米澤穂信(よねざわ ほのぶ)とは、日本のミステリー作家。愛称は「よねぽ」。
1978年岐阜県生まれ。岐阜県立斐太高等学校[1]、金沢大学文学部卒業。在学中に個人小説サイト「汎夢殿」を開設し作品を発表(現在は当時の作品を読むことは出来ない)。北村薫の『六の宮の姫君』を読んでミステリー作家を志す。デビュー作『氷菓』ももともとはサイトに掲載されていた作品だった。
大学卒業後、2001年に『氷菓』で第5回角川学園小説大賞のミステリー・ホラー部門奨励賞を受賞。当時、ミステリ人気に便乗して角川スニーカー文庫が展開した「スニーカー・ミステリ倶楽部」の第1弾として刊行され、デビューを果たす。
が、ライトノベルと児童文学小説を取り違えているとしか思えない初版本の装丁のせいもあってか、「地味ながら良作」という評価は受けたものの売り上げは芳しくなかった。続いて刊行された〈古典部〉シリーズの続編『愚者のエンドロール』では高野音彦の表紙イラストがついてようやくライトノベルらしくなったが、売れ行きは伸びず、「スニーカー・ミステリ倶楽部」がポシャってしまったこともあり、スニーカーからは本が出せなくなる。
しかし捨てる神あれば拾う神あり。笠井潔の推薦を受け、東京創元社に拾われ、宙に浮いてしまっていた〈古典部〉シリーズの3巻を独立作品に書き直した『さよなら妖精』を2004年に刊行。これが「このミステリーがすごい!」で20位にランクインし、青春ミステリの書き手として注目を浴びる。
このことで一度は打ち切りになった〈古典部〉シリーズも、2005年に単行本として『クドリャフカの順番』が刊行され復活を果たした。
以降、〈古典部〉シリーズや〈小市民〉シリーズなど「日常の謎」系の青春ミステリを中心に作品を発表していき、主に若い世代の圧倒的な支持を得て、押しも押されぬ人気作家となっていく。
2010年には『インシテミル』が映画化され映画の出来はさておき文庫版がベストセラーに。
2011年、『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞を受賞。本格ミステリ大賞と山本周五郎賞にもノミネートされたが惜しくも落選した(本格ミステリ大賞では受賞作に2票差の次点だった)。
2012年には〈古典部〉シリーズが『氷菓』のタイトルで京都アニメーションからアニメ化。アニメファンの間でも一躍米澤穂信フィーバーが起こる。
2014年、『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞、第151回直木賞候補。
さらに『満願』は、早川書房『ミステリが読みたい!』、文藝春秋『週刊文春ミステリーベスト10』、宝島社『このミステリーがすごい!』の年末ミステリーランキングにおいて国内1位に選ばれ、三冠を制覇。史上初の快挙を達成した。
2015年『王とサーカス』でまたもや上記ランキング3つを制覇。2年連続の三冠を達成するというという前人未到の快挙を果たす。
2021年『黒牢城』で第12回山田風太郎賞を受賞、『このミス』『週刊文春』『ミス読み』に加えて原書房『本格ミステリ・ベスト10』を加えた4ランキング全てで国内1位の完全制覇(史上初)を達成。翌2022年、同作で第166回直木賞&第22回本格ミステリ大賞を受賞。同一作品での直木賞と本ミス大賞のダブル受賞は東野圭吾『容疑者Xの献身』以来2例目。
2023年『可燃物』で『このミス』『週刊文春』『ミス読み』の三冠を四度目の達成。
『インシテミル』以降は作風の幅も広げていき、本線の青春ミステリを書き続けつつも、『折れた竜骨』では剣と魔法のファンタジーでの特殊設定ミステリ、『満願』では連城三紀彦や泡坂妻夫へオマージュを捧げた端正な大人の短編ミステリ、『王とサーカス』では海外の実際の事件を題材にジャーナリズムを主題にした社会派ミステリ、デビュー20周年を迎えた『黒牢城』では初の戦国時代を舞台にした時代本格ミステリと、多彩なミステリーを書き分けて、何を書いてもハイクオリティという作家的技量の成熟ぶりを見せつけている。
それでいて何を書いても根っこはあくまで本格ミステリという部分は一貫しており、どんな形式であれ「ミステリであること」に対して決して手を抜かないところが、ブレイク以降ずっと第一線のミステリ作家として世代を問わず評価されている所以であろう。
2024年は〈小市民〉シリーズ15年ぶりの長編完結巻『冬期限定ボンボンショコラ事件』が4月に刊行され、本人曰く「時期が被ったのは偶然」とのことだが、7月から〈小市民〉シリーズのアニメ版が放映された。2025年には第2期が放映予定。
今後については、「小説 野性時代 特別編集 2024年冬号」から星野源とコラボしたリーガルミステリ『石の刃』を連載開始。文藝春秋から出るって話だった悪女ものの長編はどうなったんだろう。また、もう少し先のことになるようだが〈古典部〉の次は長編の予定とのこと。
ファンの間では料理好きとしても知られており、ブログに載せたジャージャー麺がおいしそうでしたと言われた際に「あんなものは基礎です」と答えるお茶目な一面も。
また、苦い結末を迎える著作が多いのに対し、取材の記者やイベントで会ったファンからは非常に上品なしゃべり方で優しそうな人物だと評されることも多い。
ゲーマーとしても知られており、作品にもゲーム由来の人名やシューティングゲームをネタにしたSSを書いたりもしている。特に『タクティクスオウガ』の大ファンであり、同じくミステリ作家の宮部みゆきと共に、開発者である松野泰己氏と対談をしている。
コーヒーとイブプロフェンを愛用しており、Twitterではもっぱらそれらのネタが多い。
2014年に結婚のニュースが流れたが、本人からの言及はなかった。
しかし、2015年のインタビュー記事でさらりと妻の存在に触れており公式に結婚が明らかになった。
(とはいえ、2014年の時点で某氏がツイートで「あらためておめでとうございます」と発言していたためほとんど周知の事実となってはいたのだが)
特記のない作品は長編。
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掲示板
125 ななしのよっしん
2024/05/02(木) 16:02:31 ID: c4bz3wFwe2
小市民シリーズの終わり方は良い意味で意外だった
もっとほろ苦い結末にするかと思った
126 ななしのよっしん
2024/05/05(日) 23:01:12 ID: J7i7tbcw5Q
逆に古典部の方はまだビターな終わり方しそうな予感が拭えなくて怖い
いやそもそも続きが(ry
127 ななしのよっしん
2024/11/27(水) 08:27:48 ID: c4bz3wFwe2
千反田さんと小山内さん、どっちが異性として好き?って質問に「どっちも高校生だから異性として意識はしないです(笑)」って答えてた
な、なんだと・・
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最終更新:2024/12/23(月) 11:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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