■ いよいよ決勝トーナメントが開幕韓国で開催されているU-20W杯の決勝トーナメントがスタートした。D組を1勝1敗1分けの3位で通過した内山JAPANは南米のベネズエラと対戦した。B組のベネズエラはドイツ・メキシコ・バヌアツと同組だったが3戦全勝。10得点/0失点という見事な成績で首位通過を果たしている。初戦はドイツに2対0で勝利すると、2戦目はバヌアツに7対0で大勝。早々にGL突破を決めると3戦目もメキシコに2対0で勝利している。
日本は「4-2-2-2」。GK小島亨(早稲田大)。DF藤谷(神戸)、DF冨安(福岡)、DF中山雄(柏)、DF杉岡(湘南)。MF市丸(G大阪)、MF原輝綺(新潟)、MF堂安(G大阪)、MF三好(川崎F)。FW高木彰(G大阪)、FW岩崎(京都)。怪我で参加を辞退したMF森島司(広島)に代わって追加招集されたFW高木彰が初スタメン。MF三好とDF藤谷がスタメンに復帰。Wボランチはイタリア戦と同様でMF市丸とMF原輝綺が起用された。
ベンチスタートになったのはGK波多野(FC東京)、GK山口(FCロリアン)、DF舩木翔(C大阪)、DF初瀬(G大阪)、DF板倉(川崎F)、MF坂井大(大分)、MF遠藤渓(横浜FM)、FW久保建(FC東京U-18)、FW田川(鳥栖U-18)の9名。2戦目のウルグアイ戦で負傷したエースのFW小川航(磐田)を欠く日本は通常よりも1人少ない20名で戦いを続けることになった。注目の15歳のFW久保建は4試合連続でベンチスタートになった。
■ CKから決勝ゴールを献上・・・。試合はベネズエラが主導権を握る展開になる。3試合で計10ゴールを挙げているベネズエラの攻撃力を警戒した日本は守備を重視した戦いを見せる。ここまで4ゴールを挙げているMFコルドバ(19番)や158センチのドリブラーのMFソテルド(10番)など攻撃陣にタレントを抱えるベネズエラが個人技からシュートチャンスを作っていく。攻撃の形を作れない日本だったが前半25分あたりを過ぎるとリズムが良くなってくる。
0対0で迎えた後半12分にはボランチのMF市丸を起点にMF堂安がバイタルエリアでボールを受けてFW高木彰に絶妙なスルーパス。FW高木彰はキーパーと1対1の決定機を迎えたが相手キーパーが好セーブ。日本は最大のチャンスをゴールに結びつけることが出来なかった。先制ゴールの欲しい日本は後半9分にMF遠藤渓、後半18分にFW久保建、後半31分にMF板倉を投入するが大きなプラスの効果は生まれない。
試合は15分ハーフの延長戦に突入する。迎えた延長戦の後半3分にベネズエラが左サイドのCKを獲得すると8番のMFエレーラが豪快なヘディングを決めてベネズエラがついに均衡を破った。DF冨安がマークについていたが少しだけ余裕を与えてしまった。1点を追う日本は4人目の交代でFW田川を投入。最後はロングボール主体のサッカーを見せるが追いつくことは出来ず。1対0でベネズエラが勝利した。
■ 勝てるチャンスはあったが・・・。ボール支配率は日本が53%、ベネズエラは47%。シュート数はベネズエラが17本、日本は12本。枠内シュートはベネズエラが3本、日本が1本。この3つの数字だけを見ると拮抗した試合のように思えるがチャンスの数自体はベネズエラの方が多かった。CKの本数はベネズエラが6本、日本は2本だけ。CKで決勝ゴールを献上することになったが日本の選手の中で一番空中戦に強いDF冨安のところでやられてしまった。
2本連続でCKを与えたが1本目のCKもかなり危ないシーンを作られた。「(ベネズエラの選手がシュートを打って枠外に飛んだので)日本ボールのゴールキックで再開」と思ったがアゲイン。もう一度、ベネズエラにCKが与えられた。集中力が切れたわけではないと思うが拮抗した試合でセットプレーからやられて0対1で敗れるというのは残念である。結局、日本は4試合すべてで相手に先制ゴールを許している。
ベネズエラに勝利した場合はアメリカとニュージーランドの勝者と準々決勝で対戦することになったが、日本・ベネズエラ・アメリカ・ニュージーランドの4か国はサッカー大国ではない。どのチームにもベスト4入りのチャンスがあった。4チームとも「このブロックに入れたのはラッキー」と考えていたと思うが日本にもベスト4入りのチャンスはあった。上位進出の期待が膨らんでいたので悔しいベスト16敗退となった。
■ 2020年の東京五輪まであと3年ほどもちろん、大会前の時点では「厳しいグループに入ったので決勝トーナメントに進出できれば成功。」と考えていた。最低限の目標をクリアしているので今大会の内山JAPANについてはポジティブな評価を下すことが出来るが日本とベネズエラの間にどうしようもないほどの力の差があったわけではない。決定機も作れたのでベスト8に進める可能性はそれなりに高かった。欲は出てくる。残念な敗戦になった。
日本は悪くない戦いを見せたが、敢えて敗因を挙げると途中出場した選手が内山監督が思い描いていたようなプレーが出来なかった点である。MF遠藤渓、FW久保建、MF板倉、FW田川の4人を投入したが、スタメンで起用されたMF三好、FW高木彰、MF市丸、FW岩崎と比較してより良いプレーが出来た選手はいなかった。交代の人選や時間帯は決して間違っていないと思うが途中出場した選手が良さを出しきなかった。
やはり、絶対的なエースであるFW小川航を欠いた影響は大きかった。彼がいると前線でターゲットになれるので攻撃のバリエーションが増えるが、FW小川航がいないと攻撃が単調になる。3戦目のイタリア戦以降はFW岩崎がフォワードの軸に格上げされたが今大会はノーゴール。守備面での貢献度は高かったが持ち味であるスピードで相手をぶっちぎるシーンは大会を通してほとんど見せられなかった。
2020年の東京五輪まであと3年ほど。地元開催なので上位進出がノルマになるが個々のレベルアップは不可欠と言える。過去の傾向を見ても激しい生存競争の中、ずっと生き残って五輪の出場資格を得ることができるのはこの中の1/3程度。U-16やU-17やU-18の選手がこれから本格的に競争に入って来る。今大会はベスト16という結果だったが、3年後の東京五輪ではもっと上の成績を残さなければいけない。
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