① 都倉賢(草津 → 神戸)
→ J2のザスパ草津でリーグ2位となる23得点をマーク。移籍金もかからないということで大争奪戦となった。一時、「セレッソ大阪への入団が決まった。」という報道もあったが、結局、ヴィッセル神戸入りとなった。
187cmの大型ストライカーに対して、C大阪、神戸以外にも、幾つかJ1クラブが興味を示していたようであるが、名前が挙がっていた数クラブの中では、神戸という選択がベストだったような気はする。川崎FでもチームメイトだったFW我那覇がいるが、ここ数年の不振から立ち直っておらず、今シーズンもほとんど活躍の場はなかった。FW大久保、FW茂木、FW吉田といった小柄なフォワードばかりで、大型ストライカーはいなかった。
すでに、神戸は三浦俊也監督の続投が決定しているが、三浦監督がFW都倉をどのように起用するのかも注目したいところである。三浦監督は、コンサドーレ札幌時代に186cmのFW中山元気を2トップの一角で起用し、点取り屋のFWダヴィとFW中山という2トップのフィジカルの強さを前面に押し出したスタイルで戦った経験がある。FW中山と比べると、FW都倉はもっとストライカーらしい選手であるが、フィジカルの強さはJ1の中でもトップクラスのはず。日本代表のFW大久保との2トップが予想されるが、この二人がどういう化学反応を起こすのかも楽しみな部分である。
J2クラブからJ1クラブへの移籍であろうと、J1クラブからJ1クラブへの移籍であろうが、ストライカーの移籍にはリスクが伴うものであり、失敗する可能性も他のポジションに比べると高くなる。開幕から順調にゴールを重ねることが出来れば、そのままの調子で波に乗ることが出来るが、最初の数カ月で結果が出ないと、立場は苦しくなる。
FW都倉の場合、「ゴールを奪うこと」以外にもチームに貢献できるタイプの選手であるので、その問題は小さいかもしれないが、たとえ、結果が出なくても我慢して使い続けていったとしたら、間違いなく、チームのエースストライカーとなりうるキャパを持った選手である。そして、その先には日本代表も見えてくる。
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② エジミウソン(大分 → 神戸)
→ 同じく、神戸入りが決定したのが大分のMFエジミウソン。2008年のナビスコカップを制した大分の心臓部の選手であり、Jリーグの経験も長く、FW都倉以上に即戦力となりそうである。
今シーズンの神戸は、三浦監督が就任してから、元日本代表のMF宮本恒靖と韓国代表のMF金南一がダブルボランチを組むことが多かった。この二人のプレーは特別悪くはなかったが、それでも、もう少し、攻守両面でパワーアップが必要なポジションであった。MF金南一の退団は濃厚になっているが、ストライカーと並んで大きな補強ポイントになっていたが、早々にMFエジミウソンの獲得に成功。珍しくいいオフになっている。
MFエジミウソンの相方がMF宮本になるのか、MF松岡になるのか、それとも他の選手になるのか。現時点では全く分からないが、いずれにしてもMFエジミウソンが中盤の軸になるのは間違いない。非常にプレーの幅が広くて、柔軟性のある選手なので、そのパートナーはどんな選手でもOKとなる。
ストライカーとボランチ以外では、左サイドバックが不在となっていて、層の薄さも懸念されるが、FW都倉に加えて、MFエジミウソンを獲得した神戸は、来シーズンの台風の目となる可能性が高くなった。
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③ 山岸智(川崎F → 広島)
→ かねてより噂に上がっていたが、川崎FフロンターレのMF山岸智のサンフレッチェ広島へのレンタル移籍が決定。オシムサッカーによく似たスタイルのペトロビッチ監督の下で、復活をかけるシーズンとなる。広島はリーグ戦で4位になったため天皇杯の結果次第では、2010年のACL出場の可能性を残すが、もしACLに出場することになったが、MF山岸の加入は、選手層を厚くする上でも、大きなものとなる。
<3-4-2-1>システムので、考えられるポジションは、左右のウイングバックと2シャドーの位置。MF山岸という選手は不思議な選手で、<4-2-2-2>の攻撃的MFでプレーすると攻撃力が物足りないが、<4-2-2-2>のサイドバックにしてしまうと、持っている攻撃力が十分に生かすことが出来なくなる。その一方で、3バックシステムのウイングバックとなると、右サイドであっても、左サイドであっても、その万能性がマッチアップする相手に対してアドバンテージとなる。4バックシステムでは武器のない中途半端で器用貧乏だった選手が、3バックになると得点力のあるオールラウンダーへと変身するようである。
このため、使いにくい選手ではあるが、広島のスタイルは一貫しているので活躍の場は大きく広がるだろう。広島は右にMFミキッチ、左にMF服部という布陣であったが、MF山岸が加入してポジション争いは激化する。サイドのポジションからゴールシーンに絡むことの出来るMF山岸が完全にフィットしたとしたら、広島のサッカーは、もう一段、上のレベルに到達する可能性がある。
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④ 森重真人(大分 → FC東京)
→ 大分との契約は残っていたが、大分が財政難のため移籍市場に上がっていて、浦和レッズや川崎フロンターレも獲得に乗り出していたが、結局のところ、FC東京入りが実現した。DF森重という選手は、シャムスカ監督時代の大分では3バックの中央でプレーしていたが、本来はボランチの選手である。そのため、ボランチでの出場が見込めるチームを移籍先として希望するのかと思われたが、FC東京では、DFブルーノ・クアドロスの退団が決定しており、DF今野と組んでセンターバックになりそうだ。
個人的な意見としては、継続的にボランチでプレーする姿を見たかった気もするが、最終ラインを組むことになる、DF徳永、DF今野、DF長友の3人が、いずれも日本代表選手という環境も入団を決意するポイントになったかもしれない。180cmで高さもあって、カバーリング能力も高い。4バックのセンターバックの経験はそれほど多くないように思うが、クレバーな選手なので、何なくこなすことだろう。
DF森重自身がいい選手なのは間違いなく、22歳という若さも魅力であるが、ビルドアップの能力も高く、タイプ的にはDFブルーノ・クアドロス良く似ているので、FC東京のサッカーになじむのは早いだろう。ただ、DFブルーノ・クアドロスも相当な経験を持つ優れた選手である。チームとしての劇的な変化は生まれにくいような気はする。
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⑤ 柏木陽介(広島 → 浦和)
→ 毎年のように移籍騒動を繰り返していたMF柏木がついに移籍を決断し、浦和への加入が決定した。2010年のことを考えると広島にはACLの可能性が残っているが、「日本で一番大きなクラブにステップアップする」ことになった。
広島にとってはユースから大事に育ててきた生え抜きの選手であり、メディアへの露出を考えるとマイナスになるかもしれない。戦力的に考えても、たしかに痛いことには変わりはないが、幸いにして、このポジションには、MF高萩、MF高柳、FW李忠成がいて、さらにMF山岸の加入も決定している。もちろん、MF森崎浩二も怪我から戻ってくる。非常に層の厚いポジションであり、致命的なものにはならないのではないかと考えられる。
確かに、単体で比べると、名前の挙がった5人の選手とMF柏木とでは、MF柏木の方がポテンシャルも高くて優れた選手であるのは間違いないが、チームの中に組み込んだ時に、MF柏木が出場している場合と比べて、著しい差が生まれるかといったらそうでもない。広島のサッカーはそういうサッカーである。
一方、浦和は、若くて優秀な攻撃的MFを獲得に成功。次世代の日本代表の中心になり得る選手であり、大きな補強ではあるが、果たして、このポジションの選手が必要だったのかというと、疑問に残る部分はある。すでに、このポジションには、MFポンテ、MF山田直、MF原口、MF梅崎、MFエスクデロがいる。ただでさえ飽和していたポジションは、さらに飽和することになる。
今シーズン、我慢して起用してきたMF原口はベンチになってしまうのか?2年前に期待されて入団してきたMF梅崎の立場はどうなるのか?可能性としてはボランチでの起用も考えられるが、フィンケ監督は、また、悩ましい問題をかかえることになる。MF柏木の獲得に成功したことで、明らかに衰えが見え始めているMFポンテの処遇も注目されるところである。思い切った決断も必要かもしれない。
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