、湯水のように金が流れるのか。それは軍事力が、米国が世界から貢ぎ物を吸い上げるためのドルの強制力を支えているからだ。
米国の軍事支出の多くは、兵器産業への支払いを通じて米国内の特定の勢力を潤すだけでなく、他国を米国のドル経済圏という安全保障に従属させるためのコストである。
ハドソンは、米国の貿易赤字および軍事支出によって世界にばら撒かれたドルが、結局は他国の外貨準備として米国債の購入に充てられ、米国の財政赤字を補填するというスーパー・インペリアル主義の循環を指摘する。
軍事的解決が存在しなくても、軍産複合体やシンクタンクにとっては、解決しない戦争が続くこと自体が、予算という名の国富を収奪し続けるための最適解だ。
アメリカ人が自国のインフラをケチるのは、彼らが産業資本主義(物を作って国を豊かにする)を放棄し、金融・不動産・独占(FIRE)セクターによる支配を選んだからだ。
産業を重視する国、例えば中国にとって、インフラは投資だ。しかし、金融資本主義の米国にとって、国内のインフラ整備や教育への投資は経費でしかない。
東大生がコンサルという収奪の管理業務に流れるのと同様、米国のエリートもどうやって物を安く作るかではなく、どうやって他国の資源や労働からレントを吸い上げるかに知性を使っている。
米国の道路がボロボロなのは、それが金貸しにとって利益を産まないからであり、外国で戦争をするのは、それがドル覇権という名の収奪システムを維持するための必要経費だからだ。
アメリカの一般市民は、自国のインフラ崩壊という形でそのコストを支払わされ、同時にイラン、中国、ロシアが悪いというプロパガンダによって、その不満を外部へそらされている。
日本経済の停滞は、単なる政策の失敗ではなく、意図的なシステムの解体と富の移転プロセスの結果である。
1980年代、日本の製造業が世界を席巻し、米国が巨額の貿易赤字に苦しんでいた当時、米国にとって日本は守るべき盾ではなく、自国の覇権を脅かす最大の経済的脅威だった。
(冷戦終了直後の1990年に日本はソ連に代わって米国の脅威No1になった)
プラザ合意による急激な円高誘導は、日本の輸出競争力を削ぐと同時に、日本国内の過剰流動性を生み出し、バブル経済への導火線になった。通貨という武器によって日本の経済システムに過熱と崩壊を強制したのが、この合意の本質だった。
バブル崩壊後の失われた10年を経て登場した小泉・竹中路線は、弱体化した日本から最後の一滴まで果実を搾り取るためのプロセスを開始した。
官から民への正体は日本国民の資産(郵貯・簡保・公共インフラ)を、グローバル資本(主に米国金融)がアクセス可能な市場へと開放することだった。この林道整備の縮小も、こうした公共性の解体という大きなパズルの一片に過ぎない。
竹中平蔵が主導した不良債権処理は、日本の銀行を再建する名目で、実際には日本の優良企業や不動産を二束三文で外資に叩き売るバルクセール(まとめ売り)を加速させた。彼は、システムの解体作業を現場で指揮する執行官だった。
リストラや効率化という記号を隠れ蓑にして、永続的な搾取の仕組みが日本社会に組み込まれた。
①労働市場の柔軟化を名目に労働派遣法が解禁され、中間搾取による低賃金化をまねき、企業の内部留保(=株主配当)は雪だるま式に増加した。
②経営の透明性向上を名目に株主資本主義が徹底され、日本企業が稼いだ利益を、配当と自社株買いを通じて外資へ流出させる構造をつくった。
③郵政民営化は350兆円に及ぶ国民の貯蓄を、米国債購入や外資ファンドの運用資金へ誘導し、外資や関係者に莫大な利得をもたらした。
竹中平蔵のような人物が改革の旗手として称揚されたこと自体が、日本の知性の敗北を象徴している。彼は、米国の年次改革要望書に沿って日本の制度を書き換えるパシリでありながら、それを進歩と呼び、異論を唱える者を守旧派として弾劾した。
官から民へというスローガンの結末は、日本の公益の崩壊だ。山を守る林道も、地域を支える金融も、国民の老後の安心も、すべてが市場の効率という名目でグローバル資本の餌食になった。
たぶん、円安を先送りするためと、長期金利を抑えるためかなあ?
日銀が利上げしても円安になるのは、日本の巨額の財政赤字と、貿易赤字転落が理由。円を買う理由がない。だからドルが買われる。
本来はもっと金利を払わないといけないけど、そうすると利払いだけで死ぬから、それは抑えたい。
でもその結果円の価値が落ちて、円安になっているのではないか。
このまま円安を抑えられなくなると、輸入品の価格はさらに上がり、国民の不満も高まる。
だから介入して円安を先送りしているんだと思う。長期的に見れば全戻ししてまた160円を超えるんだろう。
それにインフレ政策をやると言っている人を首相にして、国民がその高市首相を支持しているわけでしょ?
長期的には全戻しして、160円超えるでしょ。
戦後から1980年代までの日本は、「優れたハードウェアを安く大量にコピー・改善して輸出」という最適化において、世界最強の実行速度を誇っていた。
加工貿易・中継貿易をやって円の価値が低かった時期に自動車やコンピュータ部品などを大量生産大量輸出して中国みたいな世界の工場になっていた。
当時、アメリカは貿易赤字に苦しんでいた。そこで日本や西ドイツなどの主要国をニューヨークのプラザホテルに集め、「ドルを安くして、君たちの通貨を高くしろ。さもなくば制裁だ」と強制した。
1985年のプラザ合意で円とドルが変動制になって急激な円高になった。その後しばらくの間は日本人は日本経済は青天井に伸びると信じていて有頂天になってた。
札束振ってタクシー止めないとタクシーが止まってくれないぐらい2.5%の金利で円が有り余ってて不動産投資をしまくった。大手商社がアメリカのロックフェラー・センターを買った。
働けば働くほど儲かった時代だった。
ところがその見せかけの経済成長は続かなかった。
ーーー
1989年12月29日、日経平均株価は史上最高値(終値38,915円87銭)を記録。その後、日銀の金融引き締め(金利引き上げ)や総量規制などの影響で急落し、株価と地価が暴落、バブル経済は崩壊しました。これにより日本は、長期間にわたる低成長と不良債権問題(失われた30年)に突入しました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8F%E9%87%8F%E8%A6%8F%E5%88%B6
通貨が安くなる(自国通貨が下落・減価する)主な原因は、以下の経済要因がほとんどです。
• 外国から見ると「その国の商品が高くなった」→ その通貨を買う魅力が減る → 通貨安。
• 例:急激な物価上昇(ハイパーインフレ)で通貨が紙くず化するケース。
• 自国の金利が低いと、投資家が「この通貨を売って他国の通貨を買う」→ 通貨安。
• 特に日銀が長年超低金利だった頃の円安の大きな要因でした。
• 外国からたくさん輸入して、輸出が少ない → 外国通貨をたくさん買う必要がある。
4. 政府・中央銀行による通貨供給の増加(マネーサプライ増加)
• 投資家が「この国は危ない」と判断して通貨を売る(リスクオフ)。
• ヘッジファンドなどが「この通貨は下がりそう」と先物で大量に売る。
• 自己実現的予言になることも多い(2022年のポンド急落など)。
• 石油・天然ガスなどの輸出国で、資源価格が下がると通貨安になりやすい。
• 逆に日本のような資源輸入国は、資源高で輸入代金が増えて円安圧力がかかることも。
• 自国が特に悪くなくても、他国(特に米ドル)が非常に強いと相対的に自国通貨が安くなる。
• 2022〜2023年のような米FRBの急激利上げで世界中で自国通貨安になったケース。
簡単にまとめると
これが根本原因です。
追加質問もいちいち的を射ていて怖い。
まずタンカーの運航パターンについて。おっしゃる通り、日本→中東→日本のピストン輸送なんて非効率なことはやっていない。
VLCCクラス(大型原油タンカー)は三角航路や連続航海で組まれていて、「中東で積んで日本で揚げて、バラストレグ(空荷)でシンガポールに寄って、そこからまた別の積地に向かう」みたいな動き方をする。配船はブローカーとオペレーターが最適化していて、空荷の航海距離を最小にするのが基本。
で、船籍の話。日本の外航タンカーの大半はパナマやマーシャル諸島やリベリアの便宜置籍船(FOC)。
日本船籍は全体の1割もない。ただし「日本関係船舶」として邦船社(商船三井、日本郵船、川崎汽船)がオペレーションしている船は便宜置籍であっても日本の管理下にある。
船舶燃料(バンカー)の調達については、これは港ごとにバンカーサプライヤーがいて、船籍に関係なく買える。
シンガポールが世界最大のバンカリング拠点で、次いでフジャイラ(UAE)、ロッテルダム、日本では東京湾・大阪湾・北九州あたり。フジャイラがホルムズの問題でほぼ機能停止しているので、世界のバンカー供給の地図自体が今おかしくなっている。
日本の港でバンカーは買えるが、そもそも重油の国内供給が逼迫してくれば値段が跳ねるし、政府が「日本向けの荷を運ぶ船を優先」みたいな差配をする可能性はある。
ただしそれをやるとWTO的にもIMO的にもかなりグレーな話になるので簡単ではない。
ガード、スクルド、ロンドンPandIクラブなど主要な海上保険会社が、ペルシャ湾・オマーン湾周辺を戦争リスク補償の対象外(除外水域)にした。
つまりあの海域を通る船は保険がつかない。保険がつかない船に積荷を任せる荷主はいない。荷主がいなければ船は動けない。物理的に通れるかどうかとは別のレイヤーで、保険が通航を止めている。
仮に紅海ルートを使ってアフリカや欧州方面に行く場合、フーシ派のリスクは2024年から継続中で、こちらも戦争リスク保険が必要。保険料は通常の10倍以上になっている。
「命よりカネが大事な船員じゃないと務まらない」という指摘はその通りで、実際に一部の船員組合は危険海域への乗船拒否の権利を主張し始めている。インド人やフィリピン人の船員が多いが、彼らの国の船員組合も動いている。
原油・LNGの国際取引は基本ドル建て。この状況でドルで決済するのかという疑問はもっともだが、現実的にはドル以外の選択肢がほぼない。
中国はイラン原油を人民元建てで一部取引しているが、それは中国-イラン間の特殊な二国間関係であって、グローバルな代替決済にはなっていない。
ただし今回の危機でじわじわ効いてくるのは、ドルの価値そのものの問題ではなく、為替の問題。
円安が進行すればドル建ての調達コストが嵩む。エネルギー輸入コスト増→貿易赤字拡大→円安→さらにコスト増、の悪循環。結局「ドルで買えるけど高すぎて買えない」という事態に近づいていく。
最後の「先が読めない時点でかなり詰み」という指摘について。
正直、その認識は正しいと思う。海運のロジスティクスは2-3ヶ月先の見通しが立たないと計画が組めない。
今は2週間先すら読めない。だから各社は「短距離・確実なソース」に配船を集中させている。
豪州-日本、東南アジア-日本のような近距離かつ安全な航路に船を回して、中東・アフリカ方面は事実上放棄に近い状態。結果として調達できる総量が減る。
まとめると、増田が指摘している「配船」「保険」「バンカー」「決済」は全部つながっていて、どれか一つが詰まると全体が詰まるパイプライン構造になっている。で、今はそのうち複数が同時に詰まっている。
貿易関係の増田が現状をまとめてくれてたので(anond:20260313174445)、自分はもう少し踏み込んで「今後50%くらいの確率で起こりうる最悪の展開」について書いてみる。電力・ガス関係の仕事をしている立場から。
先に言っておくと、これは「確実に起こる」話ではない。ただし「起こってもおかしくない」話だ。
■前提の整理
まず数字の確認から。日本の電源構成のうちLNG火力は約3割。日本のLNG輸入における中東依存度(カタール+UAE+オマーン)は約11%。「なんだ、たった11%か」と思った人は少し待ってほしい。
問題は3つある。
1つ目。カタールは世界のLNG輸出の約20%を占めるメガサプライヤーだということ。カタールが止まると「日本のカタール依存5%」の問題ではなく、世界のLNGスポット市場全体が干上がる。3月2日にJKM(日韓向けLNG指標価格)が一時40%近く跳ねたのはそのため。カタールのラアス・ラファーンもメサイードも攻撃を受けて生産停止中で、仮にホルムズ海峡が明日開いても施設が直るまでLNGは出てこない。
2つ目。LNGは石油と違って「備蓄」がほぼ効かないこと。石油は254日分の国家備蓄がある。一方LNGは事業者在庫で約3週間分しかない。なぜかというとLNGは-162℃で保存しなければならず、放っておくと気化する。大量に長期間貯めておくことが物理的に難しい。石油備蓄を放出しても、LNG火力発電所には石油を入れられない。燃やす燃料が違うので、発電設備の代替が利かない。
3つ目。これが一番深刻なんだが、LNGの調達は長期契約がベースになっていて、スポット市場で急に大量に買うことが構造的に難しい。オーストラリアやマレーシアからの長期契約分は今のところ動いているが、カタールが抜けた穴を全世界が同時にスポットで埋めようとするので、価格は青天井になる。欧州もカタールとの長期契約を増やしていた最中だったので、欧州勢との争奪戦になる。
ホルムズ海峡が1ヶ月以上封鎖された場合、まず起こるのはLNGスポット価格の異常な高騰。2022年のウクライナ危機の時にJKMは一時70ドル/MMBtuまで行ったが、今回はカタールの生産設備自体が物理的にダメージを受けている分、もっとタチが悪い。100ドル超えもあり得る。
この価格がどういう意味かというと、電力会社の燃料調達コストが数倍になる。燃料費調整制度があるので、これは数ヶ月遅れで電気料金に反映される。単純計算で家庭の電気代は今の1.5倍〜2倍。産業用はもっと厳しい。
ここまでは「高くなるけどモノはある」フェーズ。
問題は4月以降だ。3週間分のLNG在庫を食い潰しながらスポット調達で凌ぐ状態が続くと、電力会社のLNG調達が物理的に追いつかなくなるポイントが来る。
貿易関係の増田が書いてた「船の燃料(重油)自体が不足する」問題がここで効いてくる。LNGを運ぶ船の燃料は重油で、その重油は中東原油から精製する。つまり原油が入ってこないとLNGを運ぶ船が動けなくなるという、エネルギーのデッドロックが発生する可能性がある。石油備蓄を船舶燃料に回すかどうか、という判断を政府は迫られる。
夏場は冷房需要でピーク電力が跳ね上がる。2024年度の電源構成でLNG火力は約29%を占めていて、しかもLNG火力は需要の変動に対応する「調整電源」として使われている。つまりピーク時にLNGが足りないということは、ベースロード(石炭、原子力)では賄えない部分が丸ごと消えるということ。
現実的に起こりうるのは、まず企業向けの大口電力の使用制限から始まって、段階的に節電要請が強化され、最終的に計画停電に至るパターン。東日本大震災後の2011年夏に経験した「計画停電一歩手前の綱渡り」が、今度は全国規模で起こりうる。
ただし2011年と決定的に違うのは、今回は原発を「再稼働させたくてもそう簡単にはできない」ということ。現在稼働中の原発は限られており、追加再稼働には審査と地元同意が必要で、この危機に間に合う時間軸ではない。
コロナ禍との本質的な違いは、コロナは「人の移動が止まった」危機だったが、今回は「モノの根幹であるエネルギーが止まる」危機だということ。
コロナでは巣ごもりしていれば命は守れた。電気もガスもネットもあった。今回、仮に計画停電が実施されたとして、それはリモートワークも、データセンターも、冷蔵・冷凍のサプライチェーンも、病院のバックアップも全部影響を受けるということ。
都市ガスも連動する。東京ガスや大阪ガスの原料はLNGそのもの。ガスが止まると都市部の給湯・調理だけでなく、ガスコージェネレーションで自家発電している大型商業施設やデータセンターも影響を受ける。
さらに言えば、石油化学のナフサが入ってこなくなることで「プラスチック」が消える。ナフサの在庫は20日分程度しかない。医療用の使い捨て器具、食品包装、自動車部品、電子機器の筐体。プラスチックが作れないということは、ほぼすべての製造業が止まるということ。
コロナ禍では飲食や観光が壊滅的な打撃を受けたが、製造業はなんとか回っていた。今回は製造業の根幹が止まりかねない。GDPへの影響はコロナ以上になる可能性がある。
エネルギー輸入コストが激増すると貿易赤字が一気に膨らむ。エネルギー価格高騰→貿易赤字拡大→円安→輸入コスト増→さらなる貿易赤字、という負のスパイラルに入る。最悪シナリオとして1ドル200円という予測まで出ている。
日銀はインフレ対応で利上げしたいが、利上げすると中小企業が死ぬ。利上げしないと円安が止まらない。財政出動したいが、円安で国債が売られると長期金利が上がる。完全な政策のトリレンマに陥る。
地銀の話をすると、JGB(日本国債)のポートフォリオを大量に抱えている地方銀行は、金利上昇で含み損が一気に拡大する。ここにエネルギーコスト増で疲弊した中小企業の与信悪化が重なると、地銀の財務が急激に悪化する可能性がある。
■希望的な要素
一応、最悪を免れるシナリオも書いておく。
まず中国の仲介。中国もホルムズ海峡封鎖で相当困っているので、イランとの外交ルートで停戦を仲介する強いインセンティブがある。中国は既に独自の協議を始めており、これが機能すれば事態の長期化は避けられるかもしれない。
次に、米国のLNG増産。トランプ政権は化石燃料推進を掲げているので、米国産LNGの緊急増産と日本への優先供給は政治的にもあり得る。ただし米国の液化設備にも処理能力の上限があるので、すぐにカタールの穴を埋められるわけではない。
オーストラリアからの追加供給も期待できる。日本のLNG輸入の約4割はオーストラリアで、こちらはホルムズと無関係。ただしオーストラリアも長期契約ベースで動いているので、契約外の追加分をどれだけ出せるかは未知数。
あとは原発の緊急再稼働。政治的ハードルは極めて高いが、計画停電が現実になれば世論が変わる可能性はある。
■まとめ
今の状況を第一次石油危機と比較する人がいるが、あの時は「石油が高くなった」話だった。今回は「石油もLNGも物理的に入ってこない」状態が起こりつつある。しかもLNGには石油のような大規模備蓄がない。
政府の「直ちに影響はない」は嘘ではない。LNGの事業者在庫3週間分はまだある。石油備蓄254日分もある。ただし「直ちに」の先に何があるかを今のうちに考えておく必要がある。
個人でできることは限られているが、電力需要のピークを避ける行動(夏場の昼間の電力消費を抑えるとか)は意味がある。あとプロパンガスの人は早めに充填しておいたほうがいい。
これが杞憂に終わることを祈っている。
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【3/14 追記】
「LNGを運ぶ船の燃料は重油」という記述に対して「本当に専門家か?」とツッコミをいただいたので訂正する。LNG運搬船は輸送中に自然気化するボイルオフガス(BOG)を燃料に使える設計が主流で、古い蒸気タービン船は昔からそうだし、最近の新造船はDFDE(デュアルフュエル・ディーゼル電気推進)やME-GI/X-DFエンジンを積んでいてLNGと重油の両方で動く。つまりLNG船は自分の積荷を燃やして走れるので、重油が尽きたらLNGが運べなくなるというデッドロックの説明は不正確だった。申し訳ない。
ただし本筋の論点は変わらない。問題はLNG船以外の船だ。原油タンカー、石炭を運ぶバルカー、コンテナ船、これらは依然として重油(VLSFO)が主燃料で、その重油は原油から精製する。原油の供給が細ると、石炭・食料・工業資材を運ぶ船の燃料が不足して海上輸送全体がボトルネックになる。LNGだけ船が動いても、石炭火力用の石炭が来なければ電力の穴は埋まらないし、食料や化学原料の輸入にも支障が出る。エネルギーのデッドロックは「LNG船が止まる」ではなく「LNG以外の海上輸送が止まる」という形で起きる。
指摘してくれた人、ありがとう。
【3/14 追記2】
ブコメで「なぜ日本の事だけで予測をたてるのか。影響範囲はもっと広くて備蓄がない国も沢山ある」という指摘をいただいた。これは完全にそのとおりで、自分の書き方が日本視点に閉じすぎていた。
実際にはこの危機のもっと怖い部分は「日本に届くまでの途中」で起きる。日本向けのLNGや原油は、中東からまっすぐ日本に来るわけではない。マラッカ海峡を通り、シンガポールやマレーシアの沖を経由する。オーストラリア産のLNGだって、インドネシア近海を通る。この「途中の海域」と「中継港」が平常どおり機能する前提で、みんな話をしている。だがその前提が崩れる可能性を考えるべきだ。
ホルムズ海峡封鎖の影響を最初にまともに食らうのは、備蓄が薄い国々だ。パキスタン、バングラデシュ、スリランカあたりはLNG在庫が数日分しかない。これらの国で電力危機が起きると社会不安が一気に高まる。スリランカは2022年に経済危機で政権が倒れたばかりだ。パキスタンも政情が安定しているとは言い難い。こうした国で政府が倒れたり、秩序が崩壊したとき何が起きるか。
まず考えられるのが、中継港での政府による積荷の接収だ。日本向けのLNGタンカーがたまたまある国の港に寄港中、あるいはその国の領海を通過中に、「国家の緊急事態」を理由に拿捕・徴発される可能性だ。国際法上は当然違法だが、自国民が凍えているときに他国向けの燃料を素通りさせる政府がどれだけあるだろうか。2022年のスリランカ危機では港に停泊中の燃料船を事実上差し押さえた前例がある。
次に海賊。ソマリア沖の海賊問題は近年やや沈静化していたが、あれはアデン湾に各国海軍が常駐して護衛していたから成り立っていた話だ。各国の海軍がホルムズ方面に戦力を集中させたら、マラッカ海峡やスールー海、ベンガル湾あたりの警備は手薄になる。エネルギー危機で周辺国の治安が悪化すれば、高価なLNGや原油を積んだタンカーは格好の標的になる。
さらに言えば、日本がスポット市場で買い付けたLNGカーゴが、途中で他国に「横取り」される可能性もある。2021年にはパキスタン向けのLNGカーゴが、より高い価格を提示した欧州のバイヤーに航路上で転売されたケースがあった。売り手市場では契約のモラルが崩壊する。逆に言えば、日本が買ったカーゴが到着前に他のバイヤーに奪われることも理屈上はあり得る。
つまり、日本のLNG在庫が何週間分あるとか、オーストラリアからの長期契約があるとか、そういう計算は「海上輸送路が平常どおり機能する」という前提に立っている。その前提自体が、周辺国の政情不安・海賊・中継港でのトラブルによって崩れるリスクがある。日本の問題を日本だけで考えても意味がない、というのはまさにそういうことだ。
日本経済の停滞を「需要不足」や「デフレマインド」といった心理現象に還元する議論は、だいたい自己満足の物語で終わる。
問題はマクロの気分ではなく、ミクロのインセンティブ設計と市場の競争構造にある。
成長とは、資源配分の効率化と生産性上昇の結果であって、祈祷ではない。
したがって日本経済復活の鍵は、内向きの保護と規制で安定を買うことではなく、グローバリズムを極大化して競争圧力を最大化し、資本・労働・技術の最適配分を強制的に起こすことにある。
グローバリズムとは、感情的には「外国に奪われる」物語として語られがちだが、経済学的には比較優位と分業の徹底である。
比較優位が働く世界では、各国は自国が相対的に得意な領域に資源を集中し、不得意な領域は輸入する。
これにより総生産が増える。ここで重要なのは、これは「善意の国際協調」ではなく、価格シグナルによる資源配分の自動最適化だという点だ。
国境を越えた競争は、企業の非効率(ぬるま湯組織の怠惰)を破壊し、利潤最大化行動を通じて生産性を引き上げる。
国内市場に閉じている限り、日本は既得権益の温床としての規制に守られ、競争の欠如から技術革新の圧力が弱まる。
これは市場の失敗ではなく、政府の失敗が温存される構造である。
日本が直面している本質的問題は、成長率の低下というより、全要素生産性(TFP)の伸び悩みだ。
TFPは精神論では増えない。TFPが増えるのは、技術進歩、資本深化、そして競争による淘汰が起きるときだけだ。
つまりシュンペーター的創造的破壊が必要であり、その燃料が国際競争である。
国内でゾンビ企業を延命させ、非効率部門を温存し続ける政策は、資源の誤配分を固定化し、成長率を削る。
これは典型的な政治的資本主義、すなわち市場を装った官製配分であり、自由市場とは逆方向の制度だ。
日本の労働市場は、硬直性と内部労働市場の過剰保護によって、人的資本の再配分が遅い。
解雇規制、年功賃金、過剰な雇用保護は、表面的には安定を提供するが、実態は労働移動を阻害し、成長産業への資源移転を遅らせる摩擦コストである。
グローバル競争が激化すれば、企業は利潤率を維持するために組織改革と賃金体系の合理化を迫られ、結果として労働市場の柔軟性が増す。
これは「労働者いじめ」ではなく、労働が最も高い限界生産性を持つ場所へ移動することを可能にする制度改革である。
さらに資本市場の観点でも、グローバリズムは不可避の処方箋になる。
国際資本移動が自由化されれば、国内企業は株主価値と資本収益率を世界基準で問われる。
企業統治の改善、資本コスト意識の浸透、非採算事業の切り捨てが進む。
ここで起きるのは道徳改革ではなく、資本市場がもたらす規律である。
規律とは、企業にとっては不快だが、社会全体の資源配分にとっては必要不可欠な強制力だ。
日本ではしばしば「産業保護」「食料安全保障」「経済安全保障」という言葉が万能の免罪符として使われる。
しかし、これはレントシーキング(政治的に利益を獲得する活動)の温床であり、保護の名を借りた独占の固定化である。
関税、補助金、参入規制は、短期的には国内企業の利潤を守るが、長期的には技術革新を止め、価格を引き上げ、消費者余剰を破壊する。
これは国益ではなく、特定業界の利益を国益と錯覚させる政治的マーケティングに過ぎない。
市場の競争が消えると、品質改善もコスト削減も止まり、経済全体が静かに腐る。
グローバリズム極大化の真価は、輸出拡大ではなく輸入拡大にある。
輸入とは敗北ではない。輸入は、安価で高品質な財を国内に導入し、国内の生活コストを下げ、実質賃金を引き上げる。
ここで「貿易赤字は悪」という素朴重商主義を持ち出すのは、経済学的には前時代的である。
経常収支は貯蓄投資バランスの鏡像であり、貿易収支だけを道徳的に裁くのは会計の読み間違いだ。
また、日本のイノベーション停滞は「技術力の低下」ではなく、インセンティブの弱さとして理解する方が筋が良い。
国内市場で規制と補助金に守られていれば、企業はリスクを取って研究開発するより、政治的ロビー活動で安定利潤を確保する方が合理的になる。
これがレント志向経済の病理だ。グローバリズムの極大化は、この病理を破壊する。国際市場で勝たなければ利益が出ない環境に置かれれば、企業は嫌でも技術投資と経営改革を行う。
日本が復活するには、国内で「再分配を厚くして安心を与える」よりも、成長率を引き上げてパイを拡大する方が合理的である。
成長のない再分配は、結局インフレ税や国債依存という形で将来世代に押し付けられる。
インフレは常に貨幣的現象であり、財政拡張による需要刺激で成長を捏造しようとすれば、最後は貨幣価値の毀損に行き着く。
日本が必要としているのは、マネーの増量ではなく、生産性の上昇である。
日本経済の復活とは「世界市場の荒波に投げ込まれ、勝ち残れる構造を作る」ことに尽きる。
自由貿易、資本移動の自由化、移民・高度人材の受け入れ、規制撤廃、競争政策の強化、企業統治改革。
すなわち市場の価格メカニズムを最大限機能させ、資源配分を最適化し、利潤動機を通じてイノベーションを誘発することだ。
グローバリズムを恐れる態度は、実のところ競争を恐れる態度であり、競争を恐れる経済は停滞を選ぶ経済である。
日本が再び成長するために必要なのは、国内のぬるま湯を温存する政策ではない。
世界市場という冷水に飛び込み、競争圧力を極大化し、創造的破壊を起こし続ける制度設計である。
選挙期間になると右派の方がせっせとエクストリームな自民党擁護につながる文章を書いていて笑うわ。
一見良い関係に見えるのは工作と圧力が形作ったものだよ。事実ベースで確認されていること。あなたが書いたファンタジーやジャンプコミックス的な友情物語じゃ無い。いい加減大人になって欲しい。
1990年代以降にアメリカ国務省による公式文書(FRUS)公開によって明らかにされたけど、CIAが戦後の日本の政治に深く関与していたことが明らかになりました。
■自民党への秘密献金: 1950年代から60年代にかけて、CIAは自由民主党(LDP)の親米派議員たちに多額の秘密資金を提供していました。これは日本における「安定した親米政権」を維持し、社会党などの左派勢力を抑え込むことが目的でした。
■岸信介氏との関係: A級戦犯容疑者から首相へと上り詰めた岸信介氏は、アメリカにとって対共産圏の「防波堤」として不可欠な存在であり、緊密な協力関係にありました。
■従属的な独立: 1951年のサンフランシスコ平和条約と同時に、旧日米安保条約を締結。これにより、日本は主権を回復しつつも、実質的にアメリカの軍事戦略に組み込まれることとなりました。
■.日米合同委員会:見えない統治機構現在も続いている。日米合同委員会は日本の政治がアメリカの強い影響下にあることを示す象徴的な枠組みです。日米地位協定の運用など、軍事・領空・基地問題を協議。不透明性議事録が非公開であり、国会よりも優先される決定がなされる場合がある。これにより、日本の航空管制権の一部(横田ラプコンなど)が依然として米軍に握られているといった、主権の制限が続いています。
■ 経済・軍事的圧力良好な関係を維持する条件として、常にアメリカの国益に沿った譲歩が求められてきました。プラザ合意(1985年): アメリカの貿易赤字解消のため、強引な円高へと誘導。これが後のバブル崩壊と「失われた30年」の遠因となったとの見方が強いです。
■年次改革要望書: アメリカ政府が日本政府に対し、規制緩和や市場開放を求めた要望書。郵政民営化などの構造改革にも強い影響を与えました。
日本が単なる「自由意志」でアメリカに従っているわけじゃない。戦後直後の構造的な「支配―被支配」の関係が続いているんだよ。
現在のイラン情勢は、1979年のイスラム革命以来、最も政権存続が危ぶまれる「体制崩壊の瀬戸際」にあると言えます。
2025年末から始まった経済崩壊と電力不足が引き金となり、抗議活動は単なるデモの域を超え、「革命」の様相を呈しています。
規模: 全31州で340件以上の抗議が確認されており、テヘランなどの主要都市では治安部隊との激しい衝突が発生しています。
直接のトリガー: 慢性的インフレと汚職に加え、深刻な電力不足が国民の忍耐を限界に達させました。
政権の亀裂: 治安維持の柱である軍の一部(3万5千人規模)が離反したとの報告があり、これは政権の「暴力による統制」が機能不全に陥り始めていることを示唆しています。
現在のイランは、亡くなったホメイニ師が築いた「ヴァラーヤテ・ファギーフ(法学者の統治)」という神権政治体制ですが、民衆はこれを明確に拒絶し始めています。
反宗教指導者: 現最高指導者ハメネイ師による独裁的な抑圧体制に対し、民衆は「イスラム共和国の終焉」を求めています。
王政復古の台頭: 驚くべきことに、1979年に追放されたパーレビ王朝の復活を望む声が主流となっています。
スローガン: 「国王万歳(ジャヴィド・シャー)」という叫びは、宗教的な縛りのない「世俗的で安定していた時代」への回帰願望の象徴です。
レザ・パーレビ王子の役割: 米国在住の王子が、民主化への移行を主導する「象徴的リーダー」として期待を集めています。
これまでのイラン政権を支えてきた外部要因も、急速に剥落しています。
後ろ盾の喪失: ロシアや中国の支援が以前ほど機能しておらず、外交的孤立が深まっています。
イスラエルの圧力: 外部からの軍事的・政治的圧力が、内政の混乱に拍車をかけています。
革命防衛隊(IRGC)の窮地: 政権の守護神であるIRGCの本部が攻撃対象となるなど、物理的な支配力が低下しています。
現在起きていることは、単なる「暴動」ではなく、1979年に始まったイスラム共和国という「実験」の終焉プロセスである可能性が高いです。
民衆が自発的に王政を「招く」という形での体制転換は、中東全体のパワーバランスを根底から覆すイベントです。
リスク管理者の視点で見れば、これは原油市場の供給体制や、中東における「反欧米」の軸が消滅することを意味し、極めて大きなマーケット・インパクト(テールリスク、あるいは巨大なチャンス)を孕んでいます。
現在のイラン情勢が日本市場、特にエネルギー関連株と為替(円)に与える影響
2026年1月現在の混乱は、短期的には「供給途絶リスク」によるボラティリティの上昇を招きますが、中長期的には「制裁解除と供給拡大」という劇的なパラダイムシフトを予感させます。
市場は現在「体制崩壊前の断末魔(地政学的リスク)」と「新体制による供給正常化(デフレ圧力)」の板挟み状態にあります。
革命防衛隊が生存をかけてホルムズ海峡の妨害に動く場合、原油価格には一時的に20〜30ドルの「地政学的リスクプレミアム」が上乗せされ、WTI原油は100ドルを突破する可能性があります。これは日本にとって最悪のコストプッシュ要因となります。
親米的な王政が復古し、西側諸国との関係が正常化すれば、イランの生産能力(日量約400万バレル規模)が世界市場に再統合されます。これは原油価格の長期的な下押し圧力となり、エネルギー価格の安定化に寄与します。
円の為替レートは、日本の「エネルギー輸入依存度」に強く規定されます。
原油価格が急騰すれば、日本の貿易赤字が拡大し、実需の円売り・ドル買いが加速します。地政学リスクによる「有事のドル買い」も相まって、一時的に160円台を伺う急激な円安のリスクを警戒すべきです。
イラン情勢が落ち着き、原油価格が60〜70ドル台に安定すれば、日本の交易条件が改善します。エネルギーコストの低下はインフレ圧力を和らげ、実質金利の観点から円が買い戻される「正常化の円高」のシナリオが浮上
1979年の革命が「オイルショック」を引き起こしたのに対し、2026年の革命は「オイル・アバンダンス(石油の充足)」をもたらす可能性があります。これは日本経済にとって、失われた30年を脱却する強力なマクロ的追い風になり得ます
A. デフレは円高につながったと考えられる*6。円高が進んだ時代は、消費者の海外製品に対する購買力が高く、また、ドル建てGDPが大きくなることで日本経済が国際経済の中で占める位置が相対的に高かったので往時を懐かしむ人もいるが*7、一方で輸出産業の海外移転が進むという副作用もあった。
製造業の海外移転が進んだことで円安に戻っても輸出が伸びず、また、現地生産の利便性が意識されることで国内に生産が戻る動きも乏しかった*8。その結果、東日本大震災(この時も円高が進んだ)を機に生じた貿易赤字が定着した。そのように貿易赤字が定着した上に、現地生産で得た利益はそのまま現地企業で保持する円に換える動きも乏しく、それが最近の円安を進めた、というのは唐鎌大輔氏などがつとに指摘していることである。
初心者向け
まず、アメリカとEUでも状況が違うのでこっちを先に理解する必要がある
アメリカとEUはコロナ後に極端な金のバラマキをしたためインフレになり、途中まで余裕ぶっこいてたが急に慌てて高金利政策を始めた
(日本は極端に金をばらまかなかったのでそうならなかった)
結果、欧米の金利差は小さかったたが、蓋を開けてみたら「強いドル高」になった
日本は大した利上げをしなかったので円は極端に売られた
それが2022〜2024年くらいまで
雰囲気が変わったのはトランプ政権になってからで、色々あってドルの求心力が落ちた
EUの方が利下げを急ピッチで行ったのに、ユーロ高ドル安となった
貴金属が上がってる理由の一つにもなっている(その前から上がってたけどね)
さて、一方で円だけど
2022〜2024年くらいまでは「金利差で円安」と言われていて
専門家は「いうて欧米も利下げしてくるはずなので、そのうち130円台くらいにはなるよ」と言っていた、俺も同意だった
他方で一部の専門家は
など、よくわからないことを言い始めた
この中で俺が支持してるのは「円キャリートレードのせい」「高市トレード」だけで他は妄言だと思ってるんだが
とりあえず言えることは「金利で動くフェーズはもう終わってる」ということなんだ
一旦、要因Xとしておくと
2025年で円は「要因Xで動く」になっている(Xの検証はしない、長くなるし結論も出ないから、金利じゃないということが重要)
これを裏付けるのが2つあって
この「余計に売られた」ってのはポイントで
一応「日銀がめちゃくちゃ利上げするリスク」というのも気にはしていたんだよね、だから金利が全く影響ないことはないんだけど
もう1つは、日米、日欧の金利差が2022年頃やそれ以前まで戻ってるのに、円安が維持されてること
金利ではもう動いていないことが分かる
※ちなみに、過去は金利差で為替がどのくらい動いていたかだけど
14年くらい為替見てきたけど、正直金利で動いてるイメージがなかったんだよね
なぜなら金利を動かすときってもっと重大なことが世界で起きてるんだよ、リーマンショックとか、ソッチのほうがでかすぎて金利は指標の一個くらいに見てた
じゃあ2026年以降はどうなるか?
・要因Xを打ち破るほどの利上げを日銀はしない
・欧米は、2026年の利下げペースを緩やかにする見通し(あるいは打ち止め)、ワンチャン利上げまである
・要因Xは解消する見通しがない
・為替介入と言う手段は残されているし、前の2回は効果があった(市場は警戒する)
だから、円安は少しずつ進行するが極端に行き過ぎると介入警戒で戻る、円高は望み薄
であってると思う
この見通しから外れるのが、「為替が動く理由が変わるくらいの何かが起きる」「世界同時株安」くらいだと思うんだけど
目下予想できる範疇でこれが起きるのは「AIバブル崩壊」くらいしかない
ちなみに細かい値動きレベルの話をすれば、むしろドル高、ユーロ安に転じるケースで動くんじゃないかと思う
悪いのは急激な動きであって、150円で当分固定されるならそれはそれで対応すれば良いんじゃねーの?と思う
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欧米の金利差は「表面上は小さく見えたが、実質差は大きかった」
くらいにすると誤解が減ります。
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1.日米の長期金利差(日本が低金利すぎる)が開いているので投機筋が大量に円を借り入れてドルに変えてる
2.アベノミクス(ETFで株価を政策的に底上げ、マイナス金利とYCCによる長短金利の低金利誘導)の金融緩和/量的緩和によって政策的に円安に誘導した後遺症
3.国内ITサービスが脆弱な為に恒常的なデジタル赤字になっている
ここほとんど間違い。
1.金利差は拡大すれば円安に働くが、金利差が大きくあること自体は金利平価説が示す通り円高要因。そしてそれを覆すほど大きなキャリートレードのポジション拡大は今は起きていない。
2.アベノミクスの時期は政策金利はゼロまたはマイナスという下限制約に引っ掛かっていた。つまり流動性の罠にあった。流動性の罠にある以上、金融政策は無効でETFを買ったところでその影響はほとんどなく、当然、円安にもならない。アベノミクス開始時点でPPPから大幅に円高乖離していたものが修正されるきっかけにはなったかも知れないがそれ以上の意味はない。
3.国際貿易で、特定の財サービスの収支と円高円安を結びつけるのはナンセンス。絶対優位ではなく比較優位によってその財サービスが貿易赤字となる財か貿易黒字となる財かが決まるのであるから、比較劣位しているデジタル産業での赤字を考える時にはペアとなる、つまり自国産業内での相対的な強みの程度が大きい産業での黒字と合わせて判断しなければならない。結局、一国全体合計の黒字赤字を見ることになるがそれは〇〇分野の黒字や赤字の積み上げで求まるものではなく、全体の黒字赤字は国内の貯蓄投資バランスから決まる。〇〇分野の黒字赤字は、その積み上げが全体に合うように調整されるものに過ぎない。
4.ここは唯一間違っていないが、ただその規模は開始時に考えられていたよりも今や萎みがちで推移していることには留意。
5.その国の通貨の価値≠その国の国力。たとえば韓国の日本と比較した成長力、実力はこの数十年高かったが、ウォンは日本と変わらないほどのPPPからのウォン安の状態が続いていたように、あるいはかつてバブルが崩壊し日本への期待感が剥落した時期に大きな円高が発生したように、為替は国力の類を表すような指標ではない。
右翼は軍事力が、左翼は憲法9条が戦争抑止になるとして永らく対立してきました。考え方の違いはあれど、戦争を回避したいのは左右とも同じはずです。
日本は台湾有事に備えて準備を進めてきましたが、それはシーレーン破壊時に持ち堪えるための準備です。開戦の準備ではありません。
ある国がどこかの国に侵略戦争を初めたとして、日本が参戦することはありません。日本は世界の警察ではありません。
ただし台湾に関しては、立地上、そしてアメリカとの関係上、必ず巻き込まれてしまいます。
まずは google map を開いてください。鹿児島から沖縄、そして台湾にかけて 点々と島が続いているのがわかると思います。ここは第一列島線と呼ばれ、中国および米国が防衛ラインとして設定する地域です。有事の際にはこれらの島は不沈空母として機能します。どれだけ叩かれても米軍が沖縄から出て行くことができないのはこれが理由です。
日本が準備していること:
先頭諸島(12万人)の避難計画が進められていますが輸送能力に限界があります。特に与那国島は絶対に間に合わないとされています。与那国島から台湾まで100km。これは東京から熱海くらいの距離です。
先島諸島から住民12万人避難の計画 台湾有事など念頭に政府公表:朝日新聞
戦争中、商船・貨物船は戦闘区域に近づけなくなります。特に中東~東南アジアからのエネルギー資源・物資輸送路が阻害されます。食べ物では小麦、飼料(トウモロコシ・大豆)が影響を受けます。
日本が準備していること:
長年 食料自給率を上げようとしていましたがうまくいきませんでした(38%)
とはいえ、国民にすぐさま餓死者が出るというわけではなく徐々に食糧価格が高騰していくという形で影響が出るようです。
台湾の半導体(TSMC)の市場シェアは70%、特に先端半導体は90%を占めます。台湾が封鎖されると世界中のあらゆる産業が影響を受けます。
日本が準備していること:
有事の際には米軍が戦い、自衛隊は後方支援に回るというのがこれまでの見立てだったと思います。ところがトランプ政権出現で何もわからなくなりました。
トランプ氏は中国について聞かれると「日本や韓国の方が悪い。貿易赤字が〜」と繰り返します。日本が同盟国であったことを忘れてしまったようです。台湾有事にも関与しないと言っています。また、沖縄から米軍を引き上げる、もっと金だせと主張しています。沖縄に米軍基地を置いた理由も忘れてしまったようです。
台湾が侵攻されても無視する可能性は大いにありそうです。その場合、半導体が手に入らなくなり米国IT企業やAIバブルが大変なことになりそうですがトランプ政権は全てバイデンのせいにしそうですね。
とにかくこれまでは日本は選択肢なくアメリカに従うのみだったのですが、アメリカがああなった以上先行き不透明。日本の立場もよくわからないというのが現状だと思います。
いや、そんなことはないだろ。
そのドルは現金で保有していても損なので保有者は投資先を求めることになる。
(AIバブルの一翼を担っている資金の一部とも言えるだろう。)
この米国の貿易赤字によりダブついた大量のドル、というものが米国にバブルや、リーマンショックのような経済危機を招き寄せる危険が常に付きまとうことになる。
元増田が書いているように、様々な予防策は取られているのかもしれないが、制度の抜け穴は常に存在する。
バグがないプログラムが存在しないように、抜け穴がない制度も存在しない。
極論を言うと、米国はバブル崩壊の危機にいつも直面しているとも言える。
きゃぴきゃぴしていたのはどうでもいいんだよ。
問題は中身の方だよ。
80兆円投資が確定し、コメも輸入して、飛行機も買って、防衛費増でアメリカから武器も買うわけでしょ。
あと、ノーベル平和賞にも推薦するんだっけ?
ノーベル平和賞推薦は世界中からバカにされて失笑されるだけで済むけど、
ただ、80兆円の投資はアメリカの電力インフラを強化してAIデータセンターを増やせるし、投資の一部は日本の上場会社に仕事が回ってくるので、一部業界には恩恵があり株は上がるだろう。
日本の投資でアメリカが強化され、それがAI利用料としてちゅうちゅうされてデジタル貿易赤字がさらに広がるというオチが待ってそう。まるで自ら墓穴を掘って死ぬみたいな。
80兆円投資の原資は為替介入するための外為から出すらしいからいますぐ影響はないけど、今後円安がガンガン進んだ時に、介入できる玉数がぐっと減るわけで。
20世紀に入って輸出メーカーだけが得するという構造もなくなってきてるで
貿易摩擦回避のために現地生産を進めてるからそもそもドル円為替は決算の名目上の数字以上の意味を持たない
むしろ国内生産向けに設備投資しようとしても資材高と電気代高騰で経営上のリスクになりつつあるのが最近の潮流や
これは資材に関税かけまくって設備投資が延期しまくってるアメリカを見ればわかりやすい
概していうとマクロで見れば円安は今や輸出産業にもメリットが薄く、むしろ貿易赤字国である日本にとって外貨流出となりさらなる円安要因となる
ミクロで見ると設備投資ができない、物価高で生活が苦しいといった感じやな
円安は簡単に誘導できるが、円高は誘導が難しいので円高誘導が間違いなく良手や