■ 成績はあまり変わらず。東京Vは昨夏にホワイト監督が退いて永井秀樹監督が就任した。黄金期のV川崎で準・主力として活躍した選手をトップチームの監督に据えて立て直しを図ることになったが2019年の成績は20試合で7勝8敗5分けという成績だった。前任のホワイト監督は22試合で7勝7敗8分け。13位でバトンを受け取ったが最終順位は13位のまま。11位まで浮上した時期はあったが1桁順位まで浮上することは一度もなかった。
「監督交代が成功したのか?失敗したのか?は極めて微妙」という成績でシーズンを終えることになったが真価が問われるのは2020年である。オフにFW大久保、MF井出、DF福村、DF高橋祥、GKマテウスなどを獲得した。FWジャイルトン・パライバやMF内田達やGK上福元などが抜けてしまったがMF藤本寛やMF井上潮やMF森田晃やMF山本理などの期待の若手が残った上で先の選手たちを獲得することが出来た。
「オフの補強はまずまず良かった。」と言えるがキャンプ期間中の練習試合では全く結果が出ていない。キャンプ地である沖縄に移動する前にヴェルディグラウンドで行われた国士舘大との練習試合は1対0で勝利しているが沖縄キャンプでは8試合で0勝7敗1分け。2月7日(金)に行われたJ3の八戸との練習試合は1対1の引き分けだったので連敗はようやく止まったが「下のカテゴリーのクラブ相手の引き分け」である。
気になるのは失点の多さである。この時期の練習試合は「45分×2」ではないケースは多い。「45分×3」や「45分×4」になることも珍しくないが川崎Fを相手に9失点しており、FC東京戦も7失点している。浦和との試合は4失点だったが「4失点であればかなりマシ」と言えるほど大量失点で敗れる試合が目立った。川崎F戦は「45分×3」、FC東京戦は「45分×2」、浦和戦は「35分×2」という試合時間だった。
■ V川崎のOBは監督としてあまり成功していない。キャンプ期間中はいろいろなことを試す時期である。「この時期なので結果は二の次」と考えているクラブがほとんどだと思うがさすがにここまで結果が出ないと心配になる。東京Vのサポーターは不安に感じていると思うが永井秀樹監督は過去に何度も「黄金期のヴェルディは○○だった。」や「ラモスさんやカズさんは××だった。」などなど指摘される側の立場になって考えると決して嬉しくないフレーズを用いている。
黄金期のV川崎で活躍した選手は現役を引退した後、何人も指導者になっているが、ラモス監督しかり、柱谷哲二監督しかり、都並監督しかり、加藤久監督しかり、なかなか結果を残せていない。人材がそろっていて、資金力も豊富だったかつてのV川崎を基準に考えてしまうと選手の力などに物足りなさを感じると思うがそのことをストレートに選手に言ってもプラスよりもマイナスになることの方が多いだろう。
黄金期のV川崎で活躍した選手の多くが監督として成功できていないのは偶然のことではないと思うがこれまでの言動を見聞きすると永井秀樹監督には諸先輩と同様の危うさを感じる。当時のV川崎の選手はMFラモス瑠偉やFW三浦知やDF柱谷やMF北澤などを筆頭にプロ意識の高い選手が多くてチーム内の競争も極めて激しかったことは間違いないと思うが比較するにしてもうまく選手に伝えてあげないと逆効果である。
今キャンプ中は怪我で離脱する若手が目立っているが「ベテランと比べて若手は情けない。」という風なコメントも控えた方が無難である。永井秀樹監督から危ういコメントがたくさん聞こえてくるのは気になるが注目が集まる新加入のFW大久保の存在もクラブ内がぎくしゃくする要因になり得る。誰よりもJ1で多くのゴールを決めてきた選手になるが劇薬である。「空回りしてマイナスの存在になるケース」も多々ある。
■ 全体の空気が悪くなる。昨シーズンの磐田はJ1で最下位に終わった。FW大久保は20試合に出場して1ゴールのみ。トータルのプレー時間は951分だったので途中出場も多かったが精彩を欠いた。特に名波監督や鈴木秀人監督のときはフォワードの選手にうまくボールが入らずにチャンスの数も少なかったのでFW大久保はフラストレーションを溜めながらプレーすることになったがチームメイトに強い口調で要求するシーンは目立った。
これはFW大久保のスタイルである。磐田時代のみならず、C大阪のときも、神戸のときも、川崎Fのときも、FC東京のときも同じである。国見高のときもそうだったがうまくいなかったときに声を荒げて味方に文句を言ったり、ピッチ(芝生)を蹴り上げるような行為はあまりプラスにはならない。味方もプロ選手なので委縮をするわけではないが全体の空気は悪くなる。全体の空気が悪くなるといいプレーは出にくくなる。
中学や高校や大学などで部活(サッカーやバスケットやハンドボールなど)をしていた人は「思うようにパスが出てこなかったときに先輩などが味方(後輩など)に激怒してその場が一瞬で凍り付く。」という経験をたくさんしているだろう。意図が合わなかったときに味方に要求することは決して悪くない。むしろ、絶対に行わないといけない行為になるが「(激怒するのではなくて)もっとベターなやり方はある。」と思う。
川崎F時代のように「文句なしの結果を残しているとき」であれば周りに対して怒鳴り散らしたとしても大目に見てもらえるが昨シーズンのような成績だと説得力はない。今シーズンの東京VはMF山本理やMF森田晃やMF藤田譲瑠チマなどの若手が結構な出場機会を得ることになると思うが若手とFW大久保の間に入ってFW大久保をコントロールできる中堅世代の選手が出てこないと難しいことになりそうだ。
→ 2020/02/05 【J2】 今オフの移籍市場の「勝ち組」と「負け組」はどこだろうか? (2019年-2020年オフ) (上)
→ 2020/02/05 【J2】 今オフの移籍市場の「勝ち組」と「負け組」はどこだろうか? (2019年-2020年オフ) (中)
→ 2020/02/05 【J2】 今オフの移籍市場の「勝ち組」と「負け組」はどこだろうか? (2019年-2020年オフ) (下)
★ 現在の投票数 → 644票
→ 最大で20チームまで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2020/01/25 【J2】 今オフの「高評価できる!!!」と思った選手補強のベスト50 (41位~50位まで)
2020/01/25 【J2】 今オフの「高評価できる!!!」と思った選手補強のベスト50 (31位~40位まで)
2020/01/26 【J2】 今オフの「高評価できる!!!」と思った選手補強のベスト50 (21位~30位まで)
2020/01/26 【J2】 今オフの「高評価できる!!!」と思った選手補強のベスト50 (11位~20位まで)
2020/01/27 【J2】 今オフの「高評価できる!!!」と思った選手補強のベスト50 (01位~10位まで)
2020/01/07 【J1】 順位予想バトル 2020年版 受付開始 (現在の参加者:171名)
2020/01/08 【J2】 順位予想バトル 2020年版 受付開始 (現在の参加者:100名)
2020/01/18 【J3】 順位予想バトル 2020年版 受付開始 (現在の参加者:23名)
- 関連記事
-