■ B組よりもはるかに面白い展開になっているA組アジア最終予選は日本の入ったB組は3月23日(木)に行われた6節の試合で首位のサウジアラビアと2位の日本がともにアウェイで完封勝利。その一方で3位のオーストラリアはイラクと対戦してドロー。4位のUAEはホームで日本に0対2で敗れたので、1位・2位と3位・4位の差が広がった。現時点ではサウジアラビアと日本が半歩リードしており、日本は6大会連続となるW杯出場に大きく前進したと言える。
「B組は稀に見る大混戦」と言われていたが、現時点で面白い展開になっているのはA組である。イラン・韓国・ウズベキスタン・シリア・中国・カタールの6チームで構成されているが、有力候補だった韓国がここまで3勝2敗1分けと躓いている。表1のとおりイランが4勝2分けの無敗で首位を走っており、3位のウズベキスタンは3勝3敗で勝ち点「9」、4位のシリアも2勝2敗2分けで勝ち点「8」と食らいついている。
表1. アジア最終予選のA組の成績表 (6節終了時点)
チーム | 試合数 | 勝 | 分 | 敗 | 得点 | 失点 | 得失点差 | 勝ち点 |
イラン | 6 | 4 | 2 | 0 | 5 | 0 | 5 | 14 |
韓国 | 6 | 3 | 1 | 2 | 8 | 7 | 1 | 10 |
ウズベキスタン | 6 | 3 | 0 | 3 | 5 | 4 | 1 | 9 |
シリア | 6 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 0 | 8 |
中国 | 6 | 1 | 2 | 3 | 3 | 6 | −3 | 5 |
カタール | 6 | 1 | 1 | 4 | 3 | 7 | −4 | 4 |
■ 大変な状況になりつつある韓国代表6試合を戦って5得点/0失点のイランが2大会連続となるW杯出場を果たす可能性は非常に高い。イランの残り4試合の日程は次の通りとなるがここまでの6試合はホーム戦が2試合、アウェイ戦が4試合とややいびつだったので、終盤戦はホームゲームが多くなる。アウェイ戦は9節の韓国戦のみ。残り4試合となった時点で3位のウズベキスタンとの差は「5」。よほどのことがない限りはイランが首位通過を果たすだろう。
7節 : 中国 (ホーム)
8節 : ウズベキスタン (ホーム)
9節 : 韓国 (アウェイ)
10節 : シリア (ホーム)
気になるのは韓国の動向であるがここまで6試合で3勝2敗1分け。4節はアウェイでイランに0対1で敗れて、6節もアウェイで中国に0対1で敗れた。良く知られているとおり、中国と韓国は政治的に揉めに揉めている状況。在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を巡って中国が強硬措置を取っており、3月23日(木)に行われた中国 vs 韓国は異様な雰囲気の中で行われたが未勝利だった中国が意地を見せた。
韓国の残り4試合の日程は以下の通りとなるが「非常に厳しい。」と言える。次のシリア(H)で勝利できると少し流れが良くなると思うが、シリアはとにかく守備が堅いチームである。ここまでの6試合で2得点/2失点。シリアというと典型的なカウンター型のチームであるが6試合でわずか2失点というのは見事である。アウェイの韓国戦なので引いて守る展開になることが確実視されるがこじ開けるのはかなり大変である。
7節 : シリア (ホーム)
8節 : カタール (アウェイ)
9節 : イラン (ホーム)
10節 : ウズベキスタン (アウェイ)
■ ウズベキスタンの初出場なるか?9節はホームのイラン戦で、最終節はアウェイのウズベキスタン戦となるが、良く知られているとおり、韓国はイランを大の苦手にしている。両チームの直接対決の成績を調べてみると通算では9勝7分13敗となるが、2006年のドイツW杯以降ではイランが6勝1敗4分けと圧倒しており、直近の3試合はいずれもイランが1対0で勝利している。昨年の10月11日に行われたW杯予選もホームのイランが1対0で勝利している。
6節終了時点で韓国はホーム戦は3戦全勝。アウェイ戦は0勝2敗1分け。内弁慶になっているが大混戦なので苦手のイラン戦とは言っても9節の試合は絶対に勝ち点「3」が必要な試合である。最終節はアウェイのウズベキスタン戦となるが、「この試合で勝ったチームが2位でW杯の出場権を獲得できる。」というシチュエーションになる可能性が今の時点ではかなり高い。第3者的には非常に面白い試合になるだろう。
3勝3敗で3位のウズベキスタンの日程は以下の通りとなる。8節のイラン戦(A)をどう乗り切るのか?が大事になって来るが、逆に9節の中国戦(A)は試合前の時点で中国のW杯出場の可能性が消滅していることが考えられる。中国にとって「消化ゲーム」になっている可能性があるのはプラスの要素と言える。「アジアの中でも力のあるチームの1つ」と言われているがまだW杯は未経験。国の歴史を変えることが出来るか。
7節 : カタール (ホーム)
8節 : イラン (アウェイ)
9節 : 中国 (アウェイ)
10節 : 韓国 (ホーム)
2位の韓国と4位のシリアの差も「2」のみなのでシリアの動向も無視できないが日程的にはかなり恵まれている。もちろん、7節の韓国戦(A)は大変な試合になると思うが、8節と9節はホーム2連戦。イラクと同様で内戦の影響で国内でホーム戦が開催できないので中立地(※ ここまでの3試合は全てマレーシア開催)での試合になってしまうが、5位の中国と6位のカタールとの2連戦なので一気に勝ち点を伸ばす可能性がある。
最後イラン戦になるが、今の流れで行くと試合前の時点でイランはすでにW杯出場を決めている可能性が高い。イランにとって消化ゲームになることが予想されるので勝機はある。ちなみに3位になるとB組で3位になったチームと4次予選を戦って、その勝者が北中米カリブ予選で4位になったチームとW杯の出場権をかけて最終激突するが、4次予選ならびに大陸間プレーオフを勝ち抜くのは相当に大変である。
7節 : 韓国 (アウェイ)
8節 : 中国 (ホーム)
9節 : カタール (ホーム)
10節 : イラン (アウェイ)
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