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【J1】 2016年のMVP賞について考える。～最有力候補はMF中村憲剛(川崎フロンターレ)か～ | | |　

■　有資格者は優秀選手に選ばれた33名のみ

今度は2016年のJ1のMVPについて。表彰概要を見ると『「ベストイレブン」の投票結果を参考に選考委員会にて投票により決定する。(※対象選手：出場試合数 2016明治安田生命J1リーグ17試合以上)』と書かれており、優秀選手(33名)が発表されたときに『最優秀選手賞・ベストイレブンの受賞者は今回発表された優秀選手賞受賞選手の中から決定されます。』とアナウンスされているので有資格者は以下の33人である。

【ゴールキーパー（3名）】
西川周作（浦和）
中村航輔（柏）
キムスンギュ（神戸）

【フィールドプレーヤー（30名）】
■DF
昌子源（鹿島）
西大伍（鹿島）
遠藤航（浦和）
槙野智章（浦和）
中谷進之介（柏）
森重真人（FC東京）
エウシーニョ（川崎Ｆ）
車屋紳太郎（川崎Ｆ）
中澤佑二（横浜FM）
藤春廣輝（Ｇ大阪）
塩谷司（広島）
吉田豊（鳥栖）

■MF
阿部勇樹（浦和）
柏木陽介（浦和）
関根貴大（浦和）
家長昭博（大宮）
大島僚太（川崎Ｆ）
中村憲剛（川崎Ｆ）
齋藤学（横浜FM）
レオシルバ（新潟）
井手口陽介（Ｇ大阪）

■FW
興梠慎三（浦和）
武藤雄樹（浦和）
クリスティアーノ（柏）
大久保嘉人（川崎Ｆ）
小林悠（川崎Ｆ）
アデミウソン（Ｇ大阪）
ペドロジュニオール（神戸）
レアンドロ（神戸）
ピーターウタカ（広島）

■　FW金崎(鹿島)はMVPの資格なし。

クラブ別では浦和が最多の8名で、川崎Fが6名となる。G大阪・柏・神戸は各3名で、横浜FM・広島・鹿島が各2名で、FC東京・大宮・鳥栖・新潟が1名のみ。残りの6チーム(仙台・磐田・甲府・名古屋・湘南・福岡)はゼロだった。年間王者に輝いた鹿島が2人しか選出されておらず、CSやクラブW杯で目立ちに目立っているFW金崎(鹿島)は優秀選手(33名)に入っておらず、2016年のMVPに選ばれる可能性はない。

仮に有資格者であったならばFW金崎(鹿島)をMVPに推す声は少なくないと思うので「FW金崎(鹿島)が優秀選手(33名)に選ばれなかった。」というのはMVPを考えるときの重要なポイントになる。また、過去の受賞者を振り返ってみると1995年のFWストイコビッチ(名古屋)、2000年と2013年のMF中村俊(横浜FM)、2007年のMFポンテ(浦和)など年間優勝を逃したチームの選手がMVPに選ばれているケースは何例かある。

鹿島から優秀選手に選出されたのはDF昌子(鹿島)とDF西大伍(鹿島)の2人だけで、なおかつ、年間成績では浦和や川崎Fの方が上だったことを考えると鹿島以外のチームからMVPが選ばれる可能性はかなり高い。大本命不在のMVP争いと言えるが、有力候補に挙げられるのはMF阿部勇(浦和)、GK西川(浦和)、MF中村憲(川崎F)、FW小林悠(川崎F)の4人ではないかと思う。選ばれるとするといずれも初受賞となる。

5年連続で日本人選手がMVPに選ばれるのはほぼ確実で、MF阿部勇(浦和)かGK西川(浦和)が選出されるJリーグ史上初となる(国内の)ユース出身者の受賞となる。これまでMVPに選ばれている日本人選手は全員が高校年代を高体連所属のチームで過ごしている(※ FW三浦知はやや微妙。)ので「史上初なるか？」も注目ポイントと言えるが、両チームともCSで鹿島に敗れており、強く推しにくいところもある。

■　最有力候補はMF中村憲(川崎F)か？

最初に記述した「選考委員会による投票」がどの時期に行われるのか？はかなり重要な要素となるが、当然、J1のレギュラーシーズンが全て終わらないと「選者（投票者）を満たすJリーガーは誰なのか？」が決まらないので無理である。最終節が行われたのは11月3日(木)で、CSの決勝が行われたのは12月3日(土)で、アウォーズが行われるのは12月20日(火)なので、CSの決勝後になるのは間違いなさそうだ。

浦和が順当にCSを制していたらGK西川(浦和)かMF阿部勇(浦和)のどちらかになったと思うが、年間優勝を逃したことで事情は変わった。また、川崎Fが準決勝で鹿島、決勝で浦和を下して日本一に輝いていたときもMF中村憲(川崎F)とFW小林悠(川崎F)に候補を絞ることが出来たがCSの結果がMVP選考にも大きな影響を及ぼすことになった。ベストヤングプレーヤー賞と同じかそれ以上に絞るのは難しい。

結局、年間最多勝ち点の重みをどのように考えるのか？CSの結果(=鹿島の優勝)をどこまで考慮するのか？は人によって様々だと思うので、DF昌子(鹿島)を推す人が出てくることも十分に予想される。非常に難しい判断を迫られるが、迷った末に今シーズンはMF中村憲(川崎F)を1位とする。ちなみに12月14日(水)に発売となったサッカーダイジェストの総集編(2016年)ではMF中村憲(川崎F)がMVPに選出されている。

31試合9ゴール10アシストは立派。今シーズンは2列目でプレーすることが多かったが例年以上にゴールに絡む回数が多かった。1stステージの優勝がかかった16節の福岡戦(A)を怪我のため出場できずに2対2のドローに終わった試合は痛恨の極みだったが、チームリーダーとして川崎Fを引っ張った姿も印象的。浦和が年間王者を逃したことでMF中村憲(川崎F)がMVPの最有力候補に躍り出たような印象になる。

以下、2位にはGK西川(浦和)、3位にはMF阿部勇(浦和)を選出した。年間最多勝ち点を重視する人から多くの票が集まることが予想されるが、GK西川(浦和)とMF阿部勇(浦和)の活躍具合は甲乙つけがたいものがある。それ故、票が分散して本番の選考委員会の投票のときもマイナスに作用するのではないか？と考えられる。ただし、本番でGK西川(浦和)やMF阿部勇(浦和)がMVPに選ばれても全く違和感はない。

4位はFW小林悠(川崎F)とする。3人と比べるとやや下になるがそれでも今シーズンの活躍は見事だった。意外と難しいのは5位で、DF昌子(鹿島)、DF槙野(浦和)、FW興梠(浦和)あたりが有力候補になるが、バランスを考えるとDF昌子(鹿島)をチョイスするのがベターな選択だろう。ということでJ3+が選ぶ2016年のMVP(1位から5位まで)は以下のような顔ぶれになった。今シーズンは稀に見る大混戦と言えるだろう。

2016年のMVP賞 (サッカーコラム J3 Plus+選定)

　1位： MF 中村憲剛 (川崎フロンターレ)
　2位： GK 西川周作 (浦和レッズ)
　3位： MF 阿部勇樹 (浦和レッズ)
　4位： FW 小林悠 (川崎フロンターレ)
　5位： DF 昌子源 (鹿島アントラーズ)

　→　【J2】今シーズンのベストヤングプレーヤー賞にふさわしい選手は誰だろうか？ (2016年版)
　→　【J2】今シーズンのMVP賞にふさわしい選手は誰だろうか？ (2016年版)
　→　【J1】 2016年のベストヤングプレーヤー賞について考える。～本当にMF井手口陽介(ガンバ大阪)で良かったのか？～