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【東京V×栃木SC】青森山田高出身のFWバスケス・バイロン。ついにJリーグデビューを果たす！ | | |　

■　J2の第2節

J2の第2節。開幕戦はアウェイで上位候補の長崎と対戦して1対1のドローに終わった東京ヴェルディはホームの味の素スタジアムで栃木SCと対戦した。東京Vにとってはホーム開幕戦になる。続投となった堀監督は就任して2年目のシーズンになる。一方の栃木SCは開幕戦はホームで秋田と対戦したが1対0で勝利。時崎監督は白星スタートを切った。新戦力のFWトカチのシュートから決勝ゴールが生まれた。

ホームの東京Vは「4-1-2-3」。GK高木和。DF山越康、馬場晴、谷口栄、深澤。MF山本理、石浦、梶川。FW新井瑞、佐藤凌、杉本竜。開幕戦からはDF平とFW小池純がスタメンから外れてDF谷口栄とFW新井瑞が起用された。国士舘大出身で大卒1年目のDF谷口栄はJリーグ初出場となる。東京Vの下部組織出身になる。「3トップの右」でプレーするドリブラーのFW新井瑞は今シーズンは10番を背負っている。

対するアウェイの栃木SCは「3-4-2-1」。GK川田。DF鈴木海、カルロス・グティエレス、大森渚。MF西谷優、佐藤祥、黒崎、森俊貴。FW小堀空、瀬沼、トカチ。左WBはMF福森健がメンバーから外れて10番のMF森俊貴がスタメンで起用された。「3バックの左」でプレーする大卒ルーキーのDF大森渚は東京Vユース。MF藤本寛やDF谷口栄などがユースの同期となる。弟のDF大森理はJ2のFC琉球に所属している。

■　東京Vが今シーズン初勝利を飾る。

試合はいきなり動いた。前半3分にCBのDF馬場晴が対角線にロングパスを出す。戻ってきた右WBのMF黒崎が頭でキーパーに返そうとしたがバックパスを抜け目なく狙っていたFW杉本竜がかっさらってシュート。東京Vが先制に成功する。開幕戦でもゴールを決めたFW杉本竜は2試合連続ゴールとなった。出鼻をくじかれた栃木SCは攻撃の中心であるFWトカチにボールを集めたが後半15分の決定機は生かせず。

この日の東京Vはビルドアップでやや苦戦。栃木SCの激しいプレスにハマって危険なエリアでボールを失うシーンが多かった。あまりいい流れではなかったが前半24分にCBのDF谷口栄の縦パスからFW佐藤凌が起点になってカウンター。MF石浦がスルーパスを出すとこぼれ球をMF梶川が決めて大きな追加点を奪った。栃木SCは前半28分にFWトカチにビッグチャンスが訪れたがシュートを決めることは出来なかった。

2点を追う展開になった栃木SCは後半14分にFW小堀空とFW瀬沼を下げてMF谷内田とFW宮崎鴻を投入。流れを変えたかったが後半17分にMF谷内田が放ったFKは壁に当たってしまう。余裕の展開になった東京Vは後半32分にもMF梶川のCKから途中出場した大卒ルーキーのFW河村慶が合わせてダメ押しの3点目を奪った。3対0で大勝した東京Vは今シーズン初勝利。敗れた栃木SCは1勝1敗となった。

■　青森山田高で活躍したFWバスケス・バイロン

東京Vは1勝1分け。いいスタートを切ったと言える。この日は大量3ゴールを奪ったが開始早々の前半3分に生まれたFW杉本竜のゴールで流れをつかむことに成功した。「MF黒崎のバックパスのミス」とも言えるがMF黒崎が周りを見渡した瞬間のFW杉本竜はかなり遠い位置にいた。足を止めることなくプレーを続けただけでなくMF黒崎がヘディングする少し前の瞬間からさらにスピードアップ。全力で走り出した。

最初の段階では「バックパスを狙っている。」という素振りは見せずに気配を消していざというときに加速してバックパスを狙った。最後のシュートも巧みだったがクレバーな守備であり、テクニカルなシュートだった。開幕戦でもゴールを決めているのでFW杉本竜は2試合連発。今シーズンは「3トップの左」で起用されているが好調を維持している。チームの2点目につながったシーンも彼の中盤でのつなぎが効いた。

今シーズンの東京Vは若いチームになっているが大卒ルーキーのDF谷口栄はいいデビューを飾った。2点目は彼の効果的なくさびのパスが全てのきっかけになった。181センチなので現代のCBとしてはやや小柄な部類に入るがフィードには相当に自信をもっている。CBはDFンドカ・ボニフェイスがいて、長身のDF佐古もいるのでなかなかの激戦区と言えるがユースの後輩のDF馬場晴との関係性は非常に良かった。

楽な展開になったので東京Vはいろいろなことを試すことが可能になったが青森山田高のときに活躍したチリ人のFWバスケス・バイロンは後半36分に登場。いきなりスピードに乗ったドリブルで右サイドを突破するなど15分ほどのプレー時間だったにも関わらずインパクトを残した。高校時代はMF檀崎(札幌)やDF三國ケネディエブス(栃木SC)と同学年だったがついにたどり着いたJリーグの舞台で見せ場を作った。

「3トップの右」で起用されたがこのポジションは2021年に17ゴールを挙げたエースのFW小池純がいてドリブラーのFW新井瑞がいる。ライバルは強力なので長い時間プレーするのは現状では難しいが結果を残して出場時間を増やしたい。青森山田高のときはキレ味鋭いドリブルと正確な左足のクロスがとにかく目立ったがいわきFCならびにウニベルシダ・カトリカ(チリの1部リーグ)でどこまで成長したのか？は興味深い。

■　新・エース候補のFWトカチは孤軍奮闘したが

栃木SCは試合を通して10本のシュートを放った。東京Vは9本のみだったのでシュート数では相手を上回ったが決定機はあまり作れず。完敗だったと言える。すでに触れた通りで前半は栃木SCの前からのプレスがまずまずハマった。FW瀬沼、FW小堀空、FWトカチの3人は守備での貢献度も高いので栃木SCの激しいプレスは東京Vの選手を困らせた。ただ、高い位置でボールを奪った後のプレーがやや不正確だった。

前半に何度かあったプレスをかけてボールを奪ったときにゴールを奪えていたら全く違った試合展開になったと思うがシュート精度を欠いた。開幕戦ではまずまずだったFW瀬沼、開幕戦ではいいプレーを見せた19歳FW小堀空の2人はこの日はイマイチ。なかなか攻撃に絡めなかった。新・エース候補のFWトカチは孤軍奮闘したが東京Vの選手に囲まれて自由を失う場面も何度かあった。孤立する場面は多かった。

バックパスから失った先制ゴールが栃木SCにとっては痛かったが「MF黒崎のミス」というよりは「相手のFW杉本竜の動きが巧みだったこと」がゴールになった最大の要因と言える。収穫の乏しい試合になったが途中出場したMF谷内田は何度か良さを出した。高卒3年目になるが体は大きくなっており、強さやタフさが出てきた。FW小堀空とのポジション争いになっているが「レギュラー奪取のチャンス」と言える。