■ J2制覇に大きく前進した柏レイソル一時は首位を独走していたが35節は横浜FC、36節は水戸に敗れて2連敗を喫した柏が急失速したことでにわかにJ2の優勝争いが白熱して来た。36節を終えた時点で首位の柏が勝ち点「69」、2位の横浜FCと3位の山形が勝ち点「64」、4位の大宮が勝ち点「63」。大宮は1試合消化が少ないことならびに柏との直接対決を39節に控えていることを考えると「一時は確実視されていた柏のJ2優勝」も分からなくなった。
残りは6試合。37節はアウェイの千葉ダービーなので柏にとっては正念場の試合だったが前半19分にCKからMF三原雅のゴールが決まって先制に成功すると前半22分にはMF瀬川祐のミドルシュートが決まって大きな追加点を奪った。さらに後半16分にはまたしてもゴール前の混戦からMF三原雅が決めて3点目を奪った。伏兵のMF三原雅が2ゴールを挙げる大活躍を見せた柏が3対0で圧勝。大きな勝ち点「3」を獲得した。
幸運にも2位の横浜FCと3位の山形と4位の大宮が揃って敗れたので柏はJ2優勝ならびに自動昇格に大きく前進した。残り5試合で2位に浮上した山形ならびに3位に転落した横浜FCとの差が「8」まで広がった。未消化分の試合で大宮が勝利したとしても大宮とは「6差」ある。得失点差では圧倒的に柏が有利であることを考えると「よほどのことがない限りは大丈夫」と言える状況になった。柏はゴールテープが見えてきた。
35節の横浜FC戦(A)は後半の終了間際に先制ゴールを食らって敗戦。36節の水戸戦(H)は2対1とリードを奪いながら逆転負け。ともに嫌な形で敗れたので取り巻く空気は重かったと思うがダービーでの勝利で重苦しい空気は一掃されるだろう。夏に加入したMF三原雅はネルシーニョ監督の秘蔵っ子になるがまさかの2ゴール。移籍後初ゴールであり、J2初ゴールとなった。ちなみにJ1では150試合で6ゴールを挙げている。
■ 千葉側が燃える要素は満載だったが・・・。この日は同じように夏に加入したDF山下もスタメンで起用されて完封勝利。MFマテウス・サヴィオも主力に定着しているので「柏は今夏の補強がうまくいった。」と言える。「1年でのJ1復帰はほぼ確実」と言える状況になったが対照的に千葉は酷い試合になった。前日の土曜日に行われた試合で大宮が徳島に敗れて、横浜FCが京都に完敗。順位が下のチームが上位チームを倒す試合が続いたが千葉は完敗だった。
千葉は2010年からJ2で戦っており、柏は2011年~2018年まではずっとJ1だった。両チームがリーグ戦で対戦するのは2010年以来。千葉にとってホームでのダービーは2010年以来だった。6月22日(土)に行われたアウェイでのダービーは0対2で敗れている。千葉はJ1昇格の可能性が消滅しており、2020年もJ2で戦う可能性が高まっているので「次に柏を倒すチャンスがいつやって来るのか?」は分からない状況である。
ただでさえ、負けられないダービーであるが「久々のホームでのダービー」である。余計に負けられない状況だったが、なおかつ、クラブのレジェンドであるMF佐藤勇が今シーズン限りで現役を引退することを表明した。今シーズンも15試合に出場しており、ボランチの準・主力として活躍しているが、引退記者会見のコメントを見聞きしても「単なる年齢的な衰えからの現役引退」ではないことは明らかである。
低迷するチームに発破をかける意味もこもった現役引退である。「次の試合が千葉ダービーになる。」という状況で現役引退を正式に表明したのもクラブやチームメイトへのメッセージだったと思うので「燃える要素」や「奮起しないといけない要素」は盛り沢山だったが攻守に完敗だった。千葉が放ったシュートはわずか4本のみ。ほとんどチャンスを作れなかった。「全く見せ場の無い試合になった。」と言える。
■ 上位倒しに期待が集まったが・・・。今の上位陣の勝ち点差を考えると「千葉が勝利した方がJ2の昇格争いは圧倒的に面白くなる。」という状況である。昇格争いのライバルになる横浜FCや山形や大宮や水戸や甲府や岡山や京都や徳島のサポーターはもちろんのこと、中立的なサッカーファンの多くも千葉の頑張りに期待をしながら千葉ダービーを観たと思うがまさしく「ジェフ千葉に期待したボク(ワタシ)がバカでした。」と思わざる得ない試合になった。
最近の柏のチーム状態は決していいとは言えない。千葉は前節はアウェイで長崎に完勝している。2位以下のチームが一気に迫って来たので柏はプレッシャーのかかる状況になっているが千葉は昇格の可能性が消滅したのでノンプレッシャーで戦うことが出来る。MF佐藤勇の引退が公表されて最初の試合で、彼にとっては最後のダービーになる。千葉側にプラスに働く要素はたくさんあったと思うが情けない試合になった。
「ダービーは全くの別物である。」というのは定説になっている。日本屈指のダービーと言われる大阪ダービーは先日の試合こそC大阪が勝利したがずっとG大阪の負けなしが続いていた。2017年や2018年はC大阪の方が上の順位だったがG大阪には勝てなかった。意地やプライドが激突するダービーは今の順位どおりの内容や結果にはならないケースが多いが今回の千葉ダービーは(珍しく)順当な結果に終わった。
プロの世界なので精神論ばかりが強調されるようになるのは決して良くないがここまで「気持ち」が感じられない試合をホームのダービーで見せてしまうというのは大きな問題である。「MF佐藤勇がこのタイミングで現役引退を表明した意味を選手やスタッフは誰1人として理解していないのでは?」と思わざる得ないほどの酷い試合になった。次にリーグ戦で千葉ダービーが実現するのはいつになるのだろうか・・・。
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