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既存の枠組みを冒涜して嗤え、危機感にあふれた時代に

どうやって本を選んでるですか?と聞かれることが、よくある。 その質問の意図は、ここでも紹介しているような、あまり人が読まないような本をどうやって見つけているか?ということだろう。 答えは単純。 ある本を読んでいると、その中にいろんな本が紹介、引用されているから、その中で興味をもったものを買っているだけ。僕自身からすれば、本同士が勝手につながっていく印象なので、選んでいるという感覚はあんまりない。 ただし、買ってもすぐに読むわけではなく、買って置いてある本の中から、次はこれを読もうと選んでいるのだから、やはり何かしらの基準で選んではいるのだろう。 ただ、そのときの基準は「なんとなく」でしかないので、これは答えようがない。 そんな本の連鎖がすごくうまくいく場合がある。最近もあった。 ここ数回続けて「理解する」ことに関する記事を書いた。この3つ。これが本との連鎖を生むきっかけとなった。 理解を妨げるもの発見、メタモルフォーゼ、そして、不一致の一致謎めいたものを理解しようと輪郭をつかもうとしても、不定形なそれはするりと逃げていく この3つの記事で書いてきたのは「理解する」ことと発見することの関係。そして、その発見という、未知のものが既知へと変化する際には、メタファ的な置き換え、あるいは変身ということが起こるといった話。 だいたいそのあたりが3つの記事を貫くテーマだったけど、今回運良く出会ったのもそのあたりに深く関連する本だ。それも2冊。ヤン・コット『シェイクスピア・カー…

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発見、メタモルフォーゼ、そして、不一致の一致

新たな理解が生まれるのを育むのは、すでに理解していることの背景にある枠組みである。 そんなことを前回の「理解を妨げるもの」という記事では書いた。 そして、それは新しい価値を創出するという意味でのイノベーションが生まれるのを阻害する要因でもあると。 フランス・アルルにあるレアチュー美術館での展示。 新古典主義の画家ジャック・レアチューのコレクションを元にしたレアチュー美術館のこの展示は、 レアチュー自身が古典的な均整のとれた人体像を描くのに、古代の彫刻の断片などを収集したことを示すものだが、 この展示に続けて、現代的な医学で扱われる人体をモティーフにした現代アート作品が置かれた瞬間、 科学的な身体の扱いと芸術家による人の体への関心がまったくひとつながりにつながる衝撃を感じる。 この日常的にはつながっていないモノ同士をつなぐ発見が今回の記事の主題である 実際、新たな価値の創出をめざして活動する企業内の取り組みでも、その目的とは真反対のことが起こりがちだ。 イノベーション創出のお作法に則って、エスノグラフィーなどのデザインリサーチでいろいろ情報を集めたり、オープンに多様な人を集めてのアイデアソンなどで数多くのアイデアを集めても、その後の統合作業がまったく新たな価値の種を見つけだそうとする発見の姿勢とは真逆のことが行われる。 どういうことが起こりがちかといえば、とにかく集めた情報、アイデアをすべて後生大事に積み上げ式でそこから何かを生みだそうとしてしまうのだ。 KJ…

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