1977年福岡県生まれ。福岡大学附属大濠高校卒。高校卒業後、実家のペンキ屋で働いていたが、一念発起して作家を目指し、2004年に佐藤憲胤名義の『サージウスの死神』で群像新人文学賞の優秀作を受賞しデビュー。純文学作家として2冊の単行本を出したものの、純文学では全く芽が出ずに終わる。
その後、純文学の世界に見切りをつけてミステリーの江戸川乱歩賞に応募。2016年、2度目の応募作である『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞し、佐藤究名義で再デビューを果たした。「家族全員が殺人鬼」という一家を主役にした(乱歩賞作品としては)異色作の『QJKJQ』はわりと賛否両論で(選考委員で強く推した有栖川有栖の「平成の『ドグラ・マグラ』だ」という評言が読者には明らかに過大評価と受け取られたのもある)、この時点では「乱歩賞というよりメフィスト賞作家みたい」という風に見られていた節がある。
2017年、現名義での第2作として発表したSF大作『Ank: a mirroring ape』で評価が急上昇。第20回大藪春彦賞と第39回吉川英治文学新人賞をダブル受賞し、近年の乱歩賞作家の中でも一気に出世株に躍り出た。
そして2021年、約4年ぶりの新刊『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞と第165回直木賞をダブル受賞。両賞のダブル受賞は史上2人目、吉川英治文学新人賞との三冠制覇は宮部みゆき、船戸与一、恩田陸に次いで史上4人目の快挙になった。
2024年には『幽玄F』で第37回柴田錬三郎賞を受賞。
いい意味でB級な雰囲気を残す、とにかく勢いと面白さを重視したスケールの大きな物語と苛烈な暴力描写が作風の軸だが、『Ank:』でのAIと霊長類研究を通して人類の存在の謎に迫る、というような知的興奮をかきたてる緻密なディテールや思索がそれと共存するのが特徴。本人曰く『Ank:』は「A級の面白さのB級映画」を目指し、『テスカトリポカ』は『ダークナイト』みたいな作品を編集者からリクエストされて書いたのだそうである。
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最終更新:2025/01/09(木) 08:00
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