■ 6連敗中三浦監督が就任して3試合で2勝1分け。一気に残留争いから抜け出したヴィッセル神戸。対するは6連敗中の浦和レッズ。対照的な両チームの対戦となった。
ホームの神戸は<4-2-2-2>。GK榎本。DF石櫃、河本、北本、松岡。。MF金南一、宮本、朴、ボッティ。FW大久保、吉田。
対するアウェーの浦和は<4-2-2-2>。GK都築。DF山田暢、坪井、阿部、平川。MF鈴木、細貝、エスクデロ、原口。FWエジミウソン、高原。
■ 河本の決勝ゴール試合は開始直後に神戸が先制。奪ったボールをシンプルにつないで、最後はFW吉田が抜け出してゴール。さらに、前半29分にも左サイドに流れたMFボッティのクロスをFW吉田が決めて追加点。FW吉田は今季通算で5ゴール。
2点ビハインドになった浦和は前半41分にMFエスクデロの突破から1点を返すと、さらに後半12分にFW高原のヘッドで同点に追い付く。FW高原は4ゴール目。
しかし、神戸は後半16分にMFボッティのコーナーキックからDF河本が決めて勝ち越しに成功。3対2で神戸が勝利し、3連勝。11位に浮上した。
■ 三浦マジック神戸は3連勝。三浦監督になって4試合目になって初めて失点を喫したが、追いつかれてからも慌てずにDF河本が決勝ゴール。メンバーがほとんど変わっていない中で、これだけ成績を上昇させるのは驚きである。
三浦監督というとしっかりと中盤でゾーンを作って粘り強く守り勝つのがスタイルであるが、今の神戸で見せているサッカーは決して守備的とは表現できない。FW吉田やMF朴といった運動量のあるクレバーなタイプの選手が攻撃的なポジションに控えているのは大きく、大宮時代や札幌時代のサッカーとは一味も二味も違っている。
もちろん、昨シーズンまでの松田監督が見せていたサッカーと比較的、スタイルが似ていることも功を奏しているが、三浦監督なりに札幌時代を整理して、新しい気持ちで監督業に臨めているのだろう。シーズン当初から指揮をとっていたらどうなっていたかは分からないが、監督として1つステップアップしたような感じは受ける。
■ 失意の7連敗対する浦和はリーグ戦7連敗。MFポンテとDF闘莉王を欠いた状況で2点ビハインドを追いついたが、勝ち越しゴールには結びつけることは出来なかった。
MF山田直を除くと、特に大きな怪我人は出ておらず、メンバーは揃っているようにみえるが、ほとんどの選手がコンディションを落としていて、自信も失っている。連敗が続いているので仕方ないとはいえ、チーム内には停滞ムードが漂う。
次節はホームで山形との対戦。山形もそれほど調子が良くなく、敵地の大観衆の前でプレッシャーもかかるはず。この試合に勝てないようだと、我慢の限界を超えるだろう。
■ フィンケサッカー今シーズン、浦和の監督に就任したフィンケ監督は、ドイツのフライブルクの監督を16年間、務めた経験を持つが、トップリーグで指揮を執った経験はフライブルク時代しかない。フライブルクというとブンデスリーガの中でもトップクラスのチームとは言えず、ほとんどのシーズンでまずは1部に残留することを目標に戦っていくチームであり、浦和レッズのチーム事情とは異なる。果たして浦和というクラブに適した監督だったのか、というのは改めて考えてみる必要がある。
シーズン当初のサッカーは、昨シーズンまでの重たいサッカーとは異なっていて、非常にいい流れでシーズン中盤を迎えていたが、ここに来て、一気に失速した。
確かに、選手達のコンディションは良くないが、フィンケ監督の目指すサッカーが全くできていないかというとそうではなく、ボールはそれなりに回っていて、1点目のMFエスクデロのゴールはうまく中盤で連携して奪ったファインゴールであった。ただ、それなりにフィンケ監督の目指すサッカーが実現出来ているからこそ、余計に事態は深刻であるように感じる。
不本意だった2008年シーズンを終えて、ドイツからフィンケ監督を迎え入れた浦和レッズ。チームをダイナミックに改革するために呼ばれた救世主のはずであり、フィンケ監督の目指すサッカースタイルは正しいものとして、シーズン当初からサポーターも選手も信じてついてきたが、これだけ結果が出ないと立場は苦しくなる。
フィンケ監督と浦和レッズの目指すサッカースタイルは魅力的ではあるが、これ以上に成熟させることが出来るのか、フィンケ監督にその能力があるのか、リーグ制覇やアジア制覇を目指すクラブの指揮官にふさわしい監督なのか、もう一度、考えてみる必要はあるだろう。
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