■ FC東京とC大阪がベスト8入りを決める。 ルヴァン杯のPOステージの第2戦は7月26日(水)に行われた。FC東京 vs 広島はともにシステム変更を実施。FC東京は「3-1-4-2」を採用して、広島は「4-2-2-2」を採用した。広島のヤン・ヨンソン監督にとっては初陣となったが後半にMF室屋がミドルシュートを突き刺してホームのFC東京が勝利。2戦とも1対0で勝利したFC東京がベスト8進出を果たした。ヤン・ヨンソン監督は初陣を勝利で飾ることはできなかった。
一方、キンチョウスタジアムで行われたC大阪 vs 札幌は前半にMF秋山のクロスからトップ下のMF福満がヘディングシュートを決めてC大阪が1対0で逃げ切った。札幌ドームで行われた1戦目はC大阪が2対0で勝利しているので合計スコアは3対0。C大阪が2014年以来のベスト8進出を決めた。札幌は20年ぶりのベスト8進出を目指したが力及ばず。天皇杯も敗退しているのでJ1のリーグ戦に集中できる環境が整った。
この試合でポジティブな意味で注目を集めたのはタイ代表のMFチャナティップだった。「3ゴールが必要」という状況の中、後半頭から投入されたがスルーパスから味方の決定機を演出するなど相当なインパクトを残した。登録は158センチ。ピッチ上ではひときわ小さく見えるがテクニックは相当なレベルである。本領を発揮するのは来シーズン以降か???と思っていたが即戦力として活躍する可能性もありそうだ。
■ PKスポット付近をスパイクでグリグリ MFチャナティップのデビュー戦についてはタイ国内でも相当な注目を集めたと報じられているがネガティブな意味で注目を集めたのは札幌のMF荒野の件である。後半の終了間際にDF進藤のハンドでC大阪がPKを獲得。FWリカルド・サントスが蹴る準備を始めていたがこの時に札幌のMF荒野がPKスポット付近に寄って来てスパイクでグリグリと穴をあけている様子が動画サイトにアップされてプチ炎上している。
試合直後からこの件は一部で話題になっていた。最初にこの話を聞いたときは「そこまで問題視すべき話なのか?」と感じてあまり気に留めていなかったが実際に動画を見ると執拗にグリグリしていることが確認できた。当然のことながら、PKスポット付近をスパイクでグリグリされるのはPKのキッカーにとっては迷惑な話である。キックミスをする可能性は高まる。「極めて非紳士的な行為である。」と言うしかない。
ちなみにこのPKは取り消しになった。DF藤本康が強烈なシュートを放って札幌のCBのDF進藤がブロックに入ったが西村主審は手に当たったと判断。PKスポットを指さしたがゴールライン上にいた追加副審か、副審のどちらかから「今のプレーはハンドではない。」という助言が入ったのだろう。サッカーの試合では比較的珍しい話であるがハンド→PKはキャンセルでドロップボールで試合は再開された。
至近距離からの強烈なシュートをDF進藤がブロックしたので手だったのか?否か?を正確に判断するのはなかなか難しい。リプレーを見る限りでは「おそらくハンドはなかった。」と思えるのでPKをキャンセルしたのは妥当な判断だったと言える。「自分の目」が一番信用できるのが普通。一度、PKを宣告してしまうと他の人からの助言があったとしてもキャンセルするのは難しいが、西村主審は柔軟に対応したと言える。
VIDEO ■ 初期対応を誤ると大炎上するが・・・。 2戦合計で3対0と大量リードしているC大阪側に終了間際に与えられたPKだったのでキャンセルになったとしても試合の大勢にはほぼ影響しなかった。PKキャンセルについてはほとんど話題になっておらず、専ら、MFチャナティップとMF荒野の2人が話題の中心になっているが、MF荒野の件については「残念」と言うしかない。先の通り、弁解の余地はない。サッカーファンから批判の声が集まるのは仕方がない。
海外リーグでも似たようなことをして批判を浴びた選手がいたと聞くが例えば試合会場が札幌ドームや札幌厚別公園競技場であったらばMF荒野はそんなことはしなかったはず。Jリーグではスタジアムの芝の問題がたびたびクローズアップされるので「芝の管理は難しい。」ということは一般のサポーターにもよく知られた話である。特に被害を被ったC大阪のサポーターを含めた関係者が激怒するのは当たり前である。
「こういうのもマリーシアの一部」と肯定的に考える人もいるようだが「ピント外れ」と言うしかない。もちろん、ルールブックに「相手チームがPKを獲得したときにキックミスを誘発させようとPKスポット付近をグリグリしてはいけない。」とは書かれていないが、こういう風に相手のキッカーを妨害してPKが失敗に終わったとしても札幌の関係者は喜ぶことはできない。興ざめする行為だったというしかない。
本人はもちろんのこと、札幌というチームのイメージを損なう行為である。2012年以来のJ1復帰を果たした札幌はここまで15位。残留争いに巻き込まれているが戦いぶりは悪くない。札幌というチームに対して何となく好意的に感じていたサッカーファンは非常に多いと思うがこういう行為があると印象が悪くなる。C大阪と札幌は8月5日(土)にJ1のリーグ戦で対戦するが、不穏な空気の中で試合は行われるだろう。
注目したいのは「札幌側がどういう風な対応を見せるのか?」である。証拠となるものは動画や写真などでたくさん残っており、長時間、PKスポット付近をグリグリしていたので「全く悪意は無かった。」とは言えない状況である。初期対応を誤ると火に油を注ぐ形になって大炎上してしまうのが昨今のネット社会の怖さである。「J1リーグがいよいよ再開」という時期に札幌は厄介な問題を自ら発生させてしまった。
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