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日本代表のスタメンはどうなる? (左SB編)■ 4バックは44試合 ザックジャパンになって合計で48試合を戦っているが、そのうちの44試合は4バックでスタートしており、「伝家の宝刀」と言われた「3-4-3」でスタートしたのは4回だけ。1回目が2011年6月のペルー戦で、2回目が2011年6月のチェコ戦で、3回目が2011年10月のベトナム戦で、4回目が2013年5月のベトナム戦となるが、4試合で1勝1敗2分け。4試合で1得点だけなので、機能しているとは言い難い。
表1. 最初から3バックを採用した試合
開催日 | 区分 | 対戦相手 | スコア |
2011年6月1日 | キリンカップ | ぺルー | 0-0 |
2011年6月7日 | キリンカップ | チェコ | 0-0 |
2011年10月7日 | 国際親善試合 | ベトナム | 1-0 |
2013年5月30日 | キリンチャレンジカップ | ブルガリア | 0-2 |
結局、4バックが44試合で、3バックが4試合なので、スタメン起用されたCBののべ人数は、(2人*44試合)+(3人×4試合)=100となる。「CBでスタメン起用された回数」に着目してまとめると表2のようになる。1番多いのはDF今野(G大阪)で38回で、2番目がDF吉田(サウサンプトン)で34回、3番目はDF栗原(横浜FM)で11回で、4番目がDF伊野波(磐田)で8回となっている。
ちなみに、DF伊野波(磐田)とDF槙野(浦和)の2人はCBだけでなく、SBでもスタメン起用された経験がある。CBとSBの両方で戦力として計算されていることが分かるが、ここに来てスタメン回数が増えてきたのがDF森重(FC東京)である。2013年7月の東アジアカップの初戦の中国戦でA代表デビューを飾ったが、これ以降の10試合のうち4試合でスタメン起用されており、途中出場でも2度の出場機会を得ている。
長らく、DF栗原が日本代表のCBの3番手だったが、ここに来てその序列が変わってきたように思える。アウェーの地で3対2で勝利したベルギー戦もスタメンで起用されたが、CBのレギュラー争いに割って入る勢いである。ボランチのレギュラー争いに名乗りを挙げたMF山口蛍(C大阪)ほどフィーチャーされていないが、ブラジルW杯の初戦のコートジボワール戦でDF森重がスタメン起用されても全くおかしくない。
DF栗原は正統派のCBであるが、DF今野やDF伊野波やDF森重はキャリアのスタートはボランチで、DF今野やDF伊野波は未だにチーム事情によってボランチでプレーすることもある。また、DF吉田はプロ入り後はCBがほとんどであるが、ユースのときは長身ボランチとして活躍していた。ボランチ的な感覚を持った選手をCBのポジションで積極的に起用しているのが、ザッケローニ監督の特徴と言えるだろう。
表2. CBのスタメンで起用された回数
| | 出場時間 | (%) | 試合数 | スタメン回数 | CB限定 |
DF | 今野泰幸 | 3449 | 78.7% | 40 | 38 | 38 |
DF | 吉田麻也 | 2958 | 67.5% | 36 | 34 | 34 |
DF | 栗原勇蔵 | 1115 | 25.5% | 17 | 11 | 11 |
DF | 伊野波雅彦 | 882 | 20.1% | 19 | 10 | 8 |
DF | 森重真人 | 410 | 9.4% | 6 | 4 | 4 |
DF | 槙野智章 | 376 | 8.6% | 10 | 4 | 1 |
DF | 岩政大樹 | 301 | 6.9% | 5 | 2 | 2 |
DF | 鈴木大輔 | 90 | 2.1% | 1 | 1 | 1 |
DF | 千葉和彦 | 82 | 1.9% | 1 | 1 | 1 |
DF | 水本裕貴 | 90 | 2.1% | 2 | 0 | 0 |
DF | 近藤直也 | 14 | 0.3% | 1 | 0 | 0 |
DF | 永田充 | 1 | 0.0% | 1 | 0 | 0 |
■ サプライズはあるのか? DF永田(浦和)など短い出場時間に終わった選手もいるが、CBの選手はこれまで12名が出場機会を得ている。起用された人数としては、それほど多いとは言えないだろう。今シーズン、DF吉田はなかなか出場機会に恵まれておらず、178センチのDF今野は高さの面で不安がある。DF森重の台頭は明るい話題と言えるが、DF伊野波も危ういところがあるので、今後、サプライズ召集があってもおかしくない状況である。
経験豊富なCBというと、DF闘莉王(名古屋)とDF中澤(横浜FM)の2人の名前が真っ先に挙がってくるだろう。DF闘莉王はザックジャパンの初陣となった2010年10月のアルゼンチン戦ではメンバーに選ばれたが、怪我のため代表召集を辞退して、2011年1月のアジアカップも怪我のため不参加だったので、結局、ザックジャパンになってから、一度も、日本代表ではプレーしていない。
一方のDF中澤(横浜FM)は、原博美氏が監督代行を務めた2010年9月の2試合(パラグアイ戦とグアテマラ戦)は代表に召集されており、最初のパラグアイ戦はスタメンで出場している。その翌月の10月に行われたアルゼンチン戦は怪我の影響が考慮されたのか、最初からメンバーに選ばれておらず、結局、DF中澤も2010年9月のパラグアイ戦(H)が代表としての最後の試合になっている。
年齢を考えると2人の代表復帰の可能性は非常に低いと思うが、DF中澤の代表復帰に関しては、全く無いとは言い切れない。2013年はJ1のベストイレブンに選出されており、今なお、日本人のCBの中では有数の選手であることを証明した。非常に経験のある選手で、人間性も高く評価されているので、南アフリカW杯のときのGK川口(当時磐田)のようなサプライズ選出があってもおかしくは無い。
一方のDF闘莉王は、2013年のパフォーマンスが非常に良くなかったので、待望論も萎んでしまった。スピード系とは言えない選手に翻弄されるシーンが目立ったので、推しにくい雰囲気である。それ以外のCB候補というと、2013年のJリーグで能力の高さを示したDF塩谷(広島)とDF山下(C大阪)の2人である。日の丸を付けてプレーした経験がほとんど無い点がネックとなるが、守備だけでなく、攻撃でも貢献できる。
元日本代表のDF岩政からレギュラーポジションを奪ったロンドン五輪代表のDF山村(鹿島)もサプライズ召集の可能性はある。186センチのサイズは魅力で、彼もボランチ的な感覚を持ったCBである。さらに下のリオ世代は、DF岩波(神戸)、DF植田(鹿島)、DF西野(G大阪)など、有望なCBが目白押しであるが、本大会まであと5カ月となった。ブラジルW杯のメンバー入りの可能性は限りなくゼロに近い。
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