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ソーシャルメディアという寄合空間

今日、会社のほうのブログの「逆パノプティコンから寄合方式へ」という記事にも書きましたが、現在、そして、これからのソーシャルな時代における企業と顧客あるいは企業と従業員の関係は、かつての村の寄合方式で見られたような「互角な立場での話し合い」ができる「同じ共同体の成員」という意味合いを色濃くしていかないと互いにうまくいかないだろうなということを強く感じています。 顧客がすでにどの企業と付き合うかをカンタンに選べ、かつ不満をもつ企業にこれまたカンタンに物申すことができるようになっているのと同様に、そのうち、企業と従業員、企業とその取引先の関係性においても間違いなくこれまでのような企業優位の形は崩れて、従業員も取引先も企業に対して対等に物申せる状況が訪れる流れになっています。 つまり、それがソーシャルテクノロジーによって実現された逆パノプティコン社会です。 政府や大企業をはじめとする既存の権威は、情報の占有・統制を通じて、その権威を構築・維持してきた。だが、ウィキリークスやフェイスブックが情報の透明化を究極まで進めることによって、既存の権威は崩壊し、新しい権威体制が再構築されていく。その可能性が示されたのである。 ジョン・キム『逆パノプティコン社会の到来』 そもそもパノプティコンとは何かというと、18世紀のイギリスの思想家、ジェレミー・ベンサムが提案した全展望監視システムをもつ刑務所や学校、病院などの施設の構想のことで、その後、ミシェル・フーコーが『監獄の誕生』という著書のな…

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塩の道/宮本常一

人間の生活やその環境・文化とデザインの関わり合いに関して、民俗学者の宮本常一さんは『塩の道』のなかで、こう書いています。 日本人は独自な美をわれわれの生活の中から見つけてきておりますが、それはじつは生活の立て方の中にあるのだといってよいのではないかと思います。生活を立てるというのは、どういうことなのだろうかというと、自分らの周囲にある環境に対して、どう対応していったか。また、対決していったか。さらにはそれを思案と行動のうえで、どのようにとらえていったか。つまり自然や環境のかかわりあいのしかたの中に生まれでてきたものが、われわれにとっての生活のためのデザインではないだろうかと、こう考えております。 宮本常一『塩の道』 「残念なデザイン。」から「デザインをする人に求められる資質」まで、yusukeさんとやりとりさせてもらいながら、僕のデザインというものの捉え方をすこし書いてみましたが、基本的に僕の捉え方は、この宮本常一さんの捉え方とおなじです。 つまり、デザインは人間が生活をどう捉えたかということの中から生まれてくるものだと思っています。 それはyusukeさんが「意味と技術から物を作るってこと」で引用している深澤直人さんの、 そのものの内側から出る適正な力の美を「張り」といい、そのものに外側から加わる圧力のことを「選択圧」という。 深澤直人『デザインの輪郭』 ということばにもつながります。 物そのものが現実にあろうとする力が内からの「張り」となり、生活がそれに外から「選…

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喜びも悲しみも大家に集まる

宮本常一さんの『日本人の住まい―生きる場のかたちとその変遷』を読んでいます。 宮本常一さんの本はこれまで読んだ『忘れられた日本人』も『日本文化の形成/宮本常一』もおもしろかったんですが、これがまた、住まいのかたちから日本人のかつての暮らしや社会がわかって、非常におもしろく感じます。 日本人の暮らしというと畳の生活を思い浮かべたりしますが、実は明治の初め頃までは土間にもみ殻や藁を敷き、その上にむしろを敷いて暮らしていた家が多かったとか、主人は納戸に寝ていて、窓のない納戸は寝床も敷いたままの万年床だったとか。意外と僕らがイメージしている日本人の昔の生活というのは、根拠のない想像であることがわかります。

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日本文化の形成/宮本常一

最近、本は相変わらずのペースで呼んでいますが、なんとなく書評を書く気にはなれなかったのですが、ひさしぶりに。 紹介するのは、すこし前に『忘れられた日本人』という日本民俗学における名著を紹介させてもらった宮本常一さんの遺稿を死後編集し出版したもの。 『忘れられた日本人』を読めば感じられるとおり、日本列島を徹底的に歩き回った宮本さんが、『古事記』や『日本書紀』、『万葉集』、『風土記』などの古代の文献を読み返しながら日本文化論がこの一冊です。

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忘れられた日本人/宮本常一

宮本常一(1907-1981)さんは、昭和14年以来、日本全国を歩き回るフィールド調査により、各地の民間伝承を収集した民俗学者です。この本で宮本さんはみずから訪ね歩いた辺境の地で聞き取りした古老たちが語るライフヒストリーをまじえながら、日本の村々の民衆の暮らしを鮮やかに浮かび上がらせています。その老人たちの話はどれも個性豊かで、それぞれが小説か民話の主人公のように活気に満ちていて、これが普通の村に暮らす民衆の姿なのかと驚かされます。 村里生活者は個性的でなかったというけれども、今日のように口では論理的に自我を云々しつつ、私生活や私行の上でむしろ類型的なものがつよく見られるのに比して、行動的にはむしろ強烈なものをもった人が年寄りたちの中に多い。これを今日の人々は頑固だと言って片付けている。 宮本常一『忘れられた日本人』 まさにこの本に描かれた老人たちは「行動的にはむしろ強烈なものをもった」人びとです。 その姿は、網野善彦さんが『日本の歴史をよみなおす』や『無縁・公界・楽 日本中世の自由と平和』で示した中世の人びと、田中優子さんが『カムイ伝講義』で明らかにした江戸期の百姓の姿につながります。また、柳宗悦さんが『工藝の道』が描いてみせた勤労な工人の姿に重なってくる。 決して豊かとはいえない生活のなかで朝から晩まで働き続けることにむしろ感謝をしめす姿勢、あるいは、閉じた村に外の世界のことを知らせるために率先して各地を放浪する世間師と呼ばれる人など、その人間としてのバイタリティの高さはとて…

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