藤井太洋(ふじい たいよう)とは、日本のSF作家。第18代日本SF作家クラブ会長。
よく間違われるが、藤井大洋ではない。太洋である。
1971年生まれ、奄美大島出身。ソフトウェア開発の仕事をしながら小説を書き、2012年に『Gene Mapper -Core-』をAmazonのセルフ・パブリッシングで電子書籍として発表。これが評判を呼んで7000部に達するヒットとなり、同年のKindle年間セールス文芸部門で商業出版の書籍を押しのけ1位に輝く。
2013年、これを改稿した『Gene Mapper -full build-』がハヤカワ文庫から刊行されデビュー。「SFが読みたい!」では4位にランクインし、第34回日本SF大賞候補に。
2014年、第2長編『オービタル・クラウド』を刊行すると、これが「SFが読みたい!」第1位に輝き、第35回日本SF大賞と第46回星雲賞日本長編部門をダブル受賞、SF界の評価を総なめにした。
2019年、『ハロー・ワールド』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞。2022年、SFマガジン連載の長編『マン・カインド』で第53回星雲賞日本長編部門を単行本化に先駆けて受賞した。
元システムエンジニアの経歴を活かしたIT技術・科学技術の緻密なディテール描写を土台に、それぞれの分野のプロフェッショナルが最善を尽くして事態の対処にあたる物語を得意とする。初見では小難しい用語の乱舞に取っつきにくさを覚えるかもしれないが、科学技術のディテールを無理に全部理解しようとしなくても楽しく読める。また科学技術がもたらす未来についても楽観的・希望的なスタンスであるため読後感がいいのも特徴。その点、アーサー・C・クラークや野尻抱介の直系にある作家といえるだろう。同じ電子書籍デビューのアンディ・ウィアー(映画『オデッセイ』原作の『火星の人』の著者)ともそのへんの雰囲気は近いものがある。
長谷敏司、宮内悠介、酉島伝法、上田早夕里、小川哲らとともに、今後の日本SFを担う作家のひとり。「でもSFはちょっと苦手……」という人には、ビッグデータと個人情報危機を題材に、システムエンジニアの過酷すぎる現実を描いた警察小説『ビッグデータ・コネクト』がオススメ。
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最終更新:2025/01/09(木) 07:00
最終更新:2025/01/09(木) 07:00
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