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【FC東京】都民ファーストの会・筒井ようすけ氏のツイートは炎上するほどの内容だったのか？ | | |　

■　8点差以上が付いた試合は7回目

J1は川崎Fの連覇が確定した。横浜FMのACL出場も確定したが先日の横浜FM vs FC東京は8対0という驚きのスコアになった。前半39分にDF森重が2枚目のイエローカードを受けて退場。FC東京が10人になったのは大きかったが横浜FMがゴールラッシュを見せた。日本代表に選出されたFW前田大はハットトリック達成する大活躍だったがJリーグの試合(リーグ戦のみ)で8点差以上が付いたのは今回で7回目となる。

1998年に磐田が9対1でC大阪に勝利しており、2003年には大分がアウェイで神戸に8対0で勝利した。2015年には昇格1年目の山口がJリーグ・アンダー22選抜に8対0で勝利しており、2016年には清水が8対0で群馬に勝利した。2019年には逆に清水がホームで札幌に0対8で敗れており、記憶に新しいところでは2019年の最終節(=42節)で柏がホームで京都に13対1と大勝した。FWオルンガは8ゴールを挙げている。

1993年～2021年の29年間でわずか7試合のみ。「8点差以上が付く試合」というのは極めてレアであることは良く分かるが横浜FM vs FC東京の結果を受けて都民ファーストの会に所属する筒井ようすけ氏が自身のTwitterで以下のようなツイートをして炎上した。

「横浜と対戦して、プロサッカーではあり得ない、8-0、というスコアで大敗したので、当然と言えば当然。首都チームにふさわしく優勝争いに絡めるべく、次期監督に期待したい。あと中盤の補強も」

東京都で活動する政治家なのでFC東京に対しての思い入れは強いと思われる。わざわざツイートしたことを考えると熱烈なFC東京のサポーターだった可能性はかなり高いと思うが率直に言うと「炎上するほどのツイートではない。」と思う。ほぼほぼ事実であり、監督に関するコメントも翌日の長谷川健太監督の辞任のニュースが流れた後の話である。「次期監督に期待したい。」というのはごく当たり前の感情である。

■　11月9日(火)に謝罪のツイート

先のとおり、「プロではあり得ない8-0というスコア」というのもおかしな表現ではない。「こんな大敗をするチームは首都のチームにふさわしくない。」というのであれば批判を受けても仕方がないが「首都チームにふさわしく優勝争いに絡めるべく」というのであれば同じようにおかしなコメントではない。「当然と言えば当然」というコメントは監督の辞任につながっていくと思うが同じく的外れなコメントではない。

結局、11月9日(火)に「私の言葉足らずの拙い表現により、不快に思われた方々に対し、お詫び申し上げます」と謝罪をしたが「炎上するほど問題のあるツイートではないので謝罪する必要はなかったのでは？」と個人的には思う。「あと中盤の補強も」という箇所を既存の選手を侮辱していると感じた人はいるかもしれないが最終ラインやFWと比べると中盤が今オフのFC東京の補強ポイントであることは確かである。

「政治家がサッカーなどスポーツを語るべきではない。」という意見もあるが一ファンとして一サポーターとしてコメントするのは自由である。しかも、Jリーグの場合は地域密着をうたっており、その地域の知事や市長などを中心とした政治家との結びつきは今後の成長や発展のためには不可欠なことである。最終的には頼りにしないといけない政治家にサッカーファンは怖いというイメージを植え付けるのは宜しくない。

■　世の中の空気はギスギス

コロナに伴う自粛続きのイライラ感もあって昨今は世の中の空気がギスギスしているが「炎上した。」と言いながらこのツイートにカリカリしている人はどの程度いるのか？という気もする。すでに触れた通りでツイートの内容はごく普通の話であり、選手や監督やクラブや対戦相手やサポーターを侮辱したり、揶揄するようなツイートではない。「私の言葉足らずの拙い表現」と謝罪したが拙い表現というわけでもない。

ここ10年ほどの間にスマホが普及して誰もが簡単に自分の意見を述べることが可能になったが「ネット上では自民党に対する批判の声が多くて自民党に対して強い逆風が吹いているかのように思えたにも関わらず、先の総選挙で自民党を含めた与党が圧勝して立憲民主党や共産党が惨敗した。」という結果を見ても分かるとおり、ごく一部の過激な考えを持つ人の声を国民の声と錯覚してしまいがちな社会になってきた。

「政治家など有名人が炎上した場合はすぐに謝るのがベター」というのは間違いないと思うが安易に謝罪することでごく一部の過激な考えを持つ人が調子づいてしまうというマイナスの側面もある。今回の総選挙で立憲民主党や共産党が惨敗した一番の理由は「ごく一部の過激な考えを持つ人の声を大多数の国民の声と錯覚し続けたこと」だと思うがサッカー界もJリーグも気を付けないとおかしな方向に導かれてしまう。