川崎フロンターレ→ チームの礎を築いた風間監督が勇退して新しい時代に突入した川崎Fは鬼木監督が就任した。「好成績を残したカリスマ性のある監督の後釜」というのは大きなプレッシャーになるがACLでは見事にベスト8進出を決めた。一方、J1のリーグ戦では(ACLの日程の関係で1試合消化が少ない中で)9位。13試合で6勝3敗4分けで勝ち点「22」を挙げている。3位のG大阪との差は「3」。悪くない位置に付けている。
ここまで13試合で19得点/13失点。C大阪→G大阪に次いで失点数はリーグ3位タイなのでGKチョン・ソンリョンを中心とした守備陣は頑張っている。得点数は浦和→G大阪→C大阪→柏→FC東京に次いで6番目。得点力が不足しているわけではないが攻撃陣の顔ぶれを考えるとやや物足りない数字である。表1のとおり、「1試合平均の得点数」は例年と比べるとかなり少なくなっている。攻撃陣は爆発しきれていない。
爆発しきれていない大きな原因と言えるのは怪我人の多さである。MF家長、DFエウシーニョ、DFエドゥアルド、DF舞行龍ジェームズなどが長期離脱を経験しており、リオ五輪代表のMF大島僚は8試合の出場にとどまっている。13試合全てに出場しているのはGKチョン・ソンリョン、DF谷口彰、DF車屋、FW小林悠の4人だけ。大黒柱のMF中村憲も腰痛を抱えており、いつ悪化しても不思議はない状況になっている。
怪我といって理由や原因は様々である。川崎Fほどの規模の大きなクラブで「医療設備やメディカルスタッフの能力が他のクラブと比較して著しく低い。」というのは考えにくい話である。ショートパス主体のサッカーなので相手チームの選手と接触する機会が非常に多いので怪我をする可能性も高くなると考えられる。2016年の接触数はJ1平均は22,070回だったが川崎Fは28,640回。これはリーグ1位となる。
表1. 川崎Fの1試合平均の得点数 (2012年~2017年まで)
年度 | 試合数 | 得点数 | 1試合平均 |
2012年 | 34 | 51 | 1.50 |
2013年 | 34 | 65 | 1.91 |
2014年 | 34 | 56 | 1.65 |
2015年 | 34 | 62 | 1.82 |
2016年 | 34 | 68 | 2.00 |
2017年 | 13 | 19 | 1.46 |