沼田まほかるとは、日本の小説家。湊かなえ、真梨幸子とともにイヤミス作家として知られる。
1948年大阪府生まれ。お寺の一人娘として生まれ、結婚して主婦となり、大阪文学学校で創作を学んだ。その後離婚して僧侶になったり、建設コンサルタント会社を経営したりしたのち、2004年に『九月が永遠に続けば』で第5回ホラーサスペンス大賞を受賞し、2005年にデビュー(ちなみに同じ回の特別賞が道尾秀介)。「まほかる」という変わったペンネームの由来は不明。
デビュー後しばらくの間は、業界ではぽつぽつ評価されたものの商業的には決して目立った作家ではなかった。しかし2011年に刊行した『ユリゴコロ』が評判を呼ぶと、なぜか同時にデビュー作の『九月が永遠に続けば』の新潮文庫版が突然バカ売れし始め[1]、真梨幸子の『殺人鬼フジコの衝動』とともに60万部を超えるベストセラーになる。派生して既刊も売れ始め、『彼女がその名を知らない鳥たち』は20万部、『猫鳴り』も15万部のベストセラーに。
翌2012年には『ユリゴコロ』で第14回大藪春彦賞を受賞、第9回本屋大賞でも6位にランクイン。湊かなえ、真梨幸子とともに「イヤミスの女王」と呼ばれ、イヤミスブームを巻き起こすことになった。
ところが、湊かなえや真梨幸子がその後もコンスタントに作品を発表して人気作家になる一方、沼田は〝大藪春彦賞受賞第一作〟と銘打って「読楽」2012年5月号に発表された短編「ひらひらくるくる」(後に徳間文庫『憑きびと 「読楽」ホラー小説アンソロジー』に収録)を最後に、小説どころか文章らしい文章をほとんど全く発表しなくなってしまう。2017年には『ユリゴコロ』と『彼女がその名を知らない鳥たち』が立て続けに映画化されたためコメントを寄せたりはしたものの、2020年現在、作家としてはほとんど消息不明の状態になってしまっている。
というわけで、このままいくと実質的な作家活動期間は僅か8年弱、著作は6冊で終わってしまいそうなのだが、幸いと言うべきか、新作が出なくなって久しい2020年現在も6冊とも現役で流通している。世間的に有名なのはデビュー作の『九月が永遠に続けば』と出世作(そして最後の長編?)になった『ユリゴコロ』だが、本項執筆者的には『彼女がその名を知らない鳥たち』と『猫鳴り』が特にオススメ。唯一の短編集である『痺れる』もハイレベルな作品集。『九月~』だけ読んだ、という人も結構いると思うが、ぶっちゃけ『九月~』より他の作品の方が面白いので是非他の作品も読んでみていただきたい。
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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