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【J1】 2016年のベストヤングプレーヤー賞について考える。～本当にMF井手口陽介(ガンバ大阪)で良かったのか？～ | | |　

■　2016年の有資格者は(おそらくは)次の13名

Jリーグのベストヤングプレーヤー賞の概要については以下のように記載されている。

　・選者による投票結果を基に選考委員会にて決定する。
　・対象選手：年齢：1995年4月2日以降に出生した者
　・出場試合数：2016明治安田生命Ｊ1リーグ出場数が17試合以上
　・過去に同賞および新人王を受賞した選手は対象外とする。
　・2種TOP可または特別指定選手も受賞対象

これらの条件を満たすのはMF遠藤渓(横浜FM)までの11名であるが、U-19日本代表に招集された関係でJ1の試合を数試合、欠場せざる得なかったMF三好(川崎F)とMF神谷(湘南)の2人もおそらくは救済処置を受けて2016年のベストヤングプレーヤー賞の有資格者になると思う。ただし、Jリーグの公式サイトには救済処置について記載されておらず。もしかしたら、シンプルに「17試合以上」が絶対条件なのかもしれない。

表1. 2016年のベストヤングプレーヤー賞の有資格者(？)

背番号	名前	所属	生年月日	試合数	出場時間(分)	得点	アシスト	走行距離(km)/90分	スプリント回数/90分
4	中谷　進之介	柏	1996/3/24	31	2,790	2	0	10.05	9.26
24	関根　貴大	浦和	1995/4/19	32	2,465	2	6	11.27	21.83
25	小泉　慶	新潟	1995/4/19	30	2,442	0	0	11.19	20.45
29	中山　雄太	柏	1997/2/16	26	2,213	2	0	10.41	10.17
24	鎌田　大地	鳥栖	1996/8/5	28	2,186	7	2	12.04	15.81
40	川辺　駿	磐田	1995/9/8	26	1,808	2	1	11.75	17.07
25	小川　諒也	FC東京	1996/11/24	18	1,614	0	3	11.04	19.13
21	井手口　陽介	G大阪	1996/8/23	22	1,490	4	1	11.89	21.08
34	鈴木　優磨	鹿島	1996/4/26	31	1,103	8	2	11.09	28.31
27	邦本　宜裕	福岡	1997/10/8	20	1,055	1	1	11.28	20.13
18	遠藤　渓太	横浜FM	1997/11/22	23	954	0	0	11.80	28.40
28	神谷　優太	湘南	1997/4/24	14	661	0	1	12.42	17.29
26	三好　康児	川崎F	1997/3/26	15	468	4	1	12.03	21.92

■　J2版のベストヤングプレーヤー賞は以下の顔ぶれ

先日はベストヤングプレーヤー賞のJ2編について考えてみた。J2編の有資格者は全部で19名だったが、当サイトが選ぶベストヤングプレーヤー賞(1位から5位まで)は以下のような顔ぶれになった。

　1位： DF 小池龍太 (レノファ山口)
　2位： FW 北川航也 (清水エスパルス)
　3位： MF 広瀬陸斗 (徳島ヴォルティス)
　4位： DF 北谷史孝 (レノファ山口)
　5位： MF 内田裕斗 (徳島ヴォルティス)

　→　【J2】今シーズンのベストヤングプレーヤー賞にふさわしい選手は誰だろうか？ (2016年版)

他にもFWオナイウ阿道(千葉)、MF澤井(東京V)、FW金子翔(清水)、DF茂木力(愛媛FC)なども候補として選択肢に入って来たがオーソドックスに以上の5人を選出した。J1のベストヤングプレーヤー賞も同じ様に1位から5位までを考えたかったが、残念ながら、先日、Jリーグから正式にMF井手口(G大阪)が2016年のベストヤングプレーヤー賞に選ばれたことが発表されたので、先を越される形になってしまった。

モタついたことに関しては悔いが残るが、構わず、同じようにJ1のベストヤングプレーヤー賞を考えたいと思うが、表1を見ると分かる通り、今シーズンは近年に無いほど充実した顔ぶれである。秋あたりまでは「MF鎌田(鳥栖)がベストヤングプレーヤー賞の最有力候補ではないか？」と考えていたほどである。「この選手で決まり。」と言い切れるほど突出した選手はおらず、稀に見る大混戦と言えるだろう。

■　1位にふさわしい選手はたくさんいるシーズン

選考方法については「上記選者による投票結果を基に選考委員会にて決定する。」と記載されている。単純に投票数が最も多かった選手が選ばれるのか？選考委員会の話し合いの結果次第で投票数が2位以下だった選手にも逆転のチャンスがあるのか？は不明であるが、こういう賞は「終盤戦にインパクトを与えた選手が圧倒的に有利」である。MF井手口がハリルJAPANに召集されたことはダメ押しになっただろう。

MF井手口(G大阪)が選ばれたことに関しては当然のことながら納得できるが、個人的には1,490分というプレイングタイムの少なさは引っかかる。全体の48.7％なので半分以下となる。MF井手口(G大阪)の倍ほどの出場時間を得たDF中谷(柏)、2ゴール6アシストのMF関根貴(浦和)、7ゴール2アシストのMF鎌田(鳥栖)などもいるので『本当にMF井手口(G大阪)がベストと言えるのか？』は微妙なところである。

各賞を決めるときこれほど悩むことは無かったので初めてと言えるほど悩んだが、迷った末にJリーグが選んだとおりでMF井手口(G大阪)を1位とする。なお、90分換算のタックル数がJ1の全選手の中で1位。ハードな守備とリーグの終盤戦に見せた攻撃力はインパクトが大きかった。(基本的には代表での活躍は考慮されないはずであるが、)リオ五輪でも好プレーを見せた。1位はMF井手口(G大阪)とするのが最も無難か。

2位はMF鎌田(鳥栖)、3位はDF中谷(柏)、4位はMF関根貴(浦和)とする。この3人も僅差の勝負で、MF関根貴(浦和)が2位で、MF鎌田(鳥栖)が4位であったとしても大きな違和感はない。5位にはMF鈴木優(鹿島)を選んだが、その他にはDF中山雄(柏)も大きなインパクトを残した選手である。「やや不作の年」であったらDF中山雄(柏)が満場一致でベストヤングプレーヤー賞に選ばれているだろう活躍だった。

2016年のベストヤングプレーヤー賞 (サッカーコラム J3 Plus+選定)

　1位： MF 井手口陽介 (ガンバ大阪)
　2位： MF 鎌田大地 (サガン鳥栖)
　3位： DF 中谷進之介 (柏レイソル)
　4位： MF 関根貴大 (浦和レッズ)
　5位： MF 鈴木優磨 (鹿島アントラーズ)