■ ガーロ新監督の初戦ガーロ監督が就任して、注目のFC東京がホームで大分トリニータと対戦して、2006年のスタートを切った。
FC東京のシステムは、<4-1-2-2-1>。徳永、茂庭、増嶋、鈴木の4バックで、中盤は下がり目に伊野波、前目に今野と梶山で、フォワードはササがトップで、下がり目にリチェーリとルーカス。対する大分トリニータは<3-5-2>で高松とオズマールの2トップでスタート。
開始4分に先制したのは、FC東京で、カウンターから左サイドに流れたFWリチェーリが中央にグラウンダーのクロスを送ると、FWササが右足アウトサイドでうまく合わせた。
さらに、前半27分に、MF今野のスルーパスを受けたリチェリーリが、飛び出したキーパーをかわしてシュートを決めて、追加点となった。対する大分は、左サイドの根本を基点に何度か、シュートチャンスを迎えるも、決定機はほとんど無く、そのまま、2対0でFC東京が勝利した。
■ フレッシュなメンバーFC東京は、怪我のジャーンの代わりに増嶋、移籍した加地の代わりに右サイドバックに徳永、ボランチの底にルーキーの伊野波、不動の左サイドバックの金沢に代えて鈴木を起用するなどフレッシュなメンバー構成だった。
まだまだ未完成であるが、FC東京の攻撃は、なかなか見ごたえがあった。昨シーズンと大きく変わったのは、
① 両サイドバックの攻撃参加
② 中盤の構成
③ 下がり目のルーカス
昨シーズンのサイドバックの加地と金沢も攻撃に持ち味のある選手だが、今シーズンの徳永と鈴木はそれ以上。特に、左サイドバックにコンバートされた鈴木規郎はガーロ新体勢の目玉の一つで、加地と金沢がタイミングを計って周囲に生かされながら前にスペースがあれば上がっていくのに対して、徳永と鈴木は自分で運んで、サイドを突破できるのが魅力。
■ 魅力的な中盤の構成中盤の構成に関しては、基本は中盤は下がり目に伊野波で、前目に今野と梶山の二人を配置しているが、非常に流動的。目立つのは、今野。行動範囲が広がってより自由に動くことが出来るので、今野の良さがさらに発揮されていて、チームの心臓。
伊野波は、前評判どおり運動量も多く、堅実なつなぎで間違いなく即戦力である。期待の梶山は、この試合ではいまひとつだったが、チームにフィットして本来の実力を発揮するようになれば、恐ろしく魅力的な中盤になるだろう。
■ 下がり目のルーカスこの試合でキーポイントになっていたのは、下がり目に入ったルーカス。過去2年は1トップに出場することが多かったが、もともとストライカーというよりはチャンスメーカータイプの選手なので、下がり目の位置の方が持ち味を発揮することが出来る。
昨シーズンは、シーズン途中に本格派のストライカーであるFWササが加入した後、ルーカスとササの共存を図ったがうまくいかずに終わったが、この試合では、ササの持ち味も、ルーカスの持ち味も発揮されていた。つなぎでも、守備面でも貢献度が高く、この試合のMon of The Matchだった。
■ 存在感を増す茂庭DFラインでは、茂庭の存在感が増していて、今シーズンは相当な活躍をするのではないかと思う。外国人枠の問題で、ササ、ルーカス、リチューリ、ジャーンの4人のうち1人は外れることになるが、茂庭が、若い増嶋を率いてこの試合のようなパフォーマンスを見せることが出来るのなら、ジャーンを外すという選択肢も有りなのかもしれない。
今日の2点がいずれもカウンターで取ったゴールだったように、チームカラーの堅守速攻のカラーはまだ色濃く残っている。これに、ガーロ監督の求める繋ぐサッカーがミックスされれば、非常に面白いサッカーとなると思う。
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