四月十六日、アーセナルとエバートンの試合前、黙祷があった。「さて、誰かレジェンドの命日だったか?」と思ったがボストンで起きた悲痛な爆破事故の被害者に捧げるものだった。
○欧州サッカーの文化「ああ、これが欧州サッカーの文化なのだな」と改めて思わされた。ボストンで行われていたのは、「マラソン」だ。そしてボストンはアメリカの都市だ。それでも、プレミアリーガーは彼らのために黙祷を捧げる。ヴェンゲルもカソルラもウィルシャーも、そしてその場にいた全ての観客も、あるいはテレビ観戦していた人もそうかもしれない。世界で起きていることは、全て自分達に関わりがある。多分、彼らはそう思っているのだろう。
○ではJリーグは?Jリーグはまた明後日(4月20日)に試合があるが、果たしてボストンマラソンでの出来事に、黙祷するチームはあるだろうか?
私は基本的に、「なんでも外国の方が進んでいる」という考え方は間違っていると思う。客観的に見ても明らかに日本の方が優れている部分は多いし、それはサッカー界に関してもそうだ。例えば人の礼儀正しさやマナーの点、あるいはもっと単純に失業率や犯罪件数の少なさ、この部分は明らかに日本は非常に優れた国の一つである。いわゆる日本サッカー界でサポータが揉め事を起こすことは確かに日本でもあるが、どう見ても欧州サッカー界のフーリガンの乱闘騒ぎや事故とは比較にならない。
しかし、「世界で起きている出来事は我々にも関係があるのだ」という文化や風習は、明らかに欧州サッカー人の方が進んでいる。彼らは日本3.11のために黙祷を捧げてくれたが、Jリーグはノルウェーの銃乱射事件の際、あまり黙祷を捧げていなかったように思う。
○どの部分が優れており、どの部分が遅れているのかもちろん、私が見たのはあくまでアーセナル×エヴァートンだけで、他のチームで黙祷を捧げていなかった試合もあっただろう。そして、ノルウェーの事件のために黙祷を捧げた日本人もきっといただろう。
黙祷を捧げた、あるいは捧げなかったからといって、私はその国の人間性について比べるべきでもないと思う。先に書いたとおり、日本人は間違いなく心優しく礼儀正しい民族だと私は確信している。また、安易に「グローバリズム」という言葉を使うやり方も嫌いだ。グローバリズムというのは、あくまで自国や地域の文化を大事にした上で他国と社会的に繋がりを持つという意味であり、自国の風土を無視して無理やり欧州リーグに合わせようとすることではない。
しかし、サッカー人は地域密着を大事にすると同時に、世界中の文化と繋がることも大事な使命である。この点では、Jリーグは欧州リーグに後れを取っていると言えるだろう。なので、今週のJリーグの試合前に注目したい。今はネット配信で、Jリーグの様子も普通に世界中どこでも見ることができる。是非、アーセナルとエバートンのような厳粛な黙祷を捧げるチームが現れて欲しいものだ。
追伸・これでアーセナルが勝っていたら言うことなしだったんやけどな。エバートンはええチームやわ。CL圏大丈夫かいな。
【 自己紹介文を150文字程度で記述してください。(省略可) 】:
ガンバ大阪、日本代表、アーセナルを応援する男。ジダンからサッカーを見始め、一時期サッカーと名のつくものは全部見ようとしていたが、いつのまにかアーセナル中毒になってしまった。日本代表に宇佐美と宮市が定着してくれればいいなと思っているが、現状しんどそうだなとも思っている。
(おわり)
(ライター紹介)【 ハンドル名 】:アイスフェルト
【 年 代 】:30~39歳
【 性 別 】:男性
【 地 域 】:近畿
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