福島原発の水の海中放水を検査するIAEA
2022年2月25日
ウラジーミル・ダニーロフ
New Eastern Outlook
破壊した福島第一原子力発電所からの化学的処理されたが、依然放射能を含む水の放水の準備段階は、日本の近隣諸国の多くから、またしても注目を集めている。
日本当局は10年以上続く廃止プロセスを推進するため、昨年4月、福島の水を放出すると決定した。読者は思い出すかもしれないが、2011年、マグニチュード9.0の大規模地震が日本の北東海岸沿いに、18,000人以上の人々が亡くなった巨大津波を引き起こした。津波は、福島第一原子力発電所に激突し、バックアップ電力供給を破壊し、原子炉3基の炉心溶融をもたらし、大気中に大量の放射能を放出した。150,000人以上の人々が彼らの家からの退去を強いられた。原発に最も近い共同体の避難命令が最近やっと部分的に解除された。
原子力発電所大惨事のほぼ直後、政府と発電所を運用している企業東京電力にとって、放射能汚染水は深刻な頭痛になった。政府計画は何百万トンもの化学的に処理されたが依然放射能を含む水を、2023年に開始し、何段階かで30年で海に放出することを思い描いている。
環境への影響は専門家が恐れたほど有害ではないと分かったが、福島第一原子力発電所でのこの事故は、チェルノブイリ以来、世界で最もひどい核災害だった。大惨事直後、日本政府は44種の魚の販売を禁止したが、2020年までに、これら全ての制約を解除した。農産物の超過放射能も益々まれになっている。その理由で、2月初旬、台湾は、今安全とみなされるので、北日本からの食料品、農産品の輸入禁止を撤廃すると発表した。
それにもかかわらず放射能汚染水処分問題は政府と東京電力の課題として、依然大きくのしかかっているように見える。去年の時点で、150トンの放射能汚染水が、雨と地下水が原子炉を冷却するために使われる水と混ざって毎日原子力発電所から流出している。
今のところ、この放射能汚染水は処理されてはいるが、水素の放射性同位体トリチウムと他の一部の元素は除去できない。全ての放射能汚染水が1,061基のタンクに貯蔵され、東京電力によれば、2023年春までに満杯になる。当局は結局ずらり並ぶタンクに新たに追加するのは困難かもしれないと恐れており、水の放出問題は緊急を要するのだ。
しかしながら、海水で薄めればトリチウムのレベルが十分低くなることを保証すべく、放水前に一時的タンクとして使用される貯蔵場所が建設されている。日本当局のプロジェクトは、水を原発から1キロの距離で海中に放出する水中トンネル建設を開始した。トンネル建設は今年早々軌道に乗ると期待されてい。だが作業は、そのような取り組みへの国内、海外の同意の欠如や、コロナウイルス大流行に誘発された最近の遅れのため、多くの当局者がトンネルが間に合って準備できるのを疑うに中、6月まで延期された。
一部の環境保護専門家や原子物理学者は、水の放出は、太平洋の海水が放射能を人に無害にするのに役立つだろうから、まだましな悪と考えている。同時に、大惨事後、顧客に見捨てられた地元漁師は、この動きを「絶対受け入れられない」と激しく批判している。
その水域が日本の水域と接する韓国政府は計画に猛反対している。2月4日、ロシアと、中国指導部が、隣国や国際組織と日本の協定に基づき、責任ある適切な方法で水が処分されるべきだと言って、福島第一原子力発電所からの汚染水を海洋に放出する日本の計画についての懸念を主張する共同声明を発表した。
東京電力は清浄化技術が少量なら無害なトリチウム以外ほとんど全ての放射性元素を水から除去するのを可能にしていると主張する。東電は海水で薄めた水の緩やかな放出は人の健康や海洋環境に対する脅威にならないと言う。だが2020年、グリーンピースは水がトリチウム以外の汚染物質を依然含んでおり再処理されなければならないと言っている。
この状態で、日本政府は国際原子力機関(IAEA)に福島を訪問し、信用できる国際機関の賛同が国内、国外で批判者たちとの討論で強力な議論として使えるという考えで、処理された放射能汚染水の安全を調べるよう依頼した。最初、水放出に最も強硬な反対者である中国、韓国やロシアを含め、11の国の研究者チームが12月に日本訪問すると期待されたが、訪問はコロナウイルスの新たな波のためキャンセルされた。
日本政府も同様に原子力発電所から化学的に処理された水を放出する計画に関して漁師と大衆から支持を得ようと苦闘している。漁師は、その海域に放射能汚染水を放出することの反対で特に強固だ。
彼らの恐れは日本政府が福島から遠からぬ場所で捕獲されたメバルの販売をしばらく見合わせた先月の出来事によって正当化された。法的許容されたレベルより魚の放射能が14倍高いと専門家が見い出した後、これが起きた。日本の厚生労働省によれば、魚は安全レベルの1キログラム100ベクレルと比較して、1キログラムに1,400ベクレルの放射能を含んでいた。このニュースは、「タイムズ」が報じているように、破壊された発電所からの汚染水を海中に放出する当局の計画に反対する地元住民の不安を増した。
2月14日、IAEA専門家の集団が「物議をかもしている」福島第一からの125万トン以上の汚染水の海中放出計画を再検討するため日本に到着した。IAEAグループは4月下旬にその調査結果を報告すると約束した。
だが「ガーディアン」が報じているように、グリーンピース東アジア上級核専門家ショーン・バーニーは、IAEAがその報告で、安全と環境問題を徹底的に調査し、対処するとは信じないと述べた。彼は「IAEAが核問題で独立機関ではないことを指摘した。規定下での任務は原子力の推進だ。それは放射能の海洋汚染を影響がない、安全だと正当化しようと努めている。だがIAEAは環境や人の健康や、あるいは人権を放射能の危険から守ることはできない。それは彼らの仕事ではない。」
ウラジーミル・ダニーロフは政治評論家、オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2022/02/25/iaea-to-check-the-release-of-fukushima-water-into-ocean/
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『私の闇の奥』に気になる話題が書かれている。
そして、日本のハチャメチャな原子力政策の現状を「西谷文和 路上のラジオ」で小出氏が語っておられる。
Vol.80 小出裕章さん「日米原子力マフィアの最後の悪あがき?アメリカの高速炉に技術協力」と西谷文和による「アフガン・カブールからの緊急報告」
日本外務省、アメリカ合州国国務省日本支部と思っているが、もちろん、まともな人もおられた。
大本営広報部、そうした方々を決して登場させず、宗主国走狗ばかり重用する。下記番組の東郷氏の意見を踏まえずに、ロシア・ウクラロイナ問題を論じる連中の暴論、耳を傾ける意味はない。東郷氏のご意見の大半、大賛成だが、日本が対ロシア外交で、彼のおっしゃるような行動をするとは100%思わない。アメリカにのみ忖度する連中しか、あの機関の中では出世できない。日本社会全体もそうだ。属国は根深い。
UIチャンネル 1時間16分
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