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【浦和×横浜FM】大きな戦力になりそうなU-23豪州代表のDFトーマス・デン | | |　

■　J1のがいよいよ再開

新型コロナの影響で中断していたJ1が7月4日(土)についに再開した。「3年計画」でチームを立て直すことを決断した浦和レッズはホームの埼玉スタジアム2002でJ1王者の横浜FMと対戦した。浦和は開幕戦はアウェイで湘南と対戦して3対2の逆転勝利を飾った。横浜FMは同じくホームでG大阪と対戦したがミス絡みで2失点。後半にMFマルコス・ジュニオールのゴールで1点を返したが黒星スタートとなった。

ホームの浦和は「4-2-2-2」。GK西川。DF橋岡、トーマス・デン、岩波、山中。MF柴戸、青木拓、長澤、汰木。FW杉本健、興梠。開幕戦でゴールを決めたFWレオナルドはベンチ外。スタンド観戦となった。FW杉本健が2トップの一角で起用された。右SHはMF長澤、左SHはMF汰木がスタメン出場。MF関根貴とMFマルティノスはベンチスタートとなった。加入して2年目のMF汰木は横浜FMユース出身となる。

対するアウェイの横浜FMは「4-2-1-3」。GK梶川。DF小池龍、實藤、畠中、ティーラトン。MF喜田拓、扇原、天野純。FW仲川、エリキ、遠藤渓。怪我の影響でブラジルに一時帰国していたDFチアゴ・マルチンスはベンチスタート。中断期間中に福岡から獲得したDF實藤がスタメンで起用された。「経営破綻をした。」と報じられたロケレンから加入したMF天野純とDF小池龍はいずれもスタメン出場となった。

■　再開初戦はスコアレスドロー

試合はほぼ互角の展開で進んでいく。入念に準備を重ねてきた浦和は高い位置からプレスをかけていい形でボールを奪うシーンが多かった。前半6分には左SHのMF汰木が得意のエリアから右足でシュートを放ったがGK梶川が何とか防いだ。横浜FMは前半43分に右SBのDF小池龍の絶妙なスルーパスを受けたFWエリキが抜け出して決定機を迎えたが左足で放ったシュートは枠に飛ばすことはできなかった。

前半終了間際にDF實藤がハムストリングを痛めて交代となるアクシデントが発生。DFチアゴ・マルチンスが投入された。0対0で迎えた後半はどちらかというと横浜FMペースになった。ベンチスタートとなったMFマルコス・ジュニオールとFWエジガル・ジュニオを投入。後半30分を過ぎると持ち前のスピードを生かした攻撃で何度も浦和ゴールに迫った。FWエリキには試合を通して3度ほど大きなチャンスがあった。

後半50分にはFWエジガル・ジュニオが素晴らしいボールコントロールから決定的なシュートを放ったがGK西川がビッグセーブで防いだ。GK西川はたくさんの好セーブを見せてクリーンシート達成に大きく貢献した。試合はそのまま0対0で終了。浦和は1勝1分け、横浜FMは1敗1分けとなった。Jリーグ王者の横浜FMは2試合勝ちなしからのスタートになった。次の3節はホームの湘南戦。神奈川ダービーとなる。

■　スピードとフィード力のあるDFトーマス・デン

3年計画の1年目となる浦和は「4-2-2-2」を採用。新しいサッカーに取り組んでいる。ペトロヴィッチ監督の時に主力だった選手でスタメン起用されたのはGK西川、MF青木拓、FW興梠の3人くらい。DF槙野、DF宇賀神、MF阿部勇、MF柏木、MF武藤雄などはスタメンから外れた。25歳前後の選手がたくさんスタメンで起用されたのでフレッシュなメンバー構成になったが「横浜FM相手のドロー」というのは悪くない。

FW興梠とFW杉本健の2トップが献身的に前からプレスをかけて中盤の底でボランチのMF柴戸がボールを奪取する場面が多かった。MF柴戸は大卒3年目。2018年は9試合、2020年は20試合に出場しているが、このサッカーを継続するのであれば彼の運動量の多さやボール奪取力は今シーズンの浦和の大きな武器になるだろう。右SHのMF長澤も守備力の高い選手なので「浦和の中盤の守備は堅かった。」と言える。

注目の新戦力のDFトーマス・デンは開幕戦ではベンチ外だったのでJ1初出場となったがポジティブな印象を残した。ケニア出身で身長は182センチ。U-23オーストラリア代表の中心として2020年1月に行われたU-23アジア選手権でも活躍したがスピードがあって身体能力は高い。右SBのDF橋岡とカタログスペックはよく似ているがスピードがあってフィード力の高いCBが加わったことで浦和の守備は強固になった。

2トップのボールのおさまり具合はまずまず良かったが「4-2-2-2」で点を取るためにはサイドハーフの頑張りが必要である。MF長澤は攻守に貢献して、MF汰木は持ち味であるドリブルとシュートで存在感を発揮したが、途中出場したMF関根貴とMFマルティノスがブレーキになった。特にMF関根貴は判断が遅くて中途半端なプレーが目立った。著しく精彩を欠いた。サイドハーフの選手が活躍しないとチャンスは作れない。

■　すぐに横浜FMのサッカーにフィット！？

J1連覇を目指す横浜FMはACLでは結果を残しているがゼロックスは神戸を相手にPK負け。J1の開幕戦もホームでG大阪に敗れたので国内のクラブ相手に結果が出ていない。チャンスは作れているが相手は横浜FMのサッカーを相当に研究してくるので昨シーズンのようにはいかない。開幕戦で戦ったG大阪も激しいプレスをかけてきたが浦和も同様だった。ビルドアップのミスからピンチを招く場面はいくつか見られた。

復帰明けのDFチアゴ・マルチンスではなくてDF實藤が抜擢されたが前半の終了間際にハムストリングを痛めて途中交代となった。やや手薄なCBを強化するために3月末に福岡から獲得したが179センチとサイズのある選手ではないので187センチのFW杉本健とのマッチアップは劣勢だった。DF伊藤槙やDF山本義と「3番手のCBの座」を争うことになるが肉離れとなると1か月から1か月半ほどはプレーできないと思われる。

手痛い離脱になるが横浜FMでの初出場となった右SBのDF小池龍は随所に持ち味を発揮した。DF広瀬陸はオフに鹿島に移籍したがDF松原健がいて、DF和田拓がいて、DF前貴之もいる。右SBでプレーできる選手はたくさんいるがすぐに横浜FMのサッカーに馴染んでスタメンのチャンスを得た。スピードがあってビルドアップ能力が高くてスルーパスも出せる選手なので「横浜FMのサッカーに合った右SB」と言える。

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