■ 第14節J2の第14節。2勝4敗1分けで勝ち点「7」のコンサドーレ札幌が、聖地の厚別公園競技場でファジアーノ岡山と対戦。岡山は2勝3敗2分けで勝ち点「8」。第13節はホームで横浜FCを1対0で下して2勝目を飾った。
ホームの札幌は<4-1-4-1>。GK李昊乗。DF高木、河合、山下、岩沼。MF芳賀、古田、ブルーノ、アンドレジーニョ、近藤。FW宮澤。MF芳賀の1ボランチ。その前にMFブルーノとMFアンドレジーニョのブラジル人コンビを置く。MFブルーノは開幕戦以来のスタメン。FW三上はベンチスタートで、FW宮澤の1トップ。右サイドバックはDF高木純平。DF山下がスタメン復帰。
対するアウェーの岡山は<3-6-1>。GK真子。DF竹田、ストヤノフ、近藤。MF金民均、千明、澤口、一柳、臼井、妹尾。FWチアゴ。DFストヤノフは出場停止から復帰。DF竹田が右ストッパー。FWチアゴはここまで4ゴールを挙げている。
■ オウンゴールが決勝点試合は、前半から札幌がペースをつかむ。左サイドのMF近藤の突破が効果的で、このエリアからチャンスを作っていく。先制したのは札幌で、前半40分にMFブルーノのパスから左サイドでボールを受けたMF近藤が縦に突破してから左足で角度のない位置からシュートを放つと、これが決まって先制する。MF近藤は今シーズン初ゴール。前半は1対0で札幌がリードして折り返す。
1点ビハインドの岡山は、後半4分にGK真子のロングキックをFWチアゴが頭で落としてMF臼井にボールが渡ると、MF臼井がタメを作ってから左サイドに展開。これをMF金民均がダイレクトで決めて決めて1対1の同点に追いつく。MF金民均はJリーグ初ゴールとなった。
追いつかれた札幌は、FW三上、MF砂川を投入。さらに後半31分にはパワープレー要因でDFチアゴを投入。前線に高さを加えると、後半38分に右サイドからセットプレーを獲得。左サイドのDF岩沼に展開し、DF岩沼が左足でクロスを送ると、岡山のDF近藤がクリアミスしてオウンゴールを誘発。札幌が2対1と勝ち越しに成功する。終盤は、岡山がセットプレーを中心にしてゴール前に攻め込むが、札幌がDF河合を中心に守りきって2対1で勝利。今シーズン3勝目を飾った。札幌は11位、岡山は17位となった。
■ 今シーズン3勝目後半4分に同点に追いつかれた札幌だったが、その後、うまく相手に圧力を加えていって、勝利を呼ぶ「勝ち越しゴール」を奪った。まず、後半13分にDF高木純に代えてFW三上を投入。久々に、1トップでプレーしたFW宮澤のプレーも悪くなかったので、どうか?と思ったが、ベンチスタートとなったFW三上はエネルギーをためていて、チーム全体が前に向うパワーが生んだ。
さらに、後半17分にMFアンドレジーニョに代えてMF砂川を投入。切り札を投入すると、後半29分にMF近藤の突破が岡山のDF竹田のイエローカードを誘発。数的優位になると、DFチアゴを入れて、そのDFチアゴが絡んで岡山のオウンゴールを誘発。石崎監督の選手交代が当たって試合の流れを札幌側に引き込んだ。
■ MF近藤祐介が活躍札幌はここまでの7試合で3ゴールと低調で、システムとメンバーをいじってきたが、これが成功した。新外国人のMFブルーノを先発で起用し、MFアンドレジーニョとともに、中盤の高い位置で起用。MFブルーノのプレーから先制ゴールが生まれた。
先制ゴールを決めたのはMF近藤で、この日も左サイドハーフに入ったが、先制ゴールに加えて、相手の退場を誘う突破を見せるなど、試合を通して相手の脅威となった。昨シーズンは1トップの位置でも起用されたが、あまり機能せず。今シーズンは左サイドでのプレーは多くなっているが、まずまずのプレーを見せている。先制ゴールのシーンは角度がほとんどなかったが、思い切ってシュートを放ったことがゴールにつながった。
札幌は第13節のサガン鳥栖戦ではわずかにシュート3本に終わったが、この日は15本のシュートを放った。攻撃陣に積極性が見られたことは非常によかったといえる。
■ 退場者を出した岡山一方の岡山は、後半28分にDF竹田が退場したことが響いた。岡山は、両ウイングバックにサイドバック的な選手を置く3バックなので、ストッパーの退場者が出ても、選手交代をせずとも、ノーマルの4バックに移行できるので、そのままでいくかと思ったが、退場者が出て7分後に、ボランチのMF金民均を下げてDF植田を投入。
DF植田をセンターバックに入れて、DFストヤノフをボランチに上げるという交代を行ったが、10人になってから、守るのか、攻めるのか、ちょっと中途半端になってしまった。J2の場合、「降格」というのがないこともあって、下位のチームでも、最後まで勝ち点「3」を狙うことが多い。考えとしては悪くはないが、退場者が出て、流れも悪くなっていたので、しっかりと守って勝ち点「1」を狙ってもよかったように思われる。
■ ブレーキになったMF一柳岡山は、攻撃では、左サイドのMF一柳のところが突破口になって、チャンスが作れそうな雰囲気はあったが、MF一柳のプレーが精度を欠くことが多く、攻めきれなかった。もともと、センターバックの選手なので仕方がないが、右利きで左足でクロスが送れないので、攻撃に時間がかかってしまう。MF一柳は動きは良くて、タイミングよく攻撃に参加できているので、余計に、まずさが目立ってしまっている。
左ウイングバックの候補としては、他には、MF田所とMF小林優がいて、彼らの方が、攻撃ではうまくプレーできるはずであるが、守備力を考えると、MF一柳が最上位になる。そのため、ここ最近は、MF一柳を左ウイングバックで固定して使っているが、相手によって、うまく使い分けていきたいところである。
■ 選手生命の危機を乗り越えて・・・この試合で、札幌のDF山下が2試合ぶりにスタメンに復帰した。今シーズン、C大阪から札幌に移籍してきて、開幕からポジションを確保していたが、第13節の鳥栖戦ではベンチからも外れた。この間、心臓疾患の疑いで、選手生命の危機にあったということで、状態が心配されたが、いつも通りのプレーを見せて勝利に貢献した。
診断の結果次第によっては、「サッカーを続けることはできなかった。」というほどだったということで、かなり怖い話であるが、ひとまず、何も問題はなかったということで、本人もチームもサポーターも一安心である。
DF山下は、C大阪時代はほとんど出番なくて、5年間で16試合に出場しただけ。今シーズン、ようやく出場のチャンスをつかんでいただけに、最初に「心臓疾患の疑い」という診断が出たときはショックだったと思うが、これを乗り越えて、さらに飛躍していってもらいたいところである。
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