■ クラブW杯で存在感を発揮したDF西大伍(鹿島)かつてはSBのポジションの選手がゲームを組み立てることは珍しかったが昨今のサッカー界は試合中にフリーになりやすいポジションは限られている。そのため、このポジションの選手がゲームを組み立てるケースが増えてきた。「ビルドアップ能力の高さをウリとするSB」がJリーグにも増えてきたがこの分野の最高峰と言えるのは2016年12月のクラブW杯で活躍して評価が一気に高まったDF西大伍(鹿島)だろう。
DF西大伍というと札幌時代はマルチプレーヤーとして中盤でプレーすることも多かったが新潟時代に右SBとして才能が開花した。昨シーズンのパス本数は1,510本でJ1で36位。SBの選手の中では22位のDF小林祐(当時:横浜FM)、23位のDF車屋(川崎F)、27位のDF吉田豊(鳥栖)、29位のDF高橋駿(神戸)に次いで5番目の多さだった。パスセンスがあってボールを持ったときも落ち着いている。貢献度は高い。
パス数がJ1で23位だったDF車屋(川崎F)もビルドアップ能力が高いSBと言える。同様にマルチプレーヤーでCBでもプレーすることができるほどの守備力や高さもあるが、やはり、魅力があるのは攻撃力である。スピードを生かした突破も大きな武器となるが技術が高いので味方につなぐパスの精度は高い。大卒3年目となるが、毎年、着実にレベルアップしており、日本代表に選出されても不思議はない選手になった。