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【移籍市場】 2018年-2019年オフの補強ポイントについて考える。 (グルージャ盛岡編) | | |　

グルージャ盛岡

→　V川崎で活躍した菊池利三監督が就任して2年目となる盛岡は前年の15位からの巻き返しを図ったが27節を終えた時点で9勝13敗4分けで勝ち点「31」。10位に位置する。中位グループは大混戦なので1桁順位も十分に可能と言えるが、その一方で16位まで落ちる可能性もある。2014年から5位→11位→13位→15位と3年連続で前年比で順位を落としているが、今シーズンこそ、不名誉な記録をストップさせたい。

前評判はあまり高くなかったことを考えるとこの時点での10位というのは評価できるが若手の頑張りが目立つシーズンになっている。元日本代表のMF宮市亮(ザンクトパウリ)の弟であるFW宮市剛はJ1の湘南からの期限付き移籍になるがついにプチブレイクを果たした。チーム内で3番目となる出場時間(分)を得ており、25試合で3ゴール6アシスト。185センチのサイズと身体能力を試合の中で生かせる様になってきた。

大卒ルーキーのMF谷口海の活躍は盛岡のみならず、J3全体を考えても最大級のサプライズと言える。岐阜経済大から盛岡に入団したが18試合で11ゴール1アシスト。ハイペースでゴールを積み上げている。器用な選手ではないがしっかりと点の取れるスポットに侵入することができる。盛岡への入団が決まった時もほとんど注目されなかったが「J3でプレーする選手の中では最も注目される選手の1人」になっている。

今年の5月に加入したMF小谷光の頑張りも目立つ。G大阪ユース出身でDF西野(G大阪)などが同期になるが明治大を卒業してドイツに渡った。盛岡でJリーガーになることができたが的確にボールを繋ぐことが出来るし、気の利いた守備をすることも出来る。ボランチの位置で起用されているがすぐにチームにフィットして欠かせない選手になった。ドイツでは4部リーグや5部リーグでプレーしていたという。

J2の大宮から期限付き移籍のFW藤沼も24試合で6ゴール。飛躍のシーズンになっている。同じく大宮からの期限付き移籍となるMF山田陸も15試合に出場するなどJ3で試合経験を積んでいる。さらに25才のMF白石が21試合で3ゴール3アシスト。チャンスメーカーとして大きな存在感を発揮している。ここまでに名前を挙げた選手は全て新加入選手なので補強がうまくいったことが10位という結果につながっている。

期限付き移籍となるFW宮市剛、FW藤沼、MF山田陸あたりを引き止めることが出来るのか？はまず最初の注目点になるが、光るプレーを見せた選手や能力的に高い選手や一芸に秀でた選手が意外と多いので、在籍選手がJ2の中規模以下のクラブやJ3の上位クラブに狙われる可能性がある。クラブ規模を考えると流出をゼロにするのは不可能に近いが、出来る限り、流出を少なくしたいのは言うまでもない話である。

11ゴールのMF谷口海、守備の要になったDF福田友、攻守両面でチームに貢献できるタイプのMF小谷光あたりが、今オフ、他クラブのターゲットになるのは間違いないと思うが、オフの補強に関しては例年通りで「主力の引き止め作業」と「流出した選手の穴埋め作業」の2つがメインになるだろう。そして、並行してJ1やJ2のクラブで出場機会に恵まれない有望な若手を期限付き移籍で借りる話も進めないといけない。

失点数がJ3最多なので優先補強ポイントは守備的なポジションになるが、特にセットプレーからの失点が非常に多くなっている。「高さのある選手」を積極的に獲得したい。昨オフは大阪体育大のDF太田賢を獲得しているが右SB/WBの選手でありながら181センチの長身。(基本的には小柄な選手が多い)SBやアタッカーのポジションの選手で長身プレーヤーを獲得できると選手起用や戦略の幅は確実に広がる。

ここ最近はMF菅本やMF白石といった2列目系の選手を左右のWBの位置で起用しているが、4バックを採用するのであればSBの専門家が必要になる。右SBはDF太田賢とDF鈴木達がいるので、むしろ、ストロングポイントの1つになるが、左SBは適任者がほぼいない状態である。菊池監督が続投するのか？否か？は分からないが、左SBのポジションを安心して任せられる選手がいないと4バックは採用しにくくなる。