■ 波の大きいシーズンだった2015年フランス出身のモンバエルツ監督を招聘した横浜FMは15勝9敗10分けで勝ち点「55」。終盤までチャンピオンシップ出場の可能性を残したが、最終的には7位という順位だった。1stステージは6位で、2ndステージは5位という成績だったが、波の大きいシーズンだった。1stステージの10節から4連勝して一気に勝ち点を積み上げたが、14節から9試合勝ちなし。2ndステージは開幕から5試合勝ちなしと出遅れた。
しかしながら、2ndステージの6節から10試合負けなし。10試合で8勝2分けと快進撃を見せた。16節で鹿島に敗れたが、最後の12試合は8勝1敗3分け。前半戦はほぼ試合に出場できなかったMF中村俊が驚異的なパフォーマンスを見せてチームを引っ張った。2ndステージの序盤の未勝利が続いた時期はMF中村俊をボランチで起用するなど起用法を模索したが、トップ下に固定してからチームは落ち着くようになった。
結局、「4連勝→9試合勝ちなし→10試合負けなし」ということで強い時期は非常に強くて負けそうな雰囲気はなかったが、流れが良くない時期は何をしても上手くいかなかった。2ndステージに関しては優勝を狙える力はあったと思うので、出遅れてしまったのは勿体なかったが、開幕前の評価がそれほど高くなかったことを考えると年間7位というのは決して悪くはない。MF喜田など若手が台頭したのも大きかった。
■ ベテラン中心のチームと思われているが・・・。モンバエルツ監督の続投は決定。37歳のMF中村俊とDF中澤は健在。未だにリーグ屈指の選手であることを今シーズンも証明した。サッカー選手の寿命は昔と比べるとはるかに長くなっているが、一般的には35歳を超えるといつ急激な衰えがやってきても不思議はない。年齢的な衰えの心配があることは否定できないが、今シーズンのプレーぶりを考えるとまだ少なくとも2年くらいはチームの中心として活躍するだろう。
この2人がいるので「ベテラン中心のチーム」と思われがちであるが、今の横浜FMは脂の乗り切った中堅世代の選手が中心なので平均年齢自体はそこまで高くない。平均年齢は28.28歳。高い方から数えるとリーグで8番目、低い方から数えるとリーグで10番目。J1平均が27.92才なので「平均よりも少し高い。」という程度。MF中村俊とDF中澤が平均年齢を上げていることを考えると問題視するレベルではない。
年間順位 | クラブ名 | 平均年齢(才) | リーグランク | 平均身長(センチ) | リーグランク |
1 | サンフレッチェ広島 | 29.70 | 3 | 177.91 | 12 |
2 | 浦和レッズ | 28.57 | 5 | 176.33 | 18 |
3 | ガンバ大阪 | 28.09 | 10 | 178.02 | 10 |
4 | FC東京 | 28.24 | 9 | 179.53 | 3 |
5 | 鹿島アントラーズ | 26.11 | 17 | 177.99 | 11 |
6 | 川崎フロンターレ | 28.09 | 10 | 176.79 | 15 |
7 | 横浜Fマリノス | 28.28 | 8 | 177.64 | 13 |
8 | 湘南ベルマーレ | 26.15 | 16 | 176.65 | 16 |
9 | 名古屋グランパス | 28.57 | 5 | 180.02 | 1 |
10 | 柏レイソル | 26.71 | 14 | 177.29 | 14 |
11 | サガン鳥栖 | 27.38 | 12 | 178.56 | 7 |
12 | ヴィッセル神戸 | 26.98 | 13 | 179.33 | 4 |
13 | ヴァンフォーレ甲府 | 30.36 | 1 | 176.61 | 17 |
14 | ベガルタ仙台 | 28.48 | 7 | 178.61 | 6 |
15 | アルビレックス新潟 | 25.94 | 18 | 179.96 | 2 |
16 | 松本山雅 | 28.61 | 4 | 178.23 | 9 |
17 | 清水エスパルス | 26.30 | 15 | 178.36 | 8 |
18 | モンテディオ山形 | 30.08 | 2 | 178.86 | 5 |
大幅な選手の入れ替えは考えにくいが、サンパウロFCから期限付き移籍中のMFアデミウソンは退団が濃厚と報じられているので「この穴をどう埋めるのか?」が一番の注目点となる。MF藤本淳、MF兵藤、MF天野純、MF仲川などが候補となるが、ややパンチ力不足。33試合で8ゴールという成績だったが、MF中村俊とMF齋藤学に集中しがちな相手のマークを分散させる役割も担っていた。ダメージは小さくない。
■ 人気銘柄にアタックしているが・・・。現時点では甲府のMF阿部拓、松本山雅のMF前田直に興味を示していると報じられている。両名とも自分で仕掛けることが出来る選手で点を取る形も持っている。獲得できれば2列目のレギュラー候補であり、後者に関してはMF中村俊が年齢的に厳しくなった後の攻撃陣を引っ張っていく存在になれる選手だと思うが、とにかく2人の獲得を希望しているチームは多いので、獲得に成功するかどうかは微妙なところ。
その他では湘南のDF遠藤航に獲得オファーを出したと報じられている。ボランチとCBを中心に守備的なポジションであればどこでもプレーできる選手なので、当然、獲得できれば大きな戦力となるが、同様にDF遠藤航も今オフの人気銘柄の1人になっており、鹿島や川崎Fや名古屋なども本腰を入れて獲得レースに参加している。「浦和が最有力」とも言われており、横浜FMが競り落とす可能性はあまり高くない。