■ ホーム初勝利を目指す今シーズン、まだホームで勝ちの無いジェフ千葉がサンフレッチェ広島と対戦。広島はリーグ戦7試合負けなし。前節はFC東京に2対0で勝利している。
ジェフ千葉は<4-1-2-3>。GK岡本。DF和田、坂本、ボスナー、青木良。MF下村、中後、アレックス。FW深井、巻、谷澤。MF中後は3節以来のスタメン出場。
アウェーのサンフレッチェ広島は<3-6-1>。GK中林。DF森脇、ストヤノフ、槙野。MF森崎和、青山敏、ミキッチ、服部、高柳、柏木。FW佐藤寿。元千葉のMF楽山、DF中島がベンチ入り。
■ 巻の決勝ゴール立ち上がりは広島ペース。前半11分には、FW佐藤寿→MF柏木→MF高萩と流れるようなパスワークからMF高萩が決めて先制。
しかし、その後は、千葉が広島の中盤でのパスワークを素早いプレスで封じて速い攻撃につなげてチャンスを作り始める。前半39分には早い展開からFW深井が左サイドから強烈なドライブ回転のシュートを決めて同点に追いつくと、さらに、後半42分にもMF中後のCKからFW巻がファーサイドでヘッドで決めて逆転に成功。
後半は広島がボールを支配して攻め込むが、千葉のディフェンスがきっちりと守ってそのまま2対1で勝利。千葉は今シーズン2勝目を飾り、ホームで初勝利となった。
■ 戦略の勝利しっかりと最終ラインからつないで3バックも積極的に攻撃に参加するスタイルの広島と、極力、中盤ではつながずにFW巻を目掛けたロングボールが主体の千葉という好対照のチームの対戦となったが、広島のDF森脇とDF槙野のオーバーラップをしっかりと監視して、決定的なチャンスを封じた千葉に軍配が上がった。
立ち上がりの広島のパスワークに劣勢となったが、前半15分過ぎからは守備が機能し始めて、いい守備からいい攻撃につなげられるようになった。
攻撃のスタートをFW巻へのロングボールが多かったが、そのボールの精度は比較的高くて、FW巻がしっかりとキープできないこともあったが、味方のサポートも早く、攻撃では狙い通りの形が出来ていた。
■ 中後とアレックス今シーズンの千葉の補強の目玉であるMF中後とMFアレックス。ただ、MF中後はこれまで怪我でずっと欠場を強いられていて、MFアレックスも思ったほど攻撃で機能していない。
昨シーズンのシステムと比べると、純粋な中盤の選手が4枚から3枚に減っていて、FW谷澤やFW深井のポジションが高くなっていて高い位置から仕掛けたいという意図を感じるが、その分、中盤の選手のプレーの精度向上が求められる。
よって、このシステムにおいて、「守るだけの選手」や「攻めるだけ」の選手は使いづらいが、幸いにして、MF中後とMFアレックスは攻撃だけでなく守備も期待できる。つまり、最低限の守備のタスクをこなしつつ、攻撃でプラスアルファをもたらすことの出来る選手であり、今後、千葉がパワーアップするとしたら、MF中後とMFアレックスの出来にかかっているといえる。
■ 深井の同点ゴール貴重な同点ゴールを記録したのがFW深井。FW巻を真ん中に置いた3トップ気味のサイドでのプレーが続いているが、この日は立ち上がりからミスが多く、不満足なプレーが続いていたが、左足一発でミスを帳消しにした。
FW深井とFW谷澤の突破が千葉の攻撃の最大の武器であるが、まだ、チーム全体で彼らの突破力を生かそうとする試みはそれほどみられないが、偶発的でもなんでも、彼らにボールが渡ればチャンスの確率は高くなる。
また、この日のような攻守の切り替えの早い展開になると、彼らの特徴が生きる試合となるのは間違いなく、守備からアグレッシブに入っていくと、攻撃でも好影響が出るだろう。
■ ストヤノフへの集中対する広島は過密日程の影響があったのか、試合が進むにつれて運動量が低下し、イージーなミスが多くなった。ミラー監督の狙いにはまってしまった感もあって、シュート数の割にはビッグチャンスは少なく、今シーズンの中では珍しい完敗に近い内容だった。
中盤でボールを簡単に失ったことが失点につながっているが、中盤でしっかりとつなぐスタイルは持ち味であり、この戦いしかないというチーム構成であるので、ある程度のミスは仕方がないが、これだけつなぎの部分でミスが目立つと、試合に勝つのは難しくなる。
広島の攻撃はバラエティーに富んでいて、どこからでもシュートを狙えて、どこからでの得点が奪えそうなのが魅力であり、他のチームとは異なる部分であるが、劣勢の展開になると、DFストヤノフがボールを受けたがるので、DFストヤノフにボールが集中して、攻撃が単調になることがある。DFストヤノフの攻撃参加は武器ではあるが、この日は彼の積極性がやや裏目に出た。
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