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【読エ】日韓戦に想う | | |　

東アジアカップという地味な大会とはいえ、我々日本のサッカーファンにとって韓国戦の勝利は格別なものである。本田や香川、長友らが欧州で勇躍し、日本人サッカー選手が世界に羽ばたこうとしている時期と重なるということもあろうが、フル代表に限れば、ここ数年韓国に負けなしというのはそれだけで評価に値する。

30年前、日本は韓国のライバルですらなかった。85年の国立と蚕室での完敗。90年代初頭の諫早での定期戦完敗後に韓国選手から「今後100年は日本には負けない」と言われた屈辱。過去の日韓戦の歩みを久しぶりに思い出してみると、この20年の日本サッカーの成長に改めて感嘆するとともに、日本に負けじと成長し続け、よいライバルであり続けてくれる韓国サッカーにも感謝の気持ちが沸く。日韓戦のみでなく、90年代から多くの韓国人選手たちがＪリーグでプレーし、謙虚で律儀な人柄で日本の若い選手たちのお手本となってきたことを私は忘れない。

そして、両国の多くの賢明な人たちと同様、私もサッカーに政治のテーマを持込む気はない。我々は純粋にサッカーに限った話をし、それを楽しみたい。スタジアムに旭日旗や政治的スローガンを掲げたり、選手がユニフォームの下にスローガンを掲げたシャツを着て、それを披露するのは国籍がどうであれ幼稚で馬鹿げた話だ。

また、今になってみれば豪州がアジア連盟に加盟したことも良いことだった。これも、アジアサッカー全体の成長と期を一にしている面もあろうが、豪州が加盟してからアジアのサッカーのレベルは間違いなく上がった。競争率が上がって日本の本大会出場の可能性が減る、と最初は詰まらない心配をしていたものだったが、お互いに成長を続け切磋琢磨し合い、常に良い対戦相手であり続けてくれていることは素晴らしい。日本にとって日韓戦がクラシコ（伝統の一戦）なら、豪州戦は日本にとってクラシコ・ホベン（新たな伝統の一戦”の意）である。

欧州まで出て行って対戦相手を探さなくても、韓国や豪州と練習試合を組めばお互いに凡その自分たちの現在地を確認することができる。同じアジアの身近な場所に、特徴は違えど世界上位を目指すレベルにあり、どの年代であれ常に100％真剣勝負をしてくれる相手がいることは素晴らしい、と改めて感じた。

(ライター紹介)

【ハンドル名】：まかび
【年　代】：40〜49歳
【性　別】：男性
【地　域】：海外

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