■ 連敗を阻止したい東京V優勝候補の筆頭といわれながら、現在、5連敗中の東京Vが、アウェーでサガン鳥栖と対戦した、J2の第12節。
東京Vは、<4-4-2>。これまで、左サイドバックに入っていた服部をボランチで起用し、左サイドバックに菅原を起用。さらに、怪我の名波に代わって、金澤がスタメン。2トップは、フッキと船越。
対する鳥栖は、好調の藤田とレオナルドの2トップ。
試合は、前半から東京Vが押し気味に展開するが、前半37分、ロングボールへの処理に手間取ったところを、鳥栖のFW藤田に鮮やかなループシュートを決められて先制を許す。
後半開始から、東京Vは、MFディエゴとFW船越に代えて、MF永井とFW飯尾を投入。すると、後半開始直後、永井が左サイドを突破し、ゴール前のMF金澤に素晴らしいパスを送ると、そのパスを金澤が冷静に流し込んで、同点に追いつく。
ホームの鳥栖はもちろん、連敗を止めたい東京Vも勝ち越し点を狙って、攻め続ける。その状況で勝ち越しゴールを奪ったのは、鳥栖のMF廣瀬。FW藤田のシュートのこぼれ球を拾うと、相手DFを外して、ミドルシュート。結局、このゴールが決勝点となった。
■ 変化が必要敗れた東京Vだが、この試合の内容は、それほど悪くなかった。スタメンで起用された金澤のフリーランニングが効果的で、途中出場のベテランMF永井も好調を維持しており、非常にいいプレーを見せた。
鳥栖は、昨シーズンJ2で4位のチームで、今シーズンは開幕から調子が出ていないとはいえ、強敵であることに変わりない。したがって、鳥栖スタジアムで東京Vが敗れたとしても、全く不思議なことではない。
ただ、これだけのメンバーを揃えていることを考えると、やはり6連敗は、大きな問題であり、何かを変えないといけない時期に入ってきている。
J2の難しさは、日程が過密なため、一度、歯車が狂うと、簡単には修正できない点にある。だから、ショッキングな負け方をしたとしても、冷静に次の試合に臨む強い精神力が求められるが、東京Vは、首脳陣も選手も、ナイーブ過ぎたといえるかもしれない。
■ 鳥栖のFW藤田鳥栖は、前半はパスミスが多く、それほど良くなかったが、後半は、らしいサッカーを見せた。全体的に良かったが、その中でも、FW藤田のプレーが目を引いた。
大エースだった、FW新居が千葉に移籍し、レギュラー格だったFW鈴木も解雇し、前線のパワー不足が心配されていたが、この試合の先制ゴールを含めると、9試合で5得点と、ストライカーとして十分な働きを見せている。
光るのは、185cmという体格を生かした空中戦のみならず、豊富な運動量で前後左右に動いて、前線で奮闘した。
■ 大黒柱・高橋鳥栖の大黒柱といえる、五輪代表候補の高橋義希は、この試合でも、安定したパフォーマンスを見せた。特に、試合終盤の苦しい時間帯に、積極的に前線に飛び出してボールを受けようとしていた場面などは、高く評価できる。
新しい武器になりつつある直接FKは、この試合も、クロスバーにはじかれてゴールはならなかったが、威力は十分。攻守とも、1試合ごとに力をつけている印象を受ける
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