TPPA文書公開を要求する署名公開質問状
以下は、ニュージーランドの団体のweb翻訳記事
月曜日に始まるチリでの交渉を前に2月10日水曜午後5時公開質問状への署名締め切り。
‘TPPA文書を公開せよ’署名公開質問状
2011年2月10日
ニュージーランド首相、ジョン・キー閣下
ニュージーランドの選挙で選ばれた代表者、貴政府は、あなたがたが交渉されている環太平洋戦略的経済連携協定(TPPA)は、21世紀の貿易協定になるだろうと言っています。
我々にとって、21世紀の条約は、今後90年間にわたる我々の生活、地域社会、そして地球を形作るための様々な課題に対応するものでなければなりません。気候変動、金融不安、先住民の権利、食糧主権、エネルギー不足、世界的流行病、不安定、不平等と貧困や、企業の強欲に対する制約。
ところが、提案されているTPPAは、国境を越え、ニュージーランドに奥深く押し入り、金融規制を制限し、外国投資家に対し、新たな権利を認めるだけでなく、医療、エネルギー、天然資源や文化等が、どのように規制されるのか、我々の税金がどのように使われるのか、どのような食品安全や標示が認可されるのか、医薬品が無理なく買える価格のままでありつづけるのかどうか、等々までも制限するものだと我々は理解しています。
あなたが提案されていることと、交渉のやり方は、非民主的で偽善的です。
第一に、TPPAは、ニュージーランドの国内政策や法律を今後何十年も拘束します。将来選出された政権が異なる要求を持っていたり、新たな現実に直面したりした場合でも、両手を縛られたままになるのです。
第二に、条約の下でのニュージーランドの義務は、ニュージーランドの国内裁判所ではなく、国際裁判所によって、強制されます。この条約にを遵守しそこねた場合には、少なくとも、政府は貿易経済制裁に直面します。そして、最悪の場合、外国人投資家は、彼等の新しい特権を執行するため、秘密の国際裁判所に政府を訴えることができます。
第三に、ワイタンギ条約の下で、あなたが、マオリ人には拒否している、権利保障と強制力を外国人投資家に与える貿易条約を、あなたは提案しています。
第四に、あなたは、こうした交渉を秘密裏に行っていますが、これが新規の国内法であれば、国民や国会議員は、決して許容しないことです。より透明なTPPAプロセスによってこそ、過誤に対する何らかの基本的予防策が実現し、交渉担当者や政府では気がつかない可能性のあるリスクが識別できるでしょう。そうすることで、TPPAは、特別な利益団体や多国籍企業が、利益や特権を得る過去の貿易協定モデルを、本当に置き換わえるものであると、国民を説得するのにも役立つでしょう。
透明性を高めたら、交渉が台無しになってしまうだろうという口実は、あなたの提案は精査という日の光には耐えられないという思い込みが前提にあるのです。透明性の拠点という名声とは縁遠い世界貿易機関(WTO)ですら、各国文書や交渉文章を、精査の為に、彼らのウェブサイトに投稿しています。もし政治家と交渉担当者が、しっかりした、開かれた、情報に基づいた議論を通して、国民を説得できないのであれば、ニュージーランド国民の名において提案しておられるものについて、交渉を進めるべきではありません。
ニュージーランド政府のウェブサイトに、TPPA交渉で、政府が提案する全ての文書を、同時に公開するとニュージーランド政府が約束し、また2011年2月のチリにおける来るべき交渉で、他のあらゆるTPPA交渉参加国に下記を提案し、参加諸国が共同でこれらに同意することを、最低限のこととして、我々は要求します。
1. 政府も市民社会も、情報を投稿し、対話と議論に、平等な立場で参加できる公共ウェブサイトを立ち上げ、維持すること。
2. 各章の草稿文書を、完成された時点で投稿して、専門家と公開審査に対し公開すること。世界的金融危機を考えれば、ふさわしい出発点は、2010年12月オークランド・ラウンドでまとめられた、投資と金融サービスに関わる文章です。
3. 交渉の間に提出される特定の主題に関わる諸国の政策方針書の投稿。
4. 今日までTPPA推進派の企業ロビイスト団体が享受している特権的な扱いを止め、提案されている協定を支持している側か、批判的な側なのかに関わらず、あらゆる市民社会が、情報を、等しく入手でき、プロセスに関与できるという保障。
そのような透明性に同意できず、開かれた論議を認められないのであれれば、TPPA交渉プロセスの信用は、更に損なわれます。そういう態度は、交渉文書から、民主主義的な正当性と、21世紀に機能するため必要な、国民と国会議員の快諾を奪うことになります。
記事原文のurl:tppwatch.org/what-is-tppa/release-the-text/
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鞄の中にいれたまま読まずにいた『世界』2011年1月号を見つけてびっくり。
特集 原子力復興という危険な夢 (読みごたえがある。)
そして、「浮足立つ民主党政権にTPP協議をまかせられるか」田代洋一 79ページ
「こういう状態なので、TPP参加検討は無期延期させて頂きたい」と宗主国に言うべきだろう。
で、今回の問題に関する田中三彦氏、石橋克彦氏のコメントが読める。
不思議なことに、元々石橋克彦氏のコメントが載った毎日新聞ウェブ、コメントが読めなくなっている。北朝鮮に決して負けない素晴らしい言論統制。
「原発は安全だ」と言い続けてきた御用学者連中、高級官僚、業界幹部の声を、その理論が破綻した今もマスコミは垂れ流す。「敗軍の将兵を語る」欠陥商品押し売り。その背後には、地球温暖化説なるものによって、原発商売を企む宗主国がいるだろう。
原子力安全・保安院、原子力完全不安院に聞こえてならない。
体制・大勢の圧力にもめげず「原発は危険だ」と主張し続けてこられた石橋克彦氏の発言をとりあげるマスコミ、一局としてない。それは国策上、許されないのだ。
そうした見解が一般的になれば、国内では、これ以上原発をつくれないだけでなく、浜岡原発のように、即時停止を要求される原発が増えるだろう。そして、なにより「原発の世界輸出」という宗主国・属国政府・業界の夢が崩壊してしまうのだ。
どこかのアナウンサー「正しい政府発表、マスコミ報道を信じてください」というような発言をしていた(「不安を煽る素人ブログなど信じるな」というニュアンスを感じた。)
誰でも「正しい政府発表、マスコミ報道を信じたい」。論理的・合理的であれば。
東電や枝野官房長官発表、典型的な「知らしめず、寄らしめよ。」
少ない、遅い、わかりにくい情報。対策は後手後手で、公式発表では触れたがらない悪い方にばかり進展していては、信じろというほうが無理だろう。
無茶な戦争を始め(始めさせられ?)、国体護持?のため、降伏を延々引き延ばし、人体実験原爆まで落とされ、国民を犠牲にした大日本帝国から教訓を学んだのか?政府、官庁、メーカー、学者の面子護持のため、国民を犠牲にする失敗を繰り返すのか?今回は、天皇のお言葉ではなく、宗主国の命令で。
戦争末期、日本軍は、「敗退・撤退」ではなく、「転進」を続けていた。
福島原発関係者は、「避難」ではなく、「移動」を開始した。
ニューヨーク・タイムズは、米空母ロナルド・レーガンからトモダチ作戦で、食料を空輸したヘリコプター乗員が被爆したと報じている。いまは、ロナルド・レーガン、そうした危険のない海域で待機している。
ヘリコプターから、乗員が、救援物資を、さも貴重品のように抱えて運んでいる映像を見て、イラク、サマワの給水を連想した。水を配給したり、道路工事をするのであれば、軍隊が出てゆく必要皆無だろう。サマワの水のコスト、NGOに手配依頼するより、三桁?高い水になっているという記事を読んだ記憶がある。
トモダチ作戦、ヘリ乗員米兵が大切そうにかかえていた食料、米空母ロナルド・レーガンの運用経費を考えれば、例えば1万円の乾パン!になってしまうのではなかろうか?
本当に日本を思うトモダチであれば、無理やり買わせた米国債、「どうぞ一部を売り払って、対策費用を工面してください。」というのが筋だろ。「TPP押しつけはやめます」というはずだ。もう、金輪際、思いやり予算みかじめ料はむしりません、というはずだ。空母はいらないが復興資金はいる。在日米人救助の為にやってきた、というのであれば理解できるけれども。
そうでなければ、結局は、毎回しつこく繰り返し書いている「宗主国・属国」関係の証明、ワニの涙。有意義な意味のない洗脳パフォーマンス・報道は止めて欲しい。
ustream記者会見で拝見した元原子炉格納容器設計者、後藤政志氏こそ脚光を浴びるべきだろう。WikiLeaksのアサンジュでなく。東電、官房長官、御用原子力学者の発表・説明と実に対照的。彼の説明、遥かに真摯。毎回の通訳の素晴らしさ。
無知な小生、自分や同胞の不幸を望んで悲観的記事を書いているわけではない。「素人の懸念、とんでもない妄想だった」と笑われたいものだ。
これから、4号炉が大問題になるだろう。津波で住めなくなった地域に、さらに、広大な汚染地区が加わる。チェルノブィリ原発事故の汚染地区の現在を想像されたい。原子力発電を推進した皆様全員に、是非、消火活動なり、なんなりに従事していただこう。自分でできないことを人にさせてはいけない。「自己責任」
東京電力のウエブに、「環境放射線データの公開」というモニタリング・ポストのページがある。福島第一原発と福島第ニ原発のそれは、「調整中」とある。調整中?柏崎刈羽原発のものには数値がある。そして一番?関心がある東京の電力館、何と「調整中」とある。素晴らしい広報活動は感涙ものだ。
「この期に及んで、原発推進を言い続けられる方々の論理」素人にはわからない。
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