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プラトンにとって、芸術は一種の魔術だった

ひとつ前の記事で紹介した『モナリザの秘密』という本のなかで、著者のダニエル・アラスはこんなことを言っている。 14世紀初頭から19世紀末にかけてのヨーロッパ絵画を特徴づけるのは、それが自然の模倣という原理のもとで描かれているということです。 ダニエル・アラス『モナリザの秘密』 一見どうということのない当たり前のことを言っているようにも思える。 だから、つい読み飛ばしそうになる一節だが、これ、ちょっと立ち止まって考えてみると結構いろんな疑問が浮かび上がってくる発言だと思う。 例えば、 「14世紀初頭から19世紀末にかけて」がそうだったら、その前はどうで、その後はどうなのか?とかというか「ヨーロッパ絵画」というけど、絵画以外ではどうなの?とかで、結局のところ、それはどういうことなの?とかとか ちょっとした文章でも読み飛ばさず、疑問をもって考えてみることって大事だよねと思う。 で、ひとつひとつ考えてみると、それぞれこんな風に答えることができる。 その前のヨーロッパ中世の時代は神の世界を描いてたし、その後の19世紀末くらいからはターナー、そして、印象派をはさんで抽象的表現が主流となり、自然の模倣から離れていく(その変化の起点ともいえるターナーに影響を与えているのがゲーテの『色彩論』における残像であり、そしてそれを起点に展開される生理学的な視覚論などだけれど、いってみればそれは17世紀以降のデカルト〜ニュートン由来の機械論的な視覚論&光学の見直しだった)というわけで、絵画以外ではど…

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イデア論という思考/文化のインフラ

プラトンのイデア論がなんだったか? そして、それが何故、どんな変遷を経ながら西洋社会に受け継がれ続けたのか? それを知ることが必要だと思います。 わからなくても、とにかく知ること! 知りたくなくても知ること!! 四の五の言わず、知ること!!!!!! とにかく、そのくらい知ろうとすることが必要なものだと思っています。 なぜイデア論云々を知るべきだと思うかといえば、それが西洋の知、しいては近代以降の僕らの文化を考える上で避けては通れないインフラのひとつだと思うからです。 さらに言えば、日本人はそういう他文化に敬意をはらうというと意味で他者に興味を示すということをしなさすぎると思うからですし、他者に敬意と興味を示すこともできない人間が自分自身や自国の文化に敬意や興味を示すことはできないと思うのはからです。

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イデア―美と芸術の理論のために/エルヴィン・パノフスキー

イデア。 強引に簡略化してしまえば、個別の事物の背後に潜む本質であるイデア。 プラトンの哲学に端をなすイデアは、17世紀の初頭のマニエリスムの時代において、芸術家の精神のなかに形成された内的素描として、実際の作品の原型と捉えられるようになる。芸術家は自身の精神のなかであらかじめ形成された内的素描としてのイデアを自身の技術を用いて絵画や彫刻などの外的素描へと移し変える。 このような理論化を最初に行ったのが、マニエリスムの画家であり芸術理論家でもあったフェデリコ・ツッカーリであり、それは1607年の『絵画、彫刻、建築のイデア』という書物のうちにおいてなされたものであることは、すでに「ディゼーニョ・インテルノ(デザインの誕生1)」で述べておいた。 ところが、本書の著者、パノフスキーによれば、そもそもイデアという哲学的概念を生み出したプラトンは決して「造形芸術に対する公正な審判者ではありえなかった」という。「プラトン哲学はやはり、芸術に敵対するとは言わないまでも、芸術に疎遠なものと呼ばれるのにふさわしいものであった」といいます。 その芸術に疎遠なはずのプラトン哲学のイデアがなぜ、マニエリスム期に至っては、芸術活動の根幹をなすものの地位を獲得するに至ったか? 古代から中世を介してルネサンス、マニエリスム、バロックの時代へと、イデアの歴史的変遷を辿ってみせるのが、このパノフスキーの『イデア―美と芸術の理論のために』という本です。 それは同時に、芸術の社会的地位や役割の変化を観察する試…

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主観と客観の裂け目の発見(デザインの誕生3)

前回の「ルネサンスの背景(デザインの誕生2)」の最後に、ルネサンスの中世からの変革の背景を支えた思想に、ネオプラトニズムがあったと書きました。 ネオプラトニズム(新プラトン主義)は、はじめ紀元3世紀頃にプロティノスによって開始され、ルネサンス期に再び盛んになった思想です。古代ローマ帝国の流れをくむ東ローマ帝国が1453年に滅亡にした際、多くの知識人が携えてきた古代ギリシャ・ローマの書物や知識がイタリアにもたらされます。中世のスコラ哲学ではアリストテレスの思想が重視されたこともあり、プラトンの思想(もしくはその思想は背景としたネオプラトニズム)はいわば忘れられた存在でした。それが東ローマ帝国からの古代の知の流入をきっかけにプラトンへの注目が集まることになる。 1463年にはマルシリオ・フィチーノはプラトン全著作のラテン語翻訳を開始し、1474年には『プラトン神学』、1475年にはプラトンの『饗宴』の注釈書の形をとった『愛について』を著します。フィチーノはさらにヘルメス文書の翻訳や実践的な占星術の研究も行っており、それをプラトン主義にも融合させていく。そのヘルメス主義を融合したネオプラトニズムは、弟子であり、ユダヤ人以外でははじめてカバラを極めた人物とされるピコ・デラ・ミランドラにも受け継がれます。 こうしたネオプラトニズムの思想が、マニエリスム期になるとツッカーリなどにより芸術理論へと統合されます。 「ディゼーニョ・インテルノ(デザインの誕生1)」で書いたとおり、ツッカーリは「わたし…

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