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自然から切り離された視覚空間で

マーシャル・マクルーハンにとっての遺作、そして、子であるエリック・マクルーハンとの共作である『メディアの法則』がとてつもなく興味深い。 何が興味深いというと、ギリシアの時代のアルファベットの誕生が視覚による図の分離を生み出したという指摘、がだ。 まず、視覚のほかの感覚とは異なる機能として、次のようなことが指摘される。 ロバート・リブリンとカレン・グラヴェルが言っているように、われわれの視覚の第一の機能は、図をその地の上に孤立させることである(『感覚を解読する』)。これは視覚だけがもつ希有な特徴であることが文化の痕跡のなかにも見られる。視覚以外のどんな感覚も、高鮮鋭状態、すなわち強く作用するよう強いられた場合において、図を孤立させ切り離すことによって地を抑圧するというようなことはできないのである。 マーシャル・マクルーハン、エリック・マクルーハン『メディアの法則』 視覚においては、図をみるとき、地は消失することがありえる。アルファベットのような文字を読む時などは特にそうで、うしろの紙や画面が気になったら、文章などは読めない。 しかし、ほかの感覚、たとえば聴覚ではそのようなことは起きえず、ひとつの音が前景化して聞こえる時でも、うしろの騒音が聞こえなくなるということはない。触覚などはそもそもひとつの部分が図として前景化することなど起きないだろう。 さらに、視覚以外の感覚であれば、図と地は常に固定された関係にあるのではなく、感覚器をもつ人間の行動や注意の焦点の当て方によって、…

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声と文字(あるいは本というメディアについて)

「手書きであることを突き詰めれば、原稿用紙は不要だろう」 と鈴木一誌さんは『ページと力―手わざ、そしてデジタル・デザイン』のなかでいう。 「原稿用紙は、活字組版のために、出版者と印刷所の文選工の字数の数えやすさと判読の助けとして開発された」とも続けています。 そして、また、 「手書きかワープロかとの問いは、原稿用紙を捨てられるかどうかの判断をも迫る」という。 原稿用紙という存在すら忘れていた僕らには、ハッとさせられる指摘です。 あるいは、今福龍太さんは、 「オーラリティの世界に反響する音声としての言葉は、一度文字記号のなかに落ち着いてしまうと、ミメティックな能力が失われる」 と『身体としての書物』で声にだされたことばのもつ模倣的(ミメティック)な性格を指摘すれば、 酒井健さんは、『バタイユ』で、 「言葉と生の一致。言葉が言い表そうとしている生の動きをその言葉自体が帯びているということ。その言葉に生の動きが満ちていて、耳にするとその生の動きが伝わってくるということ。武勲詩の聴衆が、朗誦される詩の言葉に求めていたのはそのようなことだった」 とバタイユが愛した中世の吟遊詩人とその聴衆を結ぶ詩の口誦を評しています。

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身体としての書物/今福龍太

『ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術』を書き終えたばかり(しかも発売前)ですが、今度はインターフェイスに関する本を書きたいなと思っていて、構想を練りはじめています。 インターフェイスといっても、いわゆるユーザーインターフェイスという狭い範囲の話ではありません。ましてやGUIだけについて書きたいわけではありません。 文字や本、絵画、それから食器やこれまで歴史的に登場した民具なども含めた、もっと広い意味での人間と外界とのインターフェイスについて書くことで、現在のユーザーインターフェイス(GUIもTUIも含めて)を超えたインターフェイスの可能性を開くことができると考えています。それは白川静さんの文字学や宮本常一さんらの民具の研究、そして、バタイユの「非-知」、ベンヤミンの「幼年期」なども取り込む形でのインターフェイス論になるだろうと思います。 そうしたインターフェイス論を書く必要がありそうだなと考えていて、なんとなく構想も頭にイメージできつつあります。 当然、そうした思考をまとめていくためには、『身体としての書物』のなかで「書物とは、ただ単にそこから必要な情報や教養を得るための便利な道具ではない」と書く今福龍太さんのように、書物というインターフェイスについても考えなくてはなりません。「本とは、必ずしも簡単にデータとして利用したりコンテンツとして消費したりすることのできるメディアではない、という点こそが重要なのです」ということばを念頭におきつつ、「本と自分との関係はも…

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文字の官能性、書物としての身体

今回は『ひらめきを計画的に生み出す デザイン思考の仕事術』の出版にあたり、書籍のデザインということにあらためて考える機会がありました。 そんなきっかけもあって書籍のデザインや以前から興味をもっている文字というものの力というものに関してもうすこし考えをすすめるためのリソースがほしいなと思い、今福龍太さんの『身体としての書物』と、鈴木一誌さんの『ページと力―手わざ、そしてデジタル・デザイン』を平行して読んでいます。

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芹沢銈介の文字絵・讃/杉浦康平

芹沢銈介さんは、日本民藝運動にも参加した染色作家で、型絵染(布の代わりに紙を型紙で染めたもの)の人間国宝にもなっている人です。その芹沢さんの作品には文字を主題にした作品も多い。 例えば、下は「山」という文字を主題にした2つののれん作品。 藍色ののれんに染めだされた山文字には木が生え、雲がたなびいています。 雲は雨を降らし、木々などの植物を育てます。それが山という文字を主題とした絵のなかに端的に表現されている。 こうした芹沢さんの文字絵作品の魅力を語ってくれるのは、20年以上にわたりアジアの人びとが生み出した造形美に着目し、さまざまな形(例えば、前に紹介した『宇宙を叩く―火焔太鼓・曼荼羅・アジアの響き』など)で紹介してくれている杉浦康平さん。 杉浦さんには、昨年末に出版された『文字の美・文字の力』という本もありますが、本書 『芹沢銈介の文字絵・讃』でも芹沢銈介さんののれんや屏風、ときには着物にまで仕立てられた文字絵の魅力をアジアの図像にあらわれる文字との関連から紹介してくれています。

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漢字百話/白川静

「形のないものは本当は語ではありえない」 このことばを目にしたとき、僕は自分がどうして白川静さんの本にこんなに惹かれるのか、わかったような気がしました。人間にとっての形と意味あるいは価値。そして、その形を操る人間の日々の行為。僕はそのことにすごく関心がある。それは僕がデザインなんてものにずっとこだわっている理由とも関係しているのだろうと思います。 このことはまたあとで書くとして、まず、この本の内容に触れておくことにします。

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