今邑彩(いまむら あや)とは、日本の推理小説家・ホラー作家である。
1955年、長野県生まれ。本名の今井恵子名義での星新一ショートショート・コンテスト投稿を経て、1989年、《鮎川哲也と十三の謎》の「十三番目の椅子」募集(のちの鮎川哲也賞)に『卍の殺人』で入選、デビュー。
主にミステリとホラーを両輪として発表。ミステリ方面では、国内の女性ミステリ作家の中でも非常に本格ミステリ度の高い作風で知られた。ホラー方面では「世にも奇妙な物語」風の短編を得意とし、実際に「世にも~」で短編2作品(「穴二つ」が「ネカマな男」として、「家に着くまで」が「推理タクシー」として)が映像化されている。
また、ミステリとホラーを融合させ、ホラー的な謎にミステリ的解決を与えるものや、逆にミステリ的解決の後にホラー的なオチが待つ作品も得意とした。後の三津田信三のライトな先駆けであったとも言える。
しかし文学賞や「このミス」等のランキングには縁が無く、日本推理作家協会賞の候補に4回なった程度で、ベストセラーにも長く縁がなかった。
21世紀に入ってからは作品発表も減少し、忘れられた作家になりかかっていたが、2010年頃から『ルームメイト』の中公文庫版が書店の仕掛けで突如として売れはじめ、30万部を超えるベストセラーに。これによって品切れとなっていた過去作品が続々と中公文庫で復刊され、現在は『大蛇伝説殺人事件』と《蛇神》シリーズ(全4巻)以外の全作品が中公文庫か集英社文庫で読めるようになった。
2013年3月、自宅で病気のため亡くなっているのが発見された。死後1ヶ月ほど経過しており、ようやく作品が再評価されたところでの寂しすぎる孤独死であった。没後、『ルームメイト』が映画化され、また未収録短編をまとめた『人影花』が中公文庫から刊行された。
『ルームメイト』以外の作品では、ミステリ系の長編では本格ファンの間で密かに評価の高い『ブラディ・ローズ』、講談社ノベルスで綾辻・有栖川復刊セレクションに選ばれた『金雀枝荘の殺人』、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』本歌取り作品である『そして誰もいなくなる』、警察小説と見せかけてホラーと本格ミステリを融合させた作品『i 鏡に消えた殺人者』などをオススメしたい。短編集の『時鐘館の殺人』も必読。ホラー系では『よもつひらさか』や『鬼』のような短編集からどうぞ。
(動画がありますが貼らないでおきます)
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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