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【千葉×名古屋】期待の新戦力たち | | |　

■　ミッドウイーク

4勝9敗8分けで16位と降格圏のジェフ千葉。しかしながら、15位の神戸との勝ち点差は「3」のみ。早く居心地の悪い順位から抜け出したいところ。前節の柏戦は、前半に退場者を出しながら0対0で引き分け。ホーム2勝目を目指す。

一方の名古屋グランパスは、7勝9敗5分けの13位。ただし、16位の千葉との勝ち点差は「6」しかなく、この試合の結果によっては残留争いに巻き込まれる可能性もある。

江尻新監督が3試合目の指揮を執る千葉は<4-4-1-1>。GK櫛野。DF坂本、福元、池田、青木良。MF下村、中後、深井、工藤。FW谷澤、巻。MFアレックスは欠場。FWネット・バイアーノは出場停止。柏戦は契約上の問題で出場できなかったMF太田圭がベンチ入り。

対する名古屋は<3-4-1-2>。GK楢崎。DF吉田、バヤリッツァ、増川。。MF吉村、中村直、小川、三都主、ブルザノビッチ。FWケネディ、玉田。MF田中隼磨とMFマギヌンはベンチスタート。

■　ケネディの先制ゴール

試合は前半24分にアウェーの名古屋が先制。

右サイドでフリーになったMF小川がグラウンダーのクロスを送ると、相手DFともつれながらも、FWケネディが押し込んで先制。FWケネディは4ゴール目。その後、名古屋はMF三都主やMFブルザノビッチのミドルシュートがクロスバーを叩くなど、押し気味の展開。1点リードで前半を終了する。

後半になると、千葉はMF深井がカウンターからチャンスをつかむが決められない。後半21分にはそのMF深井に代えてMF太田を投入するが効果を発揮せず。

逆に、名古屋は後半30分に、再び、MF小川のクロスからFW玉田が頭で決めて追加点。FW玉田は今シーズン4ゴール目。

結局、2対0で名古屋が勝利。連敗を2でストップさせた。対する千葉は、江尻監督になってから2敗1分けと勝利が無い。

■　4ゴール目のケネディ

名古屋はFWケネディが先制ゴール。いい時間帯に先制点を奪って、試合を優位に進めた。これでFWケネディはリーグ戦で5試合で4ゴール。期待通りにFWダヴィの代わりに新しいチームのエースストライカーとなった。

この日はFW玉田との2トップ。モンテネグロ代表のMFブルザノビッチがトップ下。右サイドにMF小川、左サイドにMF三都主という布陣。FWケネディを含めて途中加入の選手が多くなって、コンビネーションはまだまだであるが、個の力はリーグでも屈指といえる布陣となった。昨シーズンに見られた組織的で機能的なサッカーからは程遠いが、システマチック過ぎてサッカーが硬直することは少なくなるだろう。

センターフォワードとしてのFWケネディの能力は現清水エスパルスのFWヨンセンほどポストプレーは上手くないが、194cmの体の活かし方を心得ていて、無駄なプレーは少ない。自らの能力を過信せず、自らが出来るプレーをシンプルにこなしている印象がある。

■　期待のブルザノビッチ

現役のモンテネグロ代表でリーグ戦は2試合目の出場となったＭＦブルザノビッチ。こちらは、まだコンディションに問題があるのか、プレーに関与する機会は少なかった。ただ、ところどころでテクニックのあるところを見せた。

フォワードでのプレーも可能ということだが、名古屋ではやや下がり目の位置でプレー。GK櫛野のファインセーブに阻まれたが、前半に見せた柔らかいボールタッチのトラップからのシュートシーンだけを見ても、溢れる才能を感じさせる。

過去をみても、ユーゴ圏の外国籍選手の成功率は高いので、MFブルザノビッチも日本サッカーのスピードと夏の暑さに打ち勝つことが出来れば、華々しい活躍を見せるようになるのではないだろうか。23歳という年齢も魅力で、久々の大物外国人である。

■　三都主の加入

もう一人、補強の目玉のMF三都主は左アウトサイドでスタメン出場。岡田ジャパンで日本代表候補にも呼ばれているDF阿部を押しのけてスタメン出場を飾っているが、こちらもコンディションはまだまだ。ただ、さすがにボールを持った時は、好プレーを見せる。

今シーズンは、MFマギヌンの出来も今一つということもあって、MF三都主にかかる期待も大きいが、ここ数年、プレーから遠ざかっていたので、スタミナ面が心配。選手層が厚くなったので、DF阿部やMFマギヌンとの併用も考えられる。

■　小川佳純の右ウイングバック

名古屋の2ゴールは結果的には、両方ともにMF小川のアシストから生まれた。いずれもサイドでフリーになった状態から精度の高いクロスがゴール前に飛び込んできた。1点目はハイボールが予想された中で意表を突くグラウンダーのボールで、2点目は千葉のDFが何人もいる中で、ピンポイントでFW玉田の頭に合わせた。

この2つのアシストは見事で文句のつけようのないゴールシーンであったが、残念ながら、試合を通して見ると、MF小川のプレーは今一つ。昨シーズンのようなアグレッシブなプレーは影をひそめていて、消えてしまう時間も長かった。

コンディション的な問題というよりは、ポジションの問題も大きく、この日の右のウイングバックのポジションでのプレーでは、サイドをアップダウンすることに終始してしまって、MF小川の持ち味は発揮しにくい。

皮肉にも、精度の高いクロスを供給できるMF小川が右サイドにいたからこそ生まれた2ゴールであるが、適材適所の起用方法とはいえないだろう。未知数の選手が多いので、どういう布陣に固まるかは分からないが、しばらくは名古屋は試行錯誤が続くだろう。

■　痛い敗戦

名古屋の調子も今一つとあって、どうしても勝利が欲しかった千葉だが、先制点が痛かった。FWネット・バイアーノの不在の影響も大きく、後半には足も止まって攻め手が無くなってしまった。

中盤の絡みは悪くなかったが、どうしても攻撃の最後は中央へのクロスになってしまうが、高さのある名古屋の3バックに対してFW巻だけで対応するのは難しく、クロスがFW巻に合うシーンは全く無く、イージーに跳ね返された。FWネット・バイアーノがいれば違ったかもしれないが、単調な攻撃になってしまった。

[ジェフ千葉 2008-2009]

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[名古屋グランパス 2008-2009]

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