斜線堂有紀 単語

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シャセンドウユウキ

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斜線堂有紀(しゃせんどう ゆうき)とは、日本小説家

概要

1993年秋田県生まれ、埼玉県育ち。幼少期の頃は病弱の中で本ばかり読んでいたといい、小学生のときにはやみねかおるミステリーの面さを知り、中学生のときに佐藤友哉の〈サーガ〉に衝撃を受けて、純文学海外文学を読むようになったという。

高校生の頃から純文学の新人賞に投稿し、河出書房新社の文賞で三次選考まで残ったこともあったが、純文学の新人賞だけだと数が少なかったので、選評の貰える電撃小説大賞にも投稿するようになる。
上智大学在学中の2016年、『キネマ探偵カレイミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞。翌年に同作がメディアワークス文庫から刊行されデビューライトノベルの新人賞からデビューしたが、ライトノベルはほとんど読んだことがなかったとか。なお、メフィスト賞にも高校生のときに投稿したことがあるが座談会で大変なことになってそれきりでやめたexitそうである。

2018年、『キネマ探偵』が全3巻で完結したのち、初の単発作品としてメディアワークス文庫から出た『私が大好きな小説家を殺すまで』が評判となり、以降旺盛なペースで作品を発表していく。
2020年発表の特殊設定ミステリ楽園とは探偵の不在なり』は「このミステリーがすごい!」6位、「週刊文春ミステリーベスト10」3位、「本格ミステリ・ベスト10」4位、「ミステリ読みたい!2位」と各種ミステリランキングで上位に入り、第21回本格ミステリ大賞補にもなった。

2024年にはSF短編集『回』で第44回日本SF大賞と第45回吉川英治文学新人賞補入り。

また、2020年始動のメディアミックス企画神神化身』の原作小説や、漫画魔法少女には向かない職業』(作画片山陽介、全4巻)の原作などでも活動中。

は雑に一言で言えばエモい。「大切な人死体大な金銭的価値が生まれたら?」(『の終わりに君が死ね完璧だったから』)、「人が150人以上を自殺させた殺人犯だったら?」(『に至る病』)など、感情と倫理とが対立するシチュエーションや、「才を失ったかつての天才」のようなどうにもならない決定的な喪失を背負った者のその後を描いて、読者の感情と倫理観を揺さぶるタイプの作品を最も得意とする。
デビュー作の『キネマ探偵』は端的に言えば同レーベルの大ヒット作『ビブリア古書堂の事件手帖』(三上延)の映画バージョンみたいな作品だったが、そこからがらりと雰囲気が変わり転機となった『私が大好きな小説家を殺すまで』は、「これはさすがに……」と編集者に難色を示されたのを、かなり理を言って出してもらったそうである。[1]

そういう作なので恋愛小説青春小説が基本線だが、本格ミステリホラーSFまでジャンルも様々。かなりの速筆で、書き下ろしアンソロジーの類いにも多数参加している。基本的に一部を除いて作品は単発もの、今のところシリーズものは長くても全3巻なので、気になった作品から手に取ってみるといいだろう。

作品リスト

  1. キネマ探偵カレイミステリー2017年メディアワークス文庫
  2. キネマ探偵カレイミステリー 〜再演奇縁のアンコール2017年メディアワークス文庫
  3. キネマ探偵カレイミステリー 〜輪転不変のフォールアウト2018年メディアワークス文庫
  4. 私が大好きな小説家を殺すまで2018年メディアワークス文庫
  5. の終わりに君が死ね完璧だったから2019年メディアワークス文庫
  6. 死体埋め部の悔恨と青春2019年ポルタ文庫
  7. コールミー・バイノーネーム2019年星海社FICTIONS)
  8. 純文学 1ページられる先輩と私の不思議物語2019年宝島社文庫
    → さよならに取られた傷だらけ 不純文学2024年、河出文庫[増補版])
  9. 詐欺師天使の顔をして2020年講談社タイガ
  10. に至る病2020年メディアワークス文庫
  11. 楽園とは探偵の不在なり2020年早川書房2022年ハヤカワ文庫JA
  12. 死体埋め部の回想と再2020年ポルタ文庫
  13. ゴールデンタイムの消費期限2021年祥伝社2024年角川文庫
  14. 神神化身 回想2021年KADOKAWA
  15. 遊園地殺人2021年実業之日本社2024年実業之日本社文庫
  16. じゃないならこれは何2021年集英社
  17. 願いの始まり 神神化身2022年KADOKAWA
  18. あなたへの挑戦状2022年講談社) - との競作
  19. 君の地球らになりますように2022年集英社
  20. 2023年早川書房
  21. 本の背が最後に残る2023年光文社
  22. プロジェクトモリアティ01 絶対に成績が上がる塾2024年、ナゾノベル
  23. が人をすことなかれ2024年集英社
  24. ミステリトランスミッター 謎解きメッセージの中に2024年双葉社
  25. プロジェクトモリアティ02 正義の探偵と育祭の2024年、ナゾノベル

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関連項目

脚注

  1. *この話は若林踏『新世代ミステリ作家探訪』で本人が語っている。
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