■ 第5節ACLのグループEの第5節。ここまでの4試合で2勝2分けとグループ首位を走る名古屋グランパス。韓国の蔚山に勝てば1位通過が決定する。
名古屋は<4-4-2>。GK楢崎。DF田中隼、増川、吉田、阿部。MF吉村、山口、小川、杉本。FWダヴィ、巻。先日の浦和戦で怪我をしたため欠場が続いているFW玉田が久々のベンチ入り。MF中村直はベンチ外。
■ グループ首位決定試合は前半14分に名古屋が先制。左サイドバックのDF阿部の左足のクロスからファーサイドに待っていたFW巻が頭で折り返すと、最後はゴール前に飛び込んできたMF小川がダイビングヘッドで決めて先制。さらに、前半23分にも左サイドを突破したMF小川のクロスからFW巻が強烈なヘッドで決めて2点目。
前半42分にセットプレーからFWキム・シンウクに決められて1点差に迫られるが、後半14分に右からセットプレーを獲得すると、DF阿部のキックをニアサイドに飛び込んだFWダヴィが頭で合わせて3対1とリードを広げる。
名古屋は後半27分にもセットプレーのチャンスを得ると、トリックプレーからFW玉田→FW巻→MF小川という流れからMF小川が強烈なシュートを突き刺して4対1。名古屋が最終節を待たずにグループリーグ突破を決めた。
■ ホームで初勝利名古屋はアウェー戦に続いて蔚山を下してグループリーグ首位を決定させた。ここまでのACLではホームで2引き分けと結果が出ていなかったが、MF小川が2ゴール1アシスト、FW巻が1ゴール2アシストの大活躍。FWダヴィを早々とベンチに下げる余裕の展開だった。
180cm以上の選手が並ぶ蔚山に対して高さでは不利な状況であったが、技術力と組織力では圧倒。蔚山の左サイドバックの裏に広大なスペースがあったことも功を奏し、ゴールラッシュを見せた。
中盤のMFマギヌンとMF中村直とDFバヤリッツァを欠き、FW玉田もベンチスタートとなったが、代役の選手もハイパフォーマンスを見せた。
■ 1ゴール2アシスト2ゴール1アシストのMF小川の活躍も光ったが、同じくらいFW巻の活躍も光った。先制ゴールにつながるアシスト、2点目のヘディングシュートは相手のセンターバックの高さをものともせず、強さと高さで空中戦を制した。
昨シーズンから継続的に出場機会を得るようになったFW巻は182cmのターゲットマン。言わずと知れたジェフ千葉の日本代表FW巻誠一郎の弟であるが、泥臭いプレースタイルは良く似ている。
昨シーズンは、FWヨンセンがいたため出場機会は限られていて戦術中に占める役割は大きくなかったが、ターゲットタイプのFWヨンセンが退団し、オールラウンドタイプのFWダヴィが加入したことで、チーム内における重要度が増した。比較的似たタイプのFWヨンセンと2トップを組むよりは動き回ることの出来るFWダヴィと組んだ方が持ち味を発揮しやすい。
千葉のFW巻と比べると、動きの量や懐の深さ、単純なスピードといった面では劣るが、クロスボールに対する感覚や体の強さ、ポストワークといった部分では兄を上回る。
■ 2ゴール1アシストの小川佳純MFマギヌンを欠く中、背番号10を背負うMF小川が2ゴール1アシストの活躍。今シーズンの開幕当初は思うようなプレーが出来ずに苦しんだが、ここにきてパフォーマンスを向上させてきていて、昨シーズンの好調時に遜色ないレベルとなった。
名古屋の現在のシステムでは、FWダヴィがゴールを量産するとともに、中盤の選手がゴール前に絡んでフィニッシュに絡むプレーが不可欠であるが、MF小川のパフォーマンスが上がってきているのは心強い限り。代役が存在しない選手なだけに継続した活躍が求められる。
■ ワンランク上のパス回し4ゴールはいずれもスーパーゴールで大勝を飾った名古屋だったが、雨のピッチということもあってイージーなパスミスも少なくなかった。
蔚山にそれほどカウンターのスピードが無かったことが助かってパスミスから決定的なシュートを放たれるシーンはほとんどなかったが、相手がもっと強くなると中盤でのパスミスは致命傷になる。
後半にFWダヴィに代わってFW玉田が投入されてからはリードしているということもあってFW玉田が試合を落ち着かせてボール回しも良くなったが、急ぐ必要のないシーンで攻め急ぐこともあった。蔚山は勝たないといけない状況にもかかわらず、前半はプレスの位置も低く、動きも活発ではなかった。もっと落ち着いてボール回しも出来たはずである。
名古屋グランパス:採点GK:楢崎正剛 6.0
→ ハイボールに対しても安定感があった。
DF:田中隼磨 5.0
→ 縦への突破が成功せず。ハイボールに対しても苦戦。
DF:増川隆洋 6.5
→ 後半の相手のパワープレーに対して191cmが生きた。
DF:吉田麻耶 7.0
→ 守備面だけでなく、つなぎも良かった。
DF:阿部翔平 6.0
→ 高さでは劣ったが、高精度のクロスで2ゴールに絡む。
MF:山口慶 5.5
→ バランス取りに奔走した。
MF:吉村圭司 6.5
→ 強烈なミドル2発は惜しくも枠を外れた。
MF:小川佳純 7.0
→ 2ゴール1アシストの文句なしの活躍。
MF:杉本恵太 5.5
→ サイドにスペースはあったが、思うよな仕事は出来ず。
FW:ダヴィ 6.0
→ ドリブル突破は封じられたがセットプレーから1ゴール。
FW:巻佑樹 7.0
→ 後半はスタミナ切れも3ゴールに絡む大活躍。
サブ:竹内彬 -
→ 大量リードで守備固めで投入される。
サブ:玉田圭司 6.0
→ 復帰戦はゴールなしもキープ力抜群でリズムを作る。
サブ:佐藤将也 -
→ 思い切った突破を見せた。
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