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   角川文庫  514円+税
   2008年11月25日 第1刷発行

 宮脇俊三作品の、自分にとっては9冊目。
 「全線全駅鉄道の旅」(全12巻、1981~82年)と「国鉄全線各駅停車」(全10巻、1983~84年)の2つの連載をまとめて、1986年に講談社が文庫化。それを角川書店が2010年に再文庫化したものです。
 鉄道でどこかに行くことだけではなく、鉄道に乗ることそのもののたのしさが分かる1冊になっています。東海道、関東、近畿、九州、東北など、その土地ごとの路線の乗りこなし方と、逃したくない見どころ、地方線ならではの味わいなどが紹介されています。また、時刻表の読み方や、路線の歴史、ちょっとした雑学などをひもときながら、これからはじめて鉄道旅行をたのしみたいという人にも分かりやすく、その魅力と奥深さを伝えようとする意図があるようです。
 今はもう失われてしまった多くのローカル支線についても、路線の特徴や車窓からの眺めなどがよく書き留められていて、利用したことのある人にとっては懐かしい記憶になっていることでしょう。

 宮脇俊三は乗り鉄なのですが、この本の後半では各地の駅を訪れて、その駅の成り立ちや機能を述べつつ、各駅長と会って話を聞いています。名古屋駅、新宿駅、天王寺駅、高松駅、直方駅、米子駅、塩尻駅、青森駅、新庄駅、岩見沢駅が登場していました。
 新庄駅は当方の生活圏の近くであり、積雪量がハンパない土地柄でありながら、鉄道が十字に交差する交通の要衝として紹介されていました。
(2023.2.23 読)

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