■ 千葉への復帰報道アルビレックス新潟のMF坂本将貴の古巣ジェフ千葉への復帰が濃厚と報道されている。坂本は昨シーズンのオフに、千葉から新潟に移籍して新潟と3年契約を結んでいる。この決断は、異例とも言える。
新潟サイドに立てば、非常に困った事態となった。移籍1年目とはいえ、リーダーとしてチーム史上最高の6位に押し上げた原動力の1人であった。左右のサイドバック、左右のサイドハーフ、ボランチと様々なポジションでプレー可能な坂本の穴は、簡単には埋められない。
「3年契約の途中であり、新潟に対して礼を欠くのではないか。」という感想はもっともである。「移籍するのであっても、もっと早い時期に申し出てくれれば、何かしらの対応ができたのに・・・。」というコメントもうなづける。
千葉側に立ってみると、「1年前に放出した選手を移籍金を払ってまで再獲得するのはどうなのか?」という意見もある。確かにである。
だが、やはり、1年前と今ではまったく事情は異なる。当時のジェフ千葉には、MF水野とMF山岸という2人のアウトサイドプレーヤーが在籍した。06年のリーグ戦で全試合に出場していた坂本をアマル・オシム監督が戦力外扱いしたとは思わないが、若返り政策もあって、レギュラーポジションを確約することは出来なかった。
千葉とアマル・オシムは、坂本ではなく水野の将来性を天秤にかけた。そして選択は、間違いではなかった。06年はリーグ戦で無得点だったMF水野は、右アウトサイドでレギュラーポジションを獲得。07年のリーグ戦では9得点を挙げて、日本代表デビューも果たした。同ポジションの坂本がチームに残っていたら、ここまで水野は飛躍しなかっただろう。
「それならば。」とチームを去った坂本の判断は間違いではなかった。アルビレックスという新天地でポジションを獲得し、チームを6位に導いた。地味だが安定したプレーは、確かに貢献度は高かった。
今考えると、そのときのジェフ千葉の判断も、坂本の判断も、アルビレックス新潟の判断も間違いではなかった。非常に幸せな移籍だといえた。
■ 1年後の決断ただ、1年経って、事情は大きく変わった。
1年前にMF阿部とMF坂本を失ったチームは、今、MF水野がスコットランドリーグのセルティックへの移籍が確実視されている。FW巻、MF山岸、MF羽生、MF佐藤、DF水本にも移籍報道が出ている。ナビスコカップを制覇したチームは、崩壊の危機を迎えている。
坂本にとって、今なお、ジェフ千葉が特別なチームであるならば、この状況を黙って見過ごすとは考えにくい。「君にしかできない仕事がある」と言われたならば、復帰という決断を下したとしても不思議ではない。そして、坂本が千葉に復帰するとなれば、FW巻やMF山岸、MF羽生、MF佐藤、DF水本らの進路に与える影響は小さくないだろう。
坂本にとっても、新潟でプレーを続ける方が易しい道といえるだろう。「裏切り者」と呼ばれて、バッシングを受けながら千葉でプレーすることは簡単ではない。茨の道である。
だからこそ、復帰の道を選んだとしたら、その決断は支持したい。すべての選手が世界一の選手を目指すわけではなく、すべての選手が日本代表を目指すわけではない。自らの決断で愛するチームを崩壊から救えるチャンスがあるとしたら、1人のサッカープレーヤーとして、これ以上の幸せはないかもしれない。
【関連記事】さよならは別れの言葉じゃなく(サッカー、見てる?さん)もうそこまで来てるんだよね。(てんてん*さん)坂さんを想う一日(Love x Soccerさん)Q1. 好きなクラブはどこですか?Q1に投票する Q1の途中経過を見るQ2. 一番好きなスタジアムはどこですか?Q2に投票する Q2の途中経過を見るQ3. 坂本将貴のジェフ千葉への復帰についてどう考えますか? ① 肯定的に考えている。
② 否定的に肯定的に考えている。
③ どちらともいえない。
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>>> aki1971さん
どうもコメントありがとうございます。新潟ならば自分がいなくても何とかなるけれど、千葉は自分がいないと、どうにもならないと考えたのでしょう。新潟との契約は残っているので、プロ選手としては失格かもしれませんが・・・。(アルビサポが怒るのは理解できます。)
よほど決意が固かったのかもしれませんが、移籍を認めた新潟フロントは判断は正しかったと思います。3年契約を盾に、飼い殺しも出来たはずですから。
>>> チャンさん
どうもコメントありがとうございます。新潟サイドは不運だったとしかいえませんね。田中らの出場機会増が見込まれる選手の活躍に期待したいところです。
千葉の選手とフロントの軋轢に関してですが、正直、どういう状況なのか、はっきり分かりません。スポーツ新聞の報道は、まったくあてにならないですから。「チームに改善を要求すること」がイコール「チームに不満を持っていること」とは言えないように思います。平均的なチームと比べると、関係は良くないんでしょうが・・・。
>>> 青空百景さん
どうもコメントありがとうございます。「残るほうが楽」というのは、侮辱ではなく、客観的な事実ではないでしょうか。坂本自身、新潟に不満は無かったでしょうし、残留すれば、余計な批判を浴びる機会は無かったでしょうから。
千葉に戻れば茨の道→新潟に残るほうが色んな意味で楽→だから復帰を決めた坂本は偉い、という論調を他ブログでも見かけましたが……非常に違和感があります。
残るほうが楽、という言い方は新潟サポにとって侮辱ではないでしょうか?
移籍それ自体は普通のことです。複数年契約の破棄も、決して褒められたことではありませんが皆無ではない。
しかし、坂本選手は結果として新潟サポに大嘘をついたことになりました。「これが最後の移籍」「骨を埋める」と言った言葉を皆信じていたのだろうに。
これで新潟-千葉戦は遺恨試合となることが決まってしまいましたね。千葉フロントは、自分達が何をしたのか本当に判っているのでしょうか。
坂本が怪我しますように
(-人-)
新潟に対して、お気の毒としか言い様がないです。キャンプ目前になって、出て行くはずのない選手を失うことになるんですから。極めて有り得ないことだと思います。重要な選手の穴埋めをこの時期に始めるのは難しい。
千葉はどうしたいのか良く分からないです。まだ監督すら決まってないのに。
坂本が選手流出の強力なブレーキになるとは思えないです。強化部よりも、むしろフロントのほうに不満がありそうなのに。
坂本にとっては、新潟に残ろうが千葉に残ろうが厳しい道が待っていますね。
坂本選手個人の決断は尊重します。(するしかない)
(ただ新潟サポです)
この記事が本当ならば、彼はものすごい茨の道を十字架を背負って歩いていくことになるでしょうね。
ただどうも納得いかないのが「窮地の千葉を救うために坂本が復帰」という浪花節の報道論調です。
目線を変えて契約を反古にされた新潟サイドに立って、この事件を見てもらえないものでしょうか。
愛されていただけに、裏切られたときの怒りが大きいのです。
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